2020年12月18日金曜日

前世探究の新しい地平を拓く事例

                SAM催眠学序説 その136

 

2020年最後の本ブログで、SAM前世療法の実践上、これまでに発見されていなかった2つの新しい知見を紹介します。 

 

 その1 動物(犬)の前世の初顕現化

 

この事例のクライアントは31歳の主婦(子どもあり)です。

SAM前世療法をおこなうようになって初めての希有な事例であり、ご本人から本ブログ掲載の許可をいただいてここに公開することができました。

彼女は、強迫性障害の診断が下りており、精神科医から2年間の投薬を受け続けて現在に至っています。この女性クライアントの事前に記述された主訴は次のような内容でした。

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2年前に飼育放棄されている犬を助けて強迫性障害という病気になり『私が幸せに生きている今も苦しんでいる犬が居るのではないか』という思いに一日中囚われるようになり、自分を生きることが出来なくなってしまいました。

とくに虐待や餌がもらえないことより、狭いケージに閉じ込められて動けないことに対して嫌悪感を感じてしまいます。

そうなってしまう理由をきちんと理解し、自分を変えたい、自分を生きたいという思いでセラピーを受けたいと思い連絡させて頂きました。

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【初回セッション】 

第1回のセッション前の主訴についての事情聞き取りで明らかになったことは、2年前に飼育放棄された犬を助け飼い始めたことを契機に、強迫性障害が発症し、2年間の精神科の受診と投薬を受けながら、不眠、食欲不振、強度のうつ状態に苦しんできたということでした。自分が幸せになることに罪悪感を抱き、死にたいと思うようになる時もあるということでした。

セッション前のカウンセリングによれば、狭いケージに閉じ込められている犬を見たことが直接の発症要因で、猫など他の動物がケージに閉じ込められているのを見ても特に強迫的症状は発現せず、ケージに閉じ込められている犬を見るときに限って起こるということでした。

SAM前世療法の催眠誘導に入り、この奇妙な症状の原因が、現世の生育歴や何らかのトラウマで起きていることを通常の記憶催眠レベルで探りましたが、該当することがありませんでした。

その確認後、魂遡行催眠まで誘導しましたが、ここでも未浄化霊の顕現化はなく、魂状態の自覚まで到達することが可能でした。したがって、未浄化霊や生き霊の影響は排除できると判断しました。

そこで、彼女の強迫性障害を引き起こしている前世の者を呼び出すと、その顕現化が起こりました。

通常、顕現化した前世の者に最初に確認する手順として、まず最初に性別を尋ねます。

しかし、犬を見るときに限って強迫性障害が起こるという奇妙な現象に鑑みて、動物の、しかも犬の前世の者の可能性を考慮して次のように質問を重ねて尋ねてみました。

「あなたは動物の前世を持つ者ですか?」

「あなたは犬であった前世の者でしょうか?」

 「犬であったあなたは、どのような役割を果たして人間と関わっていましたか?」

「あなたは野良犬、猟犬・警察犬・盲導犬・牧羊犬・そり犬などのうちどれですか?」

 彼女は、口頭で話せるタイプではないので、了解は人差し指を起こすという合図でセッションを遂行しました。

その結果、明らかになったことは

①牧場で働いていた牧羊犬であり、犬種はコリーである。

②年老いて仕事ができなくなって、別の飼い主にさらわれた。

③新しい飼い主が、コリーであった自分をケージに閉じ込めた。

④ケージに閉じ込められて、牧草地を駆け回り広い空のもとで自由でいたいと願った。

⑤それが叶わないために、深い悲哀のうちに命を終えた。

ということが判りました。牧羊犬はその悲しみを魂表層の現世の者(クライアント)に訴えその結果として、ケージに閉じ込められた犬を見るときに限って強迫性障害が起こるという現象が引き起こされている、ということでした。

 
そうなってしまう理由(強迫性障害の理由)をきちんと理解し、自分を変えたい、自分を生きたい、という彼女の主訴はこれで解決できたと判断しセッションを終結しました。

理由不明な症状の理由を感情をともなって洞察できたとき、「ああ、そうだったのか体験」ができたとき症状は改善する、というのがSAM前療法における治癒仮説です。彼女はうっすらと涙を溜めていました。

その後、41日経って彼女から以下のような再セッションの依頼が来ました。

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先生先日はお世話になりました。お陰様で2年間ゲージの中で苦しんでいる犬に襲われ続けたのが嘘のように襲われなくなり、薬も飲まずに生活出来るようになりました。本当に感謝してもしきれません。ただやはり、2年間考え続けたのが癖になっているのか、しんどいまではいかないですが、気にはなり、ケージで暮らしている犬を可哀想と思う気持ちは消えないというのが現状です。
本当にあと少しというところまではきているように感じています。
今回もう一度だけセッションを受けさせて頂いて、催眠というよりは、過去生の犬を癒して頂く方に時間をかけて頂くことは可能でしょうか?
よろしくお願い致します。

実はここ1、2週間症状がかなり落ち着いています。
犬のことが出てきても1日に1回あるかないかくらいで。
今のところはこのまま乗り越えていけそうな気もしています。
でもやはり、出てきたときには先生のところに行かせてもらいたいと思ってしまって。
 日々どうしようか迷いながら今日まで来てしまいました。
もう予約が明日のことなのでキャンセルしてしまうと先生に多大なご迷惑をお掛けしてしまうことも理解しています。
どうするべきなのかすごく悩んでいます。
いや、でもやはり、もう一度先生のところへ行って完全にすっきりさせたいです。
明日は予定通りよろしくお願いします!

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【第2回セッション】42日後 

セッション前のカウンセリングで彼女は、第1回セッション前を100とすると10まで症状は軽減しているし、精神科医から処方された薬は服用しないで生活できているとのことでした。残り10の症状を完全に取り除きたいとの主訴内容でした。

初回セッションで、まさかの牧羊犬の前世が顕現化したことに驚いて詳しい状況を探り忘れていたわたしは、その犬の前世のさらに詳しい状況と、なぜ人間に生まれ変わることになったのか、その状況を探ることにしました。 

その結果、次のことが明らかになりました。

①牧羊犬として可愛がってくれた飼い主の元からさらわれて新しい飼い主に飼われた。

②新しい飼い主は冷酷で、コリー犬であった自分を逃げられないようにケージに閉じ込めた。自由を奪われた自分は悲しみに苛まれて命を失った。

③牧羊犬として働いていた場所は、ヨーロッパアルプス山麓の牧場であるが、国の名前は知らない。 

 ④死後霊界で神に出会い、人間に生まれ変わって犬たちの気持ちを人間に伝えたいと訴え、それが許されて人間に生まれ変わることができた。

⑤人間としての生まれ変わりは現世で5回目である。

こうして第2回セッションは終結しました。

2回目のセッションによって強迫性障害のさらなる改善が期待されたのですが、セッション直後からぶり返しが繰り返し起こり、一進一退状況のメール報告が毎日10日ほど届き、その都度アドバイスをしてきました。

やがて、2週間ほどの経過後、症状悪化の報告が止まりました。

 

【現在の状況報告】第2回セッション41日後

第2回セッションから41日後、セッションのブログ上での公開許可と現在の改善状況をメールで尋ねたところ、次のような返答が届きました。

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ご連絡ありがとうございます!!
良くなったり悪くなったりを繰り返しながら前に進んでいるのを日々実感しています。
前は『辛い苦しいどうしてこんなことになってしまったのか』と悲観し続ける毎日だったのですが、今は『これは私が成長する為に与えられたギフトだ』と前向きに捉えられるようになり、まだ苦しい日々ですが、少しずつ前進している自分にワクワクもするというか、変な気持ちです。今も
精神科から処方された薬は服用しないで生活できています。

過去生の犬だったときのことはあまり分からないのですが、苦しくなったときに、そこに居るのが『ケージの犬』なのか『自分』なのかわからなくなるときがあります。

そのときにやはり『閉じ込められて自由がなくなること』に対しすごく恐怖や不安を感じるのは、過去にそういう経験をしたんだなと感じています。

是非ブログに紹介して下さい^^
今まで散々助けて頂いたので、何かお力になれれば嬉しいです。
よろしくお願い致します!

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以上のように、SAM前世療法の2回のセッションによって、2年間服用してきた精神科医から処方された薬は服用しないで生活できているという報告から、セッションによる改善が起こった事実は、ほぼ認められると判断できます。

ただし、精神科の治療に2年間通い、苦しんできた強迫性障害の改善が起きたからといって、彼女に牧羊犬であった前世が真実であったという即断はできないと思われます。牧羊犬の前世の検証は当然のことながら不可能ですから。したがって、判断留保とすることが妥当だと考えます。

この事例では、牧羊犬の前世以外の強迫性障害の発症原因があった可能性もあるでしょう。たまたまケージに閉じ込められた犬によって触発され、隠されていた何らかの精神疾患が発症したのかもしれません。

また、ナラティブセラピイ(物語療法)の観点から解釈すれば、強迫性障害の苦しみから逃れるために、牧羊犬の前世の物語を無意識的に作話した可能性も完全に排除はできません。

ただし、彼女との面接で統合失調症の特徴的兆候は観察できませんでしたし、かかりつけの精神科医も強迫性障害以外の診断名は挙げていません。

そして、催眠中に意図的作話はできないとされていますから、これは排除していいでしょう。残るは、催眠中の創造性活動の活性化によって無意識的な作話をしたという解釈になりますが、なぜ牧羊犬の前世を作話しなければならない必然性があるのか、説得力のある説明ができないように思います。

「狐憑き」のように、牧羊犬の霊が憑依して語ったのだという解釈もできそうですが、憑依霊の憑依がある場合には、SAM前世療法の最終プロセスである「魂遡行催眠」中に、そうした憑依霊の顕現化が起こることが、これまでのセッションの累積から判っています。それも起きてはいません。

スピリチュアリズムでは、人間との心的交流の濃厚であった犬や猫などの愛玩動物のなかには、稀に人間に生まれ変わることがある、という見解があるようです。

牧羊犬の前世の真偽は判断留保とするしかありませんが、現時点ではスピリチュアリズムのこの見解を採用することが妥当かつ納得できるのではないか、とわたしは思っています。

動物の生まれ変わり事例があるという可能性は、今後のSAM前世療法のセッションの新しい地平を拓くことになり、今後のセッションの累積から明らかになっていくかも知れません。

 

その2 前世人格に憑依している未浄化霊の顕現化

 

次に紹介する事例は、わたしの主宰している「SAM催眠塾」修了生である女性セラピストからの質問です。

わたしが一度も経験したことのない事例です。しかし、今後のSAM前世療法の新しい可能性を拓くであろう事例ですので、質問に解答する形で紹介します。

以下が質問メールです。

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いつもお世話になりありがとうございます。突然のメールに驚かれたと思います。

今回メールを差し上げたのは、セッションで起こる不可解な出来事について先生のご意見を承りたいからです。お忙しいとは存じますが、一読していただけますようお願いいたします。

 この一年、セッションをさせていただいている中で不思議な事が起こりました。

 それは、前世人格を顕現化させると、前世人格を恨んでいる未浄化霊が何体も憑いたまま一緒に転生しているという事です。

 2019129日、私は前世で女性を殺しているような気がしますと訴えるMさんがいらっしゃいました。お話を聞くと、夢で殺している同じ場面を何度も見るというのです。

女性を殺した前世人格に出てきてもらうと、邪馬台国時代の男性でした。ものすごく苦しい顔をされます。何があったのか聞いてみると、女性二人に首を絞められているというのです。どうやらその男性の前世は、女性二人を殺したため、その女性たちの未浄化霊が前世人格の首をずっと絞めながら一緒に転生していたという事がわかりました。

浄霊をしてその時は、疑問も持たずセッションを終わりました。その後も、話せるクライアントが未浄化霊に苦しめられていると浄霊をするという事がたびたびありました。私自身、少し霊感があります。霊がうっすらと見えたら浄霊することもありました。

20207月頃より、魂の状態までもどっている反応があるのに、前世人格を出すと反応が悪く指の動きが鈍い現象が4例立て続けに起きました。

稲垣先生からは、「未浄化霊が憑依していると魂の状態に戻る事を邪魔します」と教えていただいています。クライアントは、2回目の人もいました。前回は、反応もよくスムーズにセッションが出来たのになぜ、突然こんな事が起こるのか頭を抱えました。

クライアントに話を聞いてみると、腕を誰かがグッと押さえていて動きたいのに動けないような感じだったというのです。

 その時、私自身の経験を思い出したのです。先生にセッションをしていただいたのですが、魂の状態まで戻るけれども、私の体の上に大きな黒い闇が覆い被さって身動きができない状態が半年ほど続いたのです。先生が、生き霊がつかないようにバリアを考案してくださってからその現象はなくなりました。

「黒い闇」は、生き霊だった可能性があると思いました。ということは、生き霊は、私の成功を望んでいないのだから、クライアントに覆い被さって体を動かさないようにしているのではないかと考えたのです。

それ以来、私に飛ばされている生き霊がいるのかどうか確認しました。生き霊がいなくなるとクライアントの指の動きもスムーズになりました。(今は、私自身の霊体が強くなりセッションの邪魔は出来ないようです。)指の動きの変化は、前世の状態を表しているとも考えるようになりました。

指の動きがスムーズにいくと、顕現化した前世人格の気持ちや伝えたいことがはっきりとわかるので、クライアントの指の動きを私はとても気づかっていました。指に注目しながらセッションをするようになっていました。

というのも、ヒーリングをした後、指の動きが活発になるクライアントの事例が30例ほどありました。私自身セッション体験時、前世人格が、顕現化すると辛くて辛くて回答している心の余裕が無いという前世人格が何人かいました。そう考えると、これは、ヒーリングをして前世人格が落ち着けばスムーズにいくのではないかと考えたのです。

すると、同じクライアントでも顕現化する前世人格によって指の動きに違いがあることに気づき始めました。ヒーリングをしても反応が鈍い、私に飛ばされた生き霊と聞いても違うと反応します。けれど、明らかに他の前世人格たちと指の動きが違うのです。おかしいおかしいと思いながら月日がたちました。

202010月ごろから、先祖を恨む未浄化霊が引き起こした不幸の話が立て続けに3例ありました。

その中の1例が私の考え方をがらりと変えました。

Yさんの娘さんは、医療ミスにより水子が一人いらっしゃいました。魂の状態に戻す過程で、水子がこられていますか?と聞くと指が上がります。Yさんのご家庭で起きている数々の問題は水子がやったのかと聞くとそうだと言ってまた指があがります。

水子の供養を手厚くされている事を聞かせていただいていたので何かおかしいと思いました。そこで、ご先祖様に変わっていただきました。何人来られているか聞いてみると1000人程だと反応が出ました。

こんな数聞いたことがありません。1000人のご先祖が霊界に行けないということは、誰かが邪魔をしていると考えました。そこで、Yさんのご先祖を恨んでいる未浄化霊を指に憑依させることにしました。

未浄化霊は1000人程いると答えました。未浄化霊は、先祖も恨んでいるがこの水子が憎い。水子の前世が憎いから、生まれさせる訳にはいかないと医療ミスをおこさせたと反応しました。水子はYさんの先祖の中の一人だったようです。

未浄化霊たちは、霊界に行けないようにしたり、嫌がらせをしているようです。水子や先祖はそれに耐えられなくて助けて欲しいと、Yさん家族に色々問題を起こしていたとわかりました。火に油を注ぐように、Yさんのご先祖や水子を恨む未浄化霊も動いていたようです。

 物質的には、小さな赤ちゃんだけれども魂は転生を繰り返したもの。見えている世界と見えない世界の感覚のギャップに驚きました。人の念とは恐ろしいものだと実感したセッションでした。

 未浄化霊を甘く見ていたと感じました。

未浄化霊が、邪魔をして人生に大きな影響を与えている場合があると考えると、セッション中に顕現化した前世のものたちについている未浄化霊を祓っていかないと道が開きにくいのではないかと考えたのです。

 以前からクライアントに顕現化した前世人格の感情も読み取れたり、画像が見えました。前世人格の状態の悪いところも体で感じます。

20201129日、頭が割れそうなほどの頭痛や吐き気、体を押さえつけられるほどの圧力がありました。一体どこから来るのか?

もうろうとする中、直感のようなものが走りました。未浄化霊に苦しめられているのを訴えていると感じました。振り返ると、クライアントに未浄化霊が乗っかっています。クライアントに顕現化した前世人格に、「あなたに、未浄化霊がいて苦しいの?」と聞くと指がグググと震えて上がります。

前世人格に憑いている未浄化霊を浄霊をすると、クライアントの指もスムーズに動き不思議と私の体調不良も改善することがわかりました。セッション後、体が軽くなったと話すクライアントも多くいらっしゃいます。

それ以来、指の動きが鈍いときや霊気などを感じた時、特定の職業の場合はこちらから未浄化霊がいるかを確認するようになりました。

最近では、未浄化霊が付いていない前世人格の方が少ないとさえ感じます。

正確な数は把握できていませんが、30例ほどの事例が出ています。「未浄化霊が前世人格に憑いて転生を一緒に繰り返している」ということは、真偽の検証ができない諸事例ですが、塾で講義を受けた意識現象の事実では説明できない、腑に落ちない現象が続いています。

 この不可解な現象について、稲垣先生のご意見をお聞かせいただだけると幸いです。

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【質問解答】

最初に結論から言います。


あなたのセッションであらわれた「未浄化霊が前世人格に憑いて転生を一緒に繰り返している」という不可解な意識現象の事実は、SAM催眠学の作業仮説ではありうると考えます。

その理由を「SAM催眠学その124」の「魂の二層構成仮説」の項を下記に抜粋再掲しながら説明します。

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脳は意識を生み出してはいない、脳と意識は密接な相互関係、対応関係にあるが、本来別物である、とする立場を「意識と脳の二元論仮説」という。脳が意識を生み出すという因果関係を否定する仮説である。大脳生理学者でノーベル賞学者の、ペンフィールド、スペリー、エックルズ、催眠学者の成瀬悟策などが実験研究の末に晩年になって唱えている。しかし、彼らは、それでは意識どこで生まれるのか、という根本問題については一切述べていない。分からないのである。
 

SAM催眠学では、わたしあて霊信の告げている「魂の二層構成仮説」を採用し、意識を生み出しているのは、魂表層を構成している前世の者たちである、と考えている。
魂の二層構成」を理解しやすいように、円を用いて二次元モデルの模式図にしたものが下図である。

 

  「魂の二層構成とその転生の模式図]


左から右への矢印は時間軸を意味している。
大円、魂の核Xの下に引いてある接線は、魂表層の「前世の人格」と、肉体を持つ「現世の人格」の区別のための補助線である。
つまり、補助線より下の小円が肉体に宿る現世の人格になる。
補助線より上の小円が、前世の諸人格である。
したがって、右端の3つ目の模式図を例にとると、魂表層の現世人格小円Cは、小円Aと小円B二つの前世人格とともに、3回目の現世の人生を送っている魂をあらわしている。

意識は魂表層の小円A、小円Bの前世人格たちと
小円Cの現世人格が生み出しているというわけである。

魂の転生の仕組みを模式図の時間軸にしたがって説明してみる。

魂の核大円(X)は、最初の肉体に宿ると、その表層に小円という現世人格(の意識体)を生み出す。(左端の図)

現世人格はその肉体の死後、魂の核大円(X)の表層を構成する前世人格小円Aとして位置づき、死後も魂表層に存在し続ける。(真ん中の図)

そして魂は、次の来世の肉体に宿ると、新たに小円という現世人格を魂表層に生み出す。(真ん中の図)

さらに小円Bという現世人格は、肉体の死後魂表層の前世人格小円Bとして位置づき、先に位置付いている前世人格小円Aとともに魂表層を構成し死後存続する。(右端の図)

次の来世では小円Cという現世人格を魂表層に生み出し、先に表層に位置づいている前世人格小円A小円Bとともに魂表層を構成する。(右端の図)

このように、魂の核であるは、新しい肉体を得るたびに諸前世人格を魂表層に次々に位置づけ魂表層の構成単位として包含し、転生していく。
現世人格であった・BC・・・などは死後も、それぞれの生前の人格、個性、記憶を保ちながら、魂の核とともに魂の表層を構成する諸前世人格として死後も存続している。
これを「魂の二層構成仮説」と呼ぶ。
つまり、「核となる意識体」と、その「表層を構成している諸前世人格」の二層を合わせた全体を「魂」と呼ぶ。

こうして、生まれ変わりの回数分だけの前世の諸人格が、現世人格とともに魂の表層を構成しながら死後存続している、というのがSAM前世療法で確認してきた意識現象の累積によってが明らかなってきた魂の構成とその転生の仕組みである。(SAM催眠学序説その124より抜粋)
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あなた(註:質問者の女性セラピスト)の質問は、上の図の右端図でいうと前世人格である小円A、小円Bにも、それぞれに複数の未浄化霊が憑依していることがありうるかどうかという質問でしょう。

その解答は最初に述べたように、「未浄化霊が前世人格に憑いて転生を一緒に繰り返している」という不可解な意識現象の事実は、SAM催眠学の作業仮説によれば、ありうるということです。

その理由は、SAM前世療法の実践から得た結論として、未浄化霊は現世人格の霊体に憑依することが判っているからです。つまり、現世人格の霊体には未浄化霊の意識も宿っています。

わたしあて第14霊信で「死後、霊体は魂から離れる。だが、それらの意識は魂に取り込まれる。そして、魂の者となるのだ」と告げられています。

「魂の(表層の)者」とは生きているうちは「魂表層の現世の者」であり、死後は「現世の直前を生きた前世の者」です。

転生の模式図の真ん中の図の「前世人格小円A」に当たります。この前世人格小円Aに、霊体の意識と同時に霊体に憑依していた未浄化霊の意識ごと「取り込まれる」わけですから、前世人格小円Aは未浄化霊を憑けたまま魂表層に位置づいているというわけです。

こうして、「未浄化霊が前世人格に憑いて転生を一緒に繰り返している」という不可解な意識現象の事実は、SAM催眠学の作業仮説によればありうる、ということになります。

これまでわたしには、魂状態まで遡行が成功したことが確認できた後、顕現化した前世人格の反応が止まってしまう事例が9%程度ありました。

こうした反応停止現象は、わたしあて第12霊信で告げられた「守護的存在からの意図である」と判断し、それ以上のセッション遂行を断念してきました。

しかし、そうではなく、「未浄化霊が前世人格に憑いて転生を一緒に繰り返している」というあなたの発見した観点は、前世人格に憑依している未浄化霊を浄霊するという作業によって前世人格との対話ができるようになる可能性が出てきたという朗報だと思います。わたしも、「守護的存在からの意図である」と断念する前に浄霊作業を試みたいと思います。

あなたのご質問のようにこうした問題意識にこだわることこそ探究の原動力であり、SAM前世療法の新しい地平を拓くことになるだろうと期待しています。

 

本ブログのコンセプトは「いかなる意識現象も先験的に否定せず、いかなる意識現象も検証なくして容認せず」としています。

そして、応答型真性異言「ラタラジューの事例」、「タエの事例」を掲げて、生まれ変わり仮説を科学的事実として主張しています。

したがって、 本ブログの記事は、「観念より事実、理屈より実証」を理念として重きをおくように努力してきました。

 霊魂の実在、高級霊・未浄化霊・生き霊など霊的存在の実在、生まれ変わりの実在、などいわゆる「霊的真理」についての観念的な言説は、古来掃いて捨てるほどあります。

そうした、霊的真理についての観念的言説の閉塞的状況に風穴を開けるべく、言説を裏付ける何らかの科学的実証をともなった具体的事例が提示されることを、精神的価値を真摯に考える人たちは求めておいでになるだろうと思います。

今年1年の本ブログが、そうした精神的価値を真摯に求める読者のみなさまに少しでもお役に立てたならうれしく思います。

2020年10月4日日曜日

霊感の強い女性のセッション体験記

    SAM催眠学序説 その135

ここに紹介するのは、いわゆる霊感が強く、霊媒資質があり、霊的超常現象に見舞われることが頻繁にあるという、リピーターの40代女性クライアントのセッション体験記録です。

 SAM前世療法の特異な意識現象である「三者的構図」(①セラピスト対②顕現化した前世人格との対話、その対話を③傾聴しているクライアントの現世意識という三者の構図)のありようが詳細に報告されており、興味深いセッション体験記だといえます。

転載の許可をいただいていますので以下に紹介します。

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2020年(令和2年)829日土曜日

5月頃から、勤めていた会社のパソコンで、原因の判らないシステム障害(私が休憩時間を大量に取っていて実際の勤怠と全く違う労働時間になっているが誰が直そうとしても直せない事象が起こったり、使用しているUSBフラッシュメモリーがPCに反応してもメモリーが開けられない故障が繰り返し起こるなど)が続き、最終的には退職せざるを得なくなった。

8月に入社した新しい会社でも同じようなシステム障害が続き、上司からPCの入力すら出来ないと誤解されて早々に折り合いが悪くなり、悩んでいた。

そのとき、勝手に電化製品が作動したりという非科学的事象が続き、ついにある朝金縛りにあい、女性の生霊が見え、気になったため再び稲垣先生にセッションをお願いした。

依頼した週末に稲垣先生にセッションしていただけたのもラッキーだった。

<生霊のお祓いとその後の変化について>

先生が催眠をかけて下さると同時に、どんどん眉間に皺を作り、私は勝手にうなり出し、手も足も痙攣を起こしている事がわかった。

痙攣している自分の姿は見えてはないが、自分が経験したことの無い反復運動を繰りかえしている感覚は判っていた。

さらに、眉間の皺を寄せて目をつぶっている間、「こんな漆黒な世界ってあるんだ」と感じる位、まさに真っ暗闇だった。

真っ暗闇に一人いるような感覚。でも稲垣先生の声は聞こえるし、自分の声も聞こえた。

勝手に口が「りかさんどこにいる?」

と話していた。2回程繰り返したように思う。

稲垣先生が「りかさんはここにおられますよ」とおっしゃられたが、この女性には私がどこにいるのかわからないという感覚が伝わってきた。

おそらく私が県外に引越ししたことも知らないだろうし、同じ資格の研修会でも会場で私と会える様に待っていたのだろうと思う。

以前も研修会で、「りかさんを待っていた」と話していたことがあった。「私はりかさんが(友人として)大好きなのよ、だから一緒にランチいけたら嬉しいな」といつも言われていた。

今回の研修会は私が参加しなかったため、どこにいるのかますます念が出たのだと思う。私は、とあるキッカケで彼女の存在が怖くなりラインもブロックしていた。)

私は自分の口で「りかさんどこにいる?」と叫びながら、

内心では、この「りかさん」という呼び方をする人は、実は知人友人に数名しかいないので

「今叫んでいる人物を特定しやすいなぁ、判りやすい人だな。」と感じていた。

稲垣先生が不動明王真言と般若心経と唱えてくださり、ようやく彼女は去って行ってくれた。

感じたことのない足の感覚、しびれたような電気が走っているような感覚があった。

先生が、私が今働いている職業は辞めたほうがよいか迄落ち込んでいたので、パワーも入れてくださった。

それまで、自信も喪失していたが、じんわり温かい気持ちになり、稲垣先生の家を出た時には、「せっかく努力して資格を取ったのに何故資格を捨てようと思っていたのだろう」と不思議な気分になり、心境の変化に家族も驚いていた。

私は再び自信を取り戻す事が出来ました。感謝です。

<セッション中の感想>

稲垣先生の生霊に対する共感と、同時に、私の人格・存在への尊重が、温かく伝わってきて、心地よくで嬉しくてすごく安心し、大きなもので守られているような感覚がありました。

私と生霊女性の二人の存在を同時に大切に認めてくれる、こんな温かい人が私のそばにいてくれるんだという安心感みたいなものでした。

こういった安心感は多分最近感じていなかったのだと思います。

常に何かの緊張をしている自分にも気づきました。

また、私がやってみたいこと、資格を取る前の気持ち(初心)を思い出し、生き甲斐を再び見出した気持ちでした。

教えていただいた、不動明王様の真言も唱えられるようになりました。

7月くらいから唱えるのが億劫になっていた般若心経も再び唱えるようになりました。

ありがとうございました。

「人生初めての前世人格顕現化のセッションを受けて」

SAM前世療法のセッション依頼のキッカケ>

私は幼少期から、霊と思われる人間が見えたり、夢の中で亡くなった人やペットと会話したり(その会話はいつもテレパシーのようなもので一方的に伝えられ、私が話しかけたり質問したりすることはない)、友人の相談に対して知らない事を言い当てて原因を伝えたり、ということがあり、この能力が活かせる何かがあればよいのに、と感じていたが、その機会も無く、カウンセラーの資格を取得したがあまり活かすことも無かった。

令和1年12月に、i-padを使用しYou-tubeのアニメ「ちびまるこちゃん」を観ながら歯磨きをしていた時に、突然稲垣先生のタエとラタラジューのセッションの画像が出てきて、非常に興味深く拝見し、その後令和2年1月すぐにセッションの予約が取れたことや、今回のセッションも依頼後の週末に時間をい頂けた事に運命を感じた。

また、夢で、先生にSAM前世療法の催眠塾の入塾を希望して受理されている夢も見ていた。

また、なんと予想通り、2ヶ月前に私が岐阜のお隣の県に引越ししたことにより、稲垣先生のお宅も近くなった。

今回はそうしたことからも私がSAM前世療法を学んでも良いか確かめたかった。

<前世の記憶、セッション中の体験>

気づくと稲垣先生が何かお話されていた。

生霊のお祓いの後の般若心経で私が落ち着いて、私の人生に影響を与えている前世を呼んでいらっしゃる声だった。

それに導かれるように、まず、巫女が何か(お盆のような物か、紙の巻物かよく見えなかった)を両手でかかえてながら木造建築物の廊下を歩いている後ろ姿が一瞬見えた後、石畳の道路の上を行く馬車の、複数の馬の蹄の音が街に響いている音が、耳につくように聞こえてきて、1500年代後半から1600年代の中世ヨーロッパの街の風景が見えた。

とにかく、大音量で馬の蹄の音を流しているかのようだった。

巫女の後ろ姿も、中世ヨーロッパの風景が見えた時も、「霊感の影響の根源の前世ではない」と自分でわかっていて、自分が女性か男性か何をしていたのかまではわからなかった。

次に、手を引っ張られたかのように草原の世界の風景に意識が飛んでいた。

草原の中に、私は裸足で立っていた。(現在進行形の感覚)

草原の世界にいた時から、また稲垣先生の質問される声が聞こえてきた。

稲垣先生:あなたは男性ですか、女性ですか、それとも性別が無い者ですか?

私:指で男性と答えたみたいだった。(無意識に指が動いていた)

まるで映画の世界を画像ではなくてその場の中で見ているような感覚だった。

目で見ているというより、頭の前頭葉辺りで見ているような感覚だった。

濃い山吹色のような、黄疸があるような黄色の肌で、今の私の黄色人種の肌色よりもっと焼けているような肌の色で、黒人ではなく、黄色人種の分類で、筋肉質で大柄で、胸に動物の骨か角かで作っている勾玉のような白色のネックレスをしていて、腰は鳥のふわふわの羽の部分で作ったベルトのようなもので、鳥の羽などで作っているスカートをはいている男性が見え、もう私は今の女性の私ではなく、自分の存在を山吹色の肌を持つ男性に認識しているような感じだった。

自分の体は自分の体なのに、心が自分から離れて、自分を第三者的に見ているというか、自分の体の中に2人いるような感覚だった。

現世の私自身はこの時間位から尿意があり、「ああ、早くセッション終わって欲しいな、トイレ行きたいよ、そういや尿意があったら催眠にかかりにくいとか聞いたけど大丈夫かな。」とまで思っていたが、体も声も自分の意識で操作できず、どうしようもなかった。

女性の現世の私の感覚に戻ると尿意とトイレが付きまとい、男性に感覚が戻るとただただ水を求めて祈っていて、トイレも尿意も感じていなかった。

男性の意識に傾けると、細長くて硬い葉で上部は薄い緑色で生え際は薄い茶色のチクチクとしているような草原が広がる中、ところどころに小高い山があり、そこに灰色のごつごつとした四角い石があり、そこで私は祈っている。(現在進行形の感覚)

今も、喉が乾いていて、雨が振ってほしくて

「オラチャ(オラッチャかオランチャかもしれない)」=「水」を意味している

と叫んで祈っている。

太陽に向かって叫んでいる様で、直接太陽を見ていて、太陽の周りに丸い白い線を引いたように見えている。

それを感じながら、一方で現世の私は「太陽を直接見たら目を悪くするよ」と思っていた。

金縛りではないけど、自分の意識とは別に、私の体が勝手に動いていて、止められない。

オラチャと叫びながら、祈りのポーズをしているが、止められないし、見えていないのに見えている。

幽体離脱していたのか、そんな感覚。

太陽に向かって腕を伸ばし、鎖骨に手を持っていって、鳥の意味を表す形を象り、ぎゅうっと喉の辺りに押し付ける祈りのポーズで、勝手に体が動いていた。

鎖骨あたりに強い圧力を感じて、 その腕の力に現世の私は驚いていた。

稲垣先生:太陽に祈っていますか?では、あなたはエジプトの人ですか?エジプトでは太陽をラーって呼んでいましたよ。

と質問され、

現世の私は「太陽神ラーは私も知っている」と思うと同時に、

山吹色の男性は「太陽ではなく大地は風全てに祈る」と脳裏で話していた。

今は水を求めて太陽に向かって「オラチャ」と祈っていた。

また、太陽を「ガー(バーに近い発音だと思う)」っと呼んでいる。

現世の私は「そんなの知らない何じゃそりゃ」っと傍観していた。

稲垣先生:あなたは何を食べていますか?

私:山吹色の男性は、何か動物の肉を味付けなしにただ切って焼いたものを食べていて、無性に焼いただけの肉を食べたい感覚が沸き、

口頭で「肉、肉、肉、肉、肉・・・・。」と答えていた。

それと同時に、硬くて分厚い肉を食べたときの歯茎の少し痛い感じが蘇った。

現世の私は、肉を焼いただけで食べることなんてしたことが記憶上なく、焼肉のタレしょうゆ等で味をつけるので、焼いただけの肉がこんなにも美味しい感覚が初めてで、初めて知った味わいだった。(しかし、今、改めてみても、焼いただけの太いステーキ肉を食べようとは思っていません。)

眼下の左に、木で枠を作り、黒っぽい灰色っぽい(少し深い青も入っている)動物の皮をなめしてつなぎ合わせて壁を作っている三角形のテントがあり、「ティー(ティかも?)」と呼んでいて、そこに私が愛している男性(私より少し細身だけど筋肉質な男性)が住んでいて、奥さんと子供と暮らしていた。

一瞬で判っている事だった。

稲垣先生:どこに住んでいますか?

私:アメリカ

稲垣先生:アメリカのどこですか?アメリカ大陸にも南北ありますが、北ですか?南ですか?メキシコですか、ペルーですか?

私:イメージで、現在のアメリカ合衆国の真ん中くらいが出てきた。(口頭で答えられたかは不明。)

それまで、私の感覚が答えていたが、現世の世界史や地理を勉強した私が邪魔をする。

現世の私は地理の授業等で習って、モンゴルのパオやゲルは知っていたが、動物の皮なんかでテントを作っていた事なんて知らず、

「動物の皮がテントの面積に足りるのか?」とか内心考えていて、また、同性愛の感覚も、友情ではない同性を愛する感覚など判らず、初めての感覚で、私自身混乱しているような、ひるんいるような気持ちだった。

また、稲垣先生が「どこに住んでいますか、今は存在しないアトランティスですか??(あと3つ程地名を言われた)」みたいに質問されていて、

現世の私は「稲垣先生、よく地理を勉強されていてすごいな、私はそんな地名知らないな」と尊敬していて、それと同時に、もう一人の山吹色の男性は「自分が立っている場所こそ自分のいる場所」で名前やこの地球の広さや地名など知らないという感覚があった。

ただただ乾燥したちくちくした草の草原の中にいた。

稲垣先生:イエス・キリストを知っていますか?

と質問され、

現世の私は「もちろん知ってる。」と思っていたが、山吹色の男性は「何だそれ」と一生懸命考えていた。

この山吹色の男性の草原の中の感覚と同時に、動物園の様な、糞のにおいのようなにおいがあり、そのにおいで現世の私は吐き気がますます強くなって、気分が悪くなり、自分自身(男性)も獣臭いことがわかり、非常に不快感があった。

今の現世の私から考えるとなんて不潔なんだろうと思った。

この山吹色の男性の感情は、愛している男性が、奥さんと思われる女性を優先した悲しさ寂しさ、(この時は夫婦という概念というか、言葉があったのか解らなくて、一緒にいる人でそれが女という感覚だった)。

そして、乾燥している草原で、喉が渇いている苦しみ、自分の祈りが届かず、周囲の者が弱っていく苦しみ。

人々を救いたいと一心な自分の気持ちでそれがこの場では全てだった。

人々を救えなかった苦しみが心残りで、そのため霊感を持っていて、人々の役に立ちたいといつも考えている私の生き方の根源だったことがわかった。

稲垣先生が何か質問された時(何の質問か忘れた)

私は「このものの目に宿る」と答えていたが、

その際に、この山吹色の肌の男性は、左右の目の色が違う「オッド・アイ(虹彩異色症)」だった事がわかり、右目が茶色、左目が薄い茶色のような緑のような透明な灰色のような色をしており、現世の私はそれを見た瞬間に「こういう身体的特徴からも、おそらくシャーマン的な地位にいたのだ」と感じた。

何が目に宿っているのか今も不明ですがそう答えていたことは覚えていて、ここで私の記憶は止まっています。

先生が何か質問されていた事だけ覚えています。

催眠からさめて、その後は「トイレにようやく行ける」と思いました。

<セッションが終わった後>

今まで見たことが無い、動物の皮で作ったテントや、聞いたことが無い言葉を確かめてみようと、見たものを紙にメモしないと忘れそうだと思って、その夜メモしました。

しかし、稲垣先生のお宅を出てから、どんな単語を話して祈っていたのか全く言葉を思い出せなかったのです。

先生は覚えていらっしゃるかなと思ってお電話しましたが、電話が通じなかったです。

その夜、宿泊していたホテルの大浴場に浸かっていた時、フっと「ここにはオラチャ(オランチャかオラッチャかもしれない)に恵まれている」と思った瞬間、水をオラチャ(オランチャかオラッチャ)と呼んでいたことを思い出し、今度は忘れないように「オラのお茶」とキーワードを作って忘れないようにしました。

そのとき見たこと、感じた事、叫んだ事が立証されないか、現在いろいろ調査中です。殆どが英語論文やHPなため解読に時間がかかりそうです。

現在解ったことは、アメリカの草原地帯で暮らしていたインディアンは、ティーピー(もしくはティピ「teepee/tipi」)と呼ばれる、バッファローなどの革をなめして作ったテントで生活していた事、テントの中で火を使っていたこと、主に狩猟して肉を食べていたこと、馬はいなかったことが解りました。

アメリカにオランチャという地名の場所があり、オランチャは、クリスタルガイザーの水源の工場もあり、そこには12000年位前にはOwens lakeという湖があったが、水が引いたということ、写真を見ると、トゲトゲした草原が広がっている写真が掲載されているHPが見つかりました。

ガー(バーとガーの間のような発音)やオラチャという言葉が存在していたのか調査しています。

北海道の地名がアイヌ民族の言葉から出来ている事がある様に、この「olancha」という地名がインディアンや先住民族の言葉から出来たとも限らないと思い、いろいろ調べております。

インディアンについては、前世人格の私はインディアンという言葉を知らず、違和感も感じますが、先住民族という意味でインディアンを調べますと、インディアンのシャーマンは両性愛、同性愛が多くて、その地位は高かったことが解りました。

また、やはり、太陽を神と崇めていただけではなく、自然全てを祈っていた「自然崇拝」だった様です。

しかし、平原地区のインディアンに「サン・ダンス」という儀式の風習があった事もわかりました。

稲垣先生が「あなたがSAM前世療法塾を受講しても良いのかあえて今日は聞かなかった」とお話され、何故聞かれなかったのか不思議でした。

本当は聞かれたけど、解らなかったのか、催眠塾を受けないほうがよいという答えだったけど私に気を遣われているのか、解らないという、喉に骨が引っかかったような気持ちです。

この山吹色の男性は、愛している男性がいたけど、その男性は奥さんと思われる女性との間に子供を持ちたいと話していて、奥さんを優先したという失恋のような気持ちがあったので、今、現世の私は若い時代失恋もあったけど、今は愛する夫と生活でき、沢山の水に恵まれ、お風呂にも入り、なんて幸せなのだろう、と感謝の気持ちが芽生えました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・体験記終わり

さて、このようなセッション後の詳細な体験記を送付してくださるクライアントが稀においでになります。

このブログのタイトルが「生まれ変わりの実証的探究」ですから、こうした体験記こそが何より説得力があると考えています。

このクライアントの体験記から推測することは、世の人間を大別すると、霊感のある人と霊感のない人に、二分できるのではないかということです。

ちなみに、わたしは霊感のない側に属する人間です。