2023年12月25日月曜日

脳・魂・意識・霊体の相互関係

SAM催眠学序説 その169  


「心・脳二元論」とは、心(意識)と脳とは別物で、脳が心を生み出してはいない、ということでした。
この「心・脳二元論」の最大の弱点は、それでは意識はどこで生まれ、どこに存在しているのかが説明できないことです。

この説明は、心(意識)のような目にみえない対象を探究するには、実験・観察を手段とする現行 の科学的手法ではなんともならないものです。
そこで、探究を進めるために、わたしあて霊信が教示した魂・意識・霊体などの知識を「作業仮説」として手がかりにするほかないというのがわたしのとった探究の立場です。

作業仮説とは、その仮説の科学的実証はいまだできないけれども、探究を進める作業ために設ける暫定的な仮説です。
フロイトにおける「イド」とか「超自我」などの無意識論、ユングの「老賢人」、「太母」などの元型論は、意識の研究を進めるための作業仮説です。

そして、わたしはSAM前世療法の最終過程である「魂遡行催眠」という技法を成立させるために、意識は脳にあるのではなく霊体にある、という守護霊団の告げた「霊体仮説」を採用しています。

通信霊は、「あなたがこれまで探究してきた道のなかで、あなたが処理できないでいるもの、そして人の理解を超えているものについて、私たちでなければ答えられないものについて、まとめなさい。M子(:霊信の受信者)を通し、あなたは私たちに尋ねなさい」とわたしに教示すると告げてきたのです。
 
  ここで、わたしが探究の手がかりにした、霊信(:SAM催眠学序説その47~72で公開)が、告げている魂の仕組みと霊体の関係について、要点を抜き出してみます。
「霊体仮説」をはじめ、「心・脳の二元論仮説」「魂の二層構造仮説」の原点は、これら諸霊信の真偽の検証にあるからです。

わたしあての第11霊信は次のように告げてきました。
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あなたが長年探究してきたものは、これまでの視点からでは成長は望めない。
なぜなら、もうすでにその観点での最終地まで達しているものが存在しているからである。
あなたが探究するべきものは、これまでよりさらに深奥にあるものである。
魂の療法のみにあらず、あらゆる霊的存在に対する奉仕となるものである
それは、命あるものすべてにつながり、私たち(:稲垣の守護霊団)へも強いつながりを持つ。
そのために、あなたは自らの内にある疑問をまとめておく必要がある
あなたがこれまで探究してきた道のなかで、あなたが処理できないでいるもの、そして人の理解を超えているものについて、私たちでなければ答えられないものについて、まとめなさい。
M子(:自動書記による霊信の受信者)を通し、あなたは私たちに尋ねなさい。(中略) 

そして、前世療法についてだが、あなたは自らの霊性により独自性を持つようになる。
あなたは、今度その療法(:SAM前世療法の創始を予言している)に関わるが、それだけに限定するのではなく、別のものも同時進行する(:ヒーリング能力と浄霊能力の覚醒を予言している)のだと理解しなさい。(中略)
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こうして、わたしの通信霊への16の質問をM子さんに送信したところ、その回答として、第12霊信で次のように告げています。 
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前世療法で顕現化されるのは魂ではなく、魂の側面である。
傷を持つのは魂の側面であり、魂自体が傷を持つのではない。
その表層部分が傷を持つのである。
その表層部分は、これまで転生してきた者たちにより構成されている
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また、わたしの通信霊への疑問の回答として、第13霊信で次のように告げています。
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顕在意識・潜在意識は、脳が生み出しているものではない。
すべては、魂の側面(:第12霊信で「側面」を「表層」とも表現している)である者たち(これまでに転生してきた前世の者たち)が作り出しているものである。
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さらに第14霊信では、わたしの通信霊への疑問の回答として次のように告げています。
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霊体はあなたがたという魂の側面に属するものであり、心も同様である。
その違いは、霊体は魂にその存在をゆだねているが、心はゆだねていないものである。
心は、心という存在なのだ。
だが、魂に属するものである。
魂にとって、心は道具なのだと考えなさい。
霊体とは魂ではない。
それは、あるときは、オーラ と呼ばれもする
そのものを体を包むものである。
私(エドガー・ケイシーを指す。第7霊信で通信霊の一員として「私はエドガー・ケイシーである」と名乗っている)が過去にリーディングした中で、アストラル体という表現を用いて説明したものである。
それは魂ではなく、それに属するものであり、肉体を保護する役割を担うものでもある。
霊体自体は、単体で動くことはできない。
それは魂とともに存在するものである。
魂を取り囲み、それはあなたという存在を構成するための一材料となる。

死後、霊体は魂から離れる。
だが、それらの意識は魂に取り込まれる。
そして、魂のものとなるのだ。
霊体は、ある意味においてはあなたがたが「あなたという人間であるため」の意識を独立して持つための役割を担うものでもある。
心が個人的意識をつくるのではない。
霊体が持つのだ。(後略)
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また、第15霊信では次のように告げています。
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生と死の過程は日々おこなわれるものである。
今日という日がはじまり、あなたがたはその先へと進んでいく。
その先に、あなたの魂が、そしてあなたとともににあなたの魂から生まれた多くの者が存在し、同じものを見つめていくのだと理解しなさい。
それらの者の協力を求めるのだ。
友愛、それは自身の魂によるものこそ真の友愛である。
あなたがたは、自らの魂の側面である者たちと友情を築くのだ
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そして、第10・17霊信では次のように告げています。
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魂という存在を理解しなさい。
あなたも、一つの魂をもとに形成された側面なのだ。
あなたという存在も、側面の者であり、すべての側面の者は友であると理解しなさい。
魂は、すべての側面の者がつながりを持ち、友愛を築き、与え合うことを望んでいるのだ。
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抜き書きしたわたしあて霊信告げている「魂の仕組み」と「意識」と「霊体」の関係を要約すれば次のようになります。

①脳は意識を生み出してはいない。

②魂の表層(側面)を構成している前世の者たちが意識を生み出している。 

③魂表層の前世の者たちが生み出している意識は霊体に宿っている。

④「現世のわたし」も、魂表層を構成している一つである。

⑤霊体は、現世のわたしが、わたしという意識を持つための役割を担っている。

⑥霊体はオーラとも呼ばれ、肉体を保護する役割を担っている。

⑦死後霊体は魂から分離し、霊体に宿っていた意識は魂に取り込まれる。

⑧魂表層を構成してる前世人格たちはつながりを持ち、友愛を築き、それぞれの過去の人生の知恵を与え合う関係にある。

以上8点が、SAM前世療法の採用した作業仮説の骨格となっています。

そして、意識は霊体(オーラ)に宿っている、とした場合に次のような現象の説明が成功するのではないかと思っています。

①SAM前世療法の特殊技法である「魂遡行催眠」は、霊体に宿っている潜在意識を指に担わせ、指の繰り返しの動作によって魂状態まで遡行させるという技法が成功している(指に限らず首・手首など肉体の任意の部分に担わせることが可能)。                               意識・潜在意識が脳に存在しているとしたら、このような技法が成功するとは考えにくいのではないか。 
何よりも、この技法により、被験者里沙さんを「魂状態の意識」にまで遡行させ、魂表層を構成している前世人格のタエと前世人格であるラタラジューの顕現化に成功している。                               そして、ラタラジュー人格は、ネパール語で会話し応答型真性異言を示したが、同様の手続きを踏めば被験者の90%以上の確率で前世人格の顕現化に成功している。                                    こうした前世人格の顕現化する意識現象の事実は、霊体仮説を支持している。


②心臓移植をした場合、移植を受けた人にドナーの意識(記憶・癖・好みなど)が現れるという現象は、移植する心臓を取り囲んでいる霊体も同時に移植されることであり、移植先の人の霊体にドナーの霊体が混入すると解すれば、ドナーの意識や記憶の一部が移植を受けた人に現れることは説明可能ではないか。

③体外離脱した人が、離脱中に見聞した記憶を報告することが説明できるのではないか。                                  つまり、魂とともに霊体も離脱するので、魂が見聞し記憶している意識を霊体が持つからだと説明できるのではないか。
臨死体験研究者キュブラー・ロスの報告によれば、全盲の人が対外離脱中に部屋にいる人の服の色・形を正しく報告した。                   ということは、魂は、肉体の全盲という障害とは関係なく五感を感知する能力を持っていることになるのではないか。

④統合失調症の典型的症状に幻聴(自分ではない者の声が聞こえるという訴え)は、患者の霊体に宿る意識に未浄化霊が侵入した(憑依した)と考えれば、侵入した未浄化霊の意識が幻聴を起こしていると解することができるのではないか。
実際に浄霊作業によって統合失調症を治療した記録(米精神科医ウィックランド『迷える霊との対話』)がある。                      また、わたしも未浄化霊の浄霊作業によって統合失調症の19歳男子大学生の症状改善に成功している。

⑤幻肢という意識現象がある。
手足を切断しているにもかかわらず、無いはずの手足の痛みなどを有るごとく感じる現象である。
これは手足を取り囲んでいた霊体が何かの理由で切断後もそのまま残存して、切断時の痛みの意識を訴えているという説明が可能ではないか。

⑥SAM前世療法のセッション中に顕現化する未浄化霊に、何を目安に憑依するのかを尋ねると、被憑依者のオーラに宿る意識を感知して憑依すると答える。   つまり、被憑依者が、未浄化霊に対して共感や受容する意識を持っているかを、そうした意識が宿るオーラによって感知するということらしい。         そして、オーラ(霊体)に憑依すると答える。


これらの諸現象の科学的実証はできませんが、「意識は霊体に宿っている」、という仮説を採用すれば、「意識現象の事実」として現れている未解明な事実を説明することに成功するのではないかと思います。
それにしても、これまで誰も唱えた者がない奇抜な仮説ではあります。
しかし、SAM前世療法の実践によって検証・確認されてきた「意識現象の事実」は、霊体仮説および、その他の仮説の成立をすべて支持しています。

このことは、わたしあて霊信の教示した内容が、受信者M子さんの妄想による作文ではないことを証明していると結論できます。

そしてまた、前述第11霊信で、「前世療法についてだが、あなたは自らの霊性により独自性を持つようになる。あなたは、今度その療法に関わる」と予言した前世療法こそ、この予言の1年後2008年に創始した「SAM前世療法」であり、その成果として、「タエの事例」および、応答型真性異言「ラタラジューの事例」があらわれたのです。

紹介した霊信現象をはじめ、アンビリバボーでTV放映された「タエの事例」、応答型真性異言「ラタラジューの事例」などは、現行唯物論とは真っ向から対立しています。

しかし、2005年以前は唯物論側に与していたわたしは、いかに唯物論と対立しようとも、自ら体験してきたこうした催眠下で起こる
不思議な諸現象の検証結果を前に、それらを事実だと認めることに躊躇しなくなっています。
これまで唯物論側からの様々な反論を受けてきましたが、これら「意識現象の事実」を唯物論ではいまだに具体論として論破することができないでいるからです。

もし、わたし以外にこのような仮説を述べているという医師・療法家や霊能者を知っている読者がおいでになれば、その出所を教えてくださるとうれしく思います。
わたしの知るかぎりでは、米国の催眠療法家L・M ・ルクロンが、潜在意識から情報を探る技法として、催眠下の観念運動による「指による方法」(『催眠のすべて』講談社現代新書、P.62)という技法を紹介しています。
ただし、ルクロンはこの技法の理論的裏付けについては何も語っていません。
質問の回答を、潜在意識による観念運動として指が立ち上がって答える、という考え方をしているようです。

終わりに、読者のみなさんに英国の哲学者フランシス・ベーコンの残している次の二つの箴言を紹介して、2023年の締めくくりとします。

「反駁や論駁を目的としたり、逆に、頭から信じて無批判に受け入れる態度、あるいは話のタネになるものを探そうといった態度で読むのではなく、その内容をよく吟味し、思考の糧とするために読むべきである」             

「知は力である」

 

今年2024年が、読者のみなさんにとって、実り多き、充実した年になりますように。