2020年8月29日土曜日

ある宗教家のセッション体験記

   SAM催眠学序説 その134    


下記に掲載するのは、ある宗教団体の要職にある男性のセッション後の体験報告
です。

大変理知的で誠実な求道者といった印象を与えたクライアントでした。

主訴は、「魂の実在」と「親神さま」(天地創造と人間創造のすべての創造神)の
実在を実感したいということでした。

自分の催眠状態をモニターしている冷静な顕在意識のありようがよく分かる貴重な
体験談です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平成24年12月3日、午後3時からセッション開始、稲垣勝巳先生65歳。
私も65才。
 

1・壁を通して聞こえてくる戸外の雑音(特にトラックの通過する爆音)が気になっ
た。
 

2・左側頭部で圧迫痛がした(左耳朶が特に痛い)。セッションを終えて数分で痛み
はなくなった。
 

3.除霊後の催眠での、守護霊の応答について。
  (特に左手人差し指の動きについて。)
あの時、私の意思を離れて、勝手に指が動きましたが、あの時の指は単なる指ではな
くて、指に宿った“無意識さん”の“顔ないしは頭部”になっていたのではないでしょう

か?
 

指の動きは「上下」だけではなくて、「左右」にも動いていた記憶があります。私は
自分の指の動きを感知できました。誘導の最初の頃は、指は単なる「イエス、ノー」
の意味で「上下」運動をしていましたが、守護霊が現れてからは、指が霊体の頭と
なって「首から上」の動作をしていたように感じました。

守護霊は前世の誰かと交代することを「受諾した」のではなく、「ためらいがちに、
首を左右に振った」という感じを受けました。
指は質問に応じて色々な反応をしました。単なる上下運動だけじゃなくて、一見あい
まいな動きもしましたが、それは、指が「首から上」の動きを表していたからのよう
に感じました。
 

守護霊の意思表示は「それはしてやりたいが、することを許されていないんだ」とい
うことを指と言う「全身」で「いやいやと首を左右に振って」表現しているように感
じました。
指が勝手に動くだけで、指の「意思」は私には伝わっておりません。
 

ただ、「親神様の降臨」の時は、それ以外の時とは全く違いました。
降臨の直前に私の意識が一瞬消えて、気が付いたら指が化身となって「昂然と屹立し
ている」と言う感じでした。

しかも指が立つ、というより、何かの力に引っ張られて指が上を指している、という
感じでした。
指自体は完全に脱力していました。帰宅してから、同じ動作を試みましたが、自力で
はあんなに直立はできませんでした。
 

4、セッションの最後に呼び戻される過程で、魂状態では、下半身が霊体化している
のを感じました。

現実には椅子に深くかけて、腰も膝も曲がっているはずなのに、下半身をまっすぐ伸
ばして頭と同じ高さで水平に宙に浮かんでいる感じがしました。
そして霊体の足は、現実の足よりはるかに力に満ちていました。
 

5、未浄化霊については心当たりがあります。
結婚後一年程で男児を出産しましたが、生後五日目に赤ん坊が死にました。
医師によれば、生まれつき複数の代謝異常があって生きられなかったそうです。
本人もその数カ月後に腎臓病で死亡しました。
その後、○○教では、神道に倣って、死後に一年祭、五年祭、十年祭、二十年祭、
十年ごとに慰霊の年祭をしますが、婚家がしましたので、たぶん形式的で、慰霊
にはなっていなかったのでしょう。
夫はすぐに再婚しました。
浮かばれない気持ちは分かりますが、何故血族の家内に憑依せずに私に憑依した

のかが分かりません。
 
大事なことをお伝えすることを忘れておりました。

私は○○教の中で、指導的な立場を与えていただいております。

○○教には定年制はありませんが、今、私が教会長をつとめている教会の会長職を
倅に譲ろうと準備を進めているところです。
来年11月3日に正式に譲る予定です。

これまで何十年と霊的真理については研究を重ねてきて、その過程で、どうしても実
証的な体験をしなければ、人に確信をもって言うことができない、
と思うようになり
まして、今年に入った頃から、私に前世体験をさせてくれそうな人を探しておりまし
た。
 

飯田史彦先生のことは、『生きがいの創造を出版なさる前からネットで知っており、
先生にメールでお願いして、あの本のもとになった論文も頂きました。
 

そのご縁から、門真市の奥山輝実先生も知りまして、色々下調べをしてみましたが、
お二人とも施術者としては優秀ですが、死後の霊魂の存続については、個人的には信じ
ておられるようですが、公式には態度保留というお立場にみえます。
 

前世があるかないか分からないが、一定の治療効果があるから、たとえ見えたものが
無意識の作り出したビジョンでもいいではないか、という見解のようです。
 

私の求めているのは、治療ではなくて「霊的真理」のみですから、(と申しますの
は、
○○教では、一定の信仰信念に達しますと『おさづけの理』という、いわば
「ヒーリング能力」を付与される制度があります。

私には「身上助けの効能の理としてのおさづけの理」という宗教的なヒーリング能
力がすでにありますから、治療には興味も必要もないのです。
 

どこかにどなたかいらっしゃらないかなあ、とネットサーフィンしていて、偶然稲垣
先生のことを知りました。
あらゆるサイトを探して、先生のことはあらかた分かりました。

教師をなさっておられた頃のことや、近年のタエの事例やラタラジューの事例のその
後の経過も逐一調べました。

この先生に会いに行かなければならない!と心に決めて先生にセッションの事前予約
を承諾して頂いた後、その旨を家族に相談しました。

が、猛烈な反対にあいました。
家内は一定の理解を示してくれましたが、二人の息子が強硬に反対するのです。


長男は教会長後継者ですので、「今、おやじがオカルト的な行動をすると、教団に知れ
たらどんな処分を受けるかわからん。どうしてもやるのなら、完全に退職してからやっ
てくれ」というのが彼の意見です。


次男は少壮の物理学者ですが、「行くのはいいが、いきなりセッションを受けるのは
やめて、まずはその方と会ってみてはどうか?
世間には色々いかがわしい輩もいて前世体験などと言って金品を巻き上げる事例も多
いから。おやじなら、一度会えばその人物が本物かどうか見分けがつくだろうから」
という意見です。
私は悩みました。

倅たちの意見は至極尤もです。
私が強行する理由はありません。

ところが、心はどうしてもすぐにでもセッションを受けたいとはやるのです。
色々考えた挙句、長男の意見に従うことにしました。
 

先生にも申し上げたように私はPCのエキスパートです。
ちょうどその頃(11月19日)に、長女が自宅のPCの無線LANを組んでほしい
と言ってきまして、そのために普段私が使っているノートPCを持って行きました。
無線LANはすぐに構築できまして、時間がありましたから、そうだ、稲垣先生に延
期をお願いしようと、上記の理由を詳細に書いて来年の11月3日のあとにセッショ
ンを受けたい旨のメールを送信しました。
 

ところが、受信サーバは反応するのですが、送信サーバが反応しません。
何度やっても同じです。
他人からPCのメンテナンスを依頼された場合は、設定を色々いじってなんとか直し
ます。
そのときも送信できるようにする自信はあったのですが、無理はやめようと思いまし
た。
これは、何かのメッセージに違いない。

延期をお願いするメールが送信できないのは、早急に行けという意味ではなかろうか。
よし、直観に従おうと決めました。
 

但し、倅が心配するだろうから、家内には本当のことを打ち明けて、倅には内緒でい
くことにしました。

もちろん、どんなことを経験しようが、来るべき時がくるまでは倅には内緒にしてお
くつもりでした。(今でもそう思っています)
 

12月3日朝、不思議と心は穏やかでした。生まれて初めての経験、それも唯物論で
はありえないことに遭遇しつつあるのですから、極度の期待と緊張があるはずなの
に、まるで日常のルーティン・ワークをこなしているような平静な自分に驚きまし
た。
自分は行くべくして行っているなあ、となかば可笑しいように自分を観察していまし
た。
駅を降りて、お会いする前に、ご自宅周辺を30分ほど散策しました。

デジャブは感じませんでしたが、とても懐かしい気がしました。
それから、呼び鈴を押しました。
お会いして、私より先生の方が少し緊張なさっている印象を受けました。
あとは先生御承知の通りです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(終わり)

ゴチック部分は、注目していただきたいと、わたしが願った部分です。
とりわけ、水平に置いた手のひらの人差し指がほぼ垂直に直立した現象には驚きました。
 わたしもやってみましたが、とても真似のできることではありませんでした。
 解剖学的にも、人指し指が単独で直立状態に立てることは不可能です。

「指が立つ、というより、何かの力に引っ張られて指が上を指している、という感じで した」という述懐がありますが、これは降臨されたと思しき「親神さま」が、指を立てた 主体であると考えれば筋が通る現象です。
 なお、指自体は完全に脱力していました」ということですから指を直立させたのはクライアント自身の顕在意識ではないと考えられるからです。

 また、私の求めているのは、治療ではなくて『霊的真理』のみ」「どうしても実  証的な体験をしなければ、人に確信をもって言うことができない」と述べるほどの真摯 な求道者精神の持ち主であるクライアントですから、その求めに応じて「親神さま」が
顕現化している証として知らしめた指の直立現象だととらえてよいように思われました。

こうした超常的現象に遭遇できることも、SAM前世療法の醍醐味の一つです。