2011年11月3日木曜日

ラタラジューの語りの検証その4

(その3からのつづき)
ネパール語の文法に忠実な助動詞の使用


ネパール語の文法は主語の人称と尊敬語に対応して、動詞・助動詞が複雑に変化する特徴があります。
たとえば、日本語の「です」に当たるネパール語の助動詞は、一人称の場合では「hu」であり、二人称と尊敬語では「hunuhuncha」に変化します。さらに三人称になると「ho」と変化します。
ラタラジューは、「私のお父さんはタマン族です」というネパール語を、「お父さん」という尊称に対応した助動詞の「です」のhunnuhunchaを忠実に用いて、「mero buwa Tamang hunnuhuncha.」と発話していることが、アンビリバボー番組制作スタッフの検証によって明らかにされました。
こうした文法の助動詞変化に忠実な発話ができることは、ラタラジューがネパール語の運用をただしくできる能力を持っている有力な証拠の一つとして採用できると思われます。

ネパール語の不規則な数詞の使用


ネパール語の数の数え方には規則性がないので、記憶するには数詞ごとに一つ一つ覚えなければならないので大変やっかいです。
たとえば、日本語の場合には一の位の「いち・に・さん」が十の位でも「じゅう・いち」「じゅう・に」「じゅう・さん」と十の位の後に連結して用いられるので覚えやすいと言えます。ところが、ネパール語の1・2・3は「ek」「dui」「tin」ですが、11・12・13、はそれぞれ「egara」「bara」「tera」 であり、まるで規則性がなく非常に覚えづらいのです。
ラタラジューは、このネパール語の数詞の「tis(30)」 「pachs(25)」 「Ath satori (8と70)」の三語を自ら発語しています。この複雑な数詞をよどみなく発話した事実は、ネパール人ラタラジュー人格が現れて会話したとする一つの有力な傍証として採用できると思います。
(つづく)

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