SAM催眠学序説 その61
第13霊信を受けて私は、再々度4つの質問状をM子さんに送付し、霊団からの回答を待つように依頼しました。
スピリチュアリズムにおいては、この世と霊界との交信ができることは霊的真理の一つとして信じられているわけですが、そのことが第12・13霊信で現実になっているとすれば、このまたとない機会に質問と回答という交信を食い下がってしてみようと思ったからです。
また、この質問の回答が、もしM子さんの意識的・無意識的創作によるとすれば、回答のどこかに矛盾や破綻が生じるはずで、それを試して霊信の真偽を探りたいという意図も働いていました。
以下は再々質問に対する霊団の一員の回答ですが、文脈からしてこの第14霊信の送信霊は第12・13霊信の送信霊ではなく、注①エドガー・ケイシーを名乗る霊だと思われます。
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あなた方はようやく信仰を築く準備を整えた。
私たち(注:守護霊団)が「存在するものである」と受け入れ始めている。
あなたには、今日は伝えるべきことがある。
あなたの祖父の言葉である。
「物事は顧みることで理解するものではない。
その瞬間ごとに生まれるのが理解である。
顧みず前を見つめるように」
私たちがあなた方を動かしているのではない。
あなた方が動いているのだ。それをよく理解しなさい。
【再々質問1】
肉体と重なっている「霊体」と「心」の関係はどうなっているのか。
「霊体」とは、すなわち「魂(霊)」と同一ではないのか。
霊体と魂が一体ではないとしたら、霊界へ旅立つとき「霊体」はどうなるのか。
【回答】
霊体はあなた方という魂の側面に属するものであり、心も同様である。
その違いは、霊体は魂にその存在を委ねているが、心は委ねていないものである。
心は心という存在なのだ。
だが魂に属するものである。
魂にとって、心は道具なのだと考えなさい。
霊体は魂ではない。
それは、あるときはオーラと呼ばれもする。
そのものを体を包むものである。
私(注:エドガー・ケイシーと思われる)が過去にリーディングした中で、アストラル体という表現を用いて説明したものである。注①
それは、魂ではなくそれに属するものであり、肉体を保護する役割を担うものでもある。
霊体自体は単体で動くことができない。
それは魂とともに存在するものである。
魂を取り囲み、それはあなたという存在を構成するための一材料となる。
霊体と心は直接関係を持つものではなく、それらは魂に仕える存在である。
死後、霊体は魂から離れる。
だが、それらの意識は魂に取り込まれる。
そして、魂のものとなるのだ。
霊体は、ある意味においては、あなた方が「あなたという人間であるため」の意識を独立して持つための役割を担うものである。
それなくしては、あなた方は個人的意識を持つことはできない。
心が個人的意識をつくるのではない。
霊体が持つのだ。
心は道具である。
【再々質問2】
魂の成り立ちは「意識体」を核として、それを包む表層部分(側面)があると理解していいか。
この表層部分の傷を「魂の傷」と理解していいか。
その表層部分は、霊信に従えば、「これまで転生したきた者たちにより構成されている」と理解していいか。
とすると「生まれ変わりで生じた集合意識」によって形成された「心」と、「魂の表層部分」は同一のものであると解釈できるが、それは間違いか。
つまり、魂は「核となる意識体」「霊体と呼ばれる意識体を包む表層部分」の二層構造になっていると便宜的に考えていいか。
【回答】
その定義の中で訂正すべきものは、「心」と「魂の表層部分」は「同一ではない」ということである。
類似性を持つものではあるが、同一ではない。
だが、あなたは理解しはじめている。
そして、それについて探究することも、あなたには必要なものであるがゆえ、ここで詳細の説明を語ることは許されない。
だが、あなたはイメージとして理解に近づいているのだと分かりなさい。
【再々質問3】
「旅立つ時点で、人は魂の状態に戻るのではない。心の状態に戻るのだ」と説明を受けたが、このときの「心」と「魂」は再々質問2で解釈したような二層構造として一体となっている状態であると考えていいか。
その後「心には次元の壁が存在する」から、霊界に行くために「心(魂の表層)」が脱落し、「魂(意識体)」だけの状態で霊界に行くと考えていいか。
このように理解すれば、「意識体」「霊体」「心」の関係はすっきりする。
間違いがあれば、地上の我々にも理解できるように正していただきたい。
【回答】
ここで付け加えるべき説明は「心」についてである。
以前、あなたが理解を得やすいように「心という状態」として表現した。
今後、より理解できるように説明しよう。
心は道具であると考えなさい。
心がある状態で「心を持っている」のだと考えなさい。
そして、心という道具を手放すことが「魂の表層の脱落」なのだととらえなさい。
心は、この世に生まれる存在がこの世で存在するために必要な道具であり、死後手放す必要のある道具である。
心という状態は心を持つ状態である。
心が独立して存在することはない。
心は「属さなければ機能しない」ものであると理解しなさい。
【再々質問4】
霊信で説明された「意識体」「魂」「魂の側面のものたち」「心」「顕在意識・潜在意識」の相互関係の説明を再度お教え願いたい。
【回答】
あなたが理解しやすいように説明しよう。
我が霊団で生まれ変わりをしないものを「意識体」と呼ぼう。
そして、生まれ変わりを終えていないが守護するものを「魂」と呼ぼう。
そして、エドガー・ケイシーを「魂の側面であるもの」と呼ぼう。
そして、あなた方がこの先に進むために、魂が与える道具を顕在意識・潜在意識と呼ぼう。
「心」は、あなた方が進むために魂が与えた道具なのだ。
外部の情報を、あなた方が自らの叡智へと変えるための道具である。
心は、ただ心だ。
属するものである。
あなたにとって、今成長進化の糧となるのはこれに対する知識ではない。
それは「あなたが感じたものより理解するもの」である。
よって、これ以上の説明は与えられないものとする。
あなたの探究のための説明は、今日はここで終わりとしよう。
今回、私があなたに語るべきことは終えた。
私が誰か、あなたは理解している。
注:第12・13・14霊信でおこなった稲垣の質問とそれに対する通信霊の回答という霊交はここで終わりました。
あ くまで、M子さんという霊媒を介しての、しかもパソコンによる自動書記という手段を使っての霊交でしたが、第11霊信までは、霊団からの一方通行であった のが双方向で交信できたことは、驚きでもあり、この世と霊界との交信が可能であるという霊的真理の一つが自身で体験できたという画期的なできごとでした。
霊団からの回答にも論理的矛盾がなく、少なくともM子さんが思いつきで創作した回答とは思われませんでした。
なによりこの霊信が与えてくれた恩恵は、「魂の二層構造」「魂と肉体を取り囲むオーラとも呼ばれる霊体があること」「霊体に意識が宿っていること」「心は魂が外界を認識するための道具であり、心が傷つくことはないこと」「心が意識を管理していること」「脳が心を管 理していること」などの地上の人間には持ち得ない知識の伝授です。
この霊信の告げた情報は、のちに私の霊信の情報を作業仮説とするSAM前世療法の試みによってその真偽が検証されていくことになりました。
これは、「前世の記憶を語ることによって気づきと癒しが起こり治癒していく」というワイス式前世療法の治療仮説を、「魂の側面(表層)に息づいている前世人格の傷ついた意識を呼び出し、語らせ、癒す」というSAM前世療法の治療仮説に転換したことになります。
このSAM前世療法こそ、第11霊信で、「前世療法についてだが、あなたは自らの霊性により独自性を持つようになる。あなたの療法は、あなたにしかできないものになる」と予言している前世療法ではないかと思われます。
ここからは、神による霊信であると理解しなさい。
あなたは今世で出会うべき女性がいる。
その女性とは、あなたが過去世において死別した愛する者である。
その者は、まだしばらくはあなたと再会することはない。
あなたは、その者にある約束をした。
それは、その者の死後あなたが彼女へと誓ったものである。
そして、その者は死後あなたからの約束を聞いていた。
なぜ、出会う前にあなたにこの話を語るのか。
それは、あなたがそのことに興味を抱くということが重要だからである。
あなたはその者が誰なのか、いつ出会うか、どのような死別を経験したのか、それらに興味を抱くだけでよいのだ。
そこから、あなたは引き寄せられていく。
あなたの魂の傷を持つものは求め始める。
それでよい。
あなたは、それを許すだけでよいのだ。
あなたが今後出会い、癒しを与える者により、その女性との繋がりは得られる。
あらゆるものが交差し、その線は一本に繋がる。
それを理解しなさい。
その糸はM子からは生じない。
あなたの現在知るものからは、そのきっかけは得られない。
だが、いずれそこに繋がるものなのだと理解しなさい。
あなたは、あなたの魂の傷を持つものが求める者と再会するだろう。
あなた方が再会するまで残りわずかとなった。
だが、大きな変化を望める情報を霊信で与えられていないことから、あなた方は退屈し始めている。
感覚として退屈を感じ始めているのだ。
理性とは別ものだと考えなさい。
注:エドガー・ケイシーを名乗る霊らしきものと交替して、神からの霊信が届きました。
その真偽は別にして、聞き流すことはできない思いにとらわれたことは事実です。
そして、この神の霊信で預言のあった稲垣と前世をともにした女性が、この霊信のあった約1ヶ月後にほんとうに現れました。
「ほんとうに」という根拠は、その30代の該当女性クライアントとの前世療法をおこなったときに、「先生会いとうございました・・・」から始まって、私との前世の生活の記憶を、彼女の魂の側面から顕現化した前世人格の少女が語ったからです。
その少女は、中世キリスト教付属の学校の14歳の女生徒であり、私は地位のある聖職者であり、政治的指導者でもある36歳の学校の教師だと告げました。
私は政敵との政治闘争に敗れ、失意のうちに教会付属学校の教師をしていたのだそうです。
少女は長じて、聖職者である私の身の回りの世話をするようになりましたが、19歳で死亡したと語りました。
この少女の死後に、聖職者であった私が彼女の魂に約束した内容を教えてほしいと頼みましたが、「神に禁じられていますから教えることはできません」と拒否されました。
そして、なんとその2年後のセッションで、50代男性クライアントのセッションで、私と中世プロテスタントの牧師どうしとして前世をともにしたという事例があらわれました。
この男性クライアントの牧師名はウオルフグァング、私はその上司の聖職者でゲオルグという名前だったということです。
そして、私が愛していたと思われ、19歳で死んだ身の回りの世話をしていた娘の名はマリアであったことが分かりました。
彼女以外に、それ以前・以後現在に至るまで、そうした私との前世で愛情関係にあったことを語った女性はいません。
神からの預言は、そのとおりになったと思われます。
もちろん、この女性クライアントは預言のことを知るよしもありません。
同様に男性クライアントも預言については知らないことを確認しています。
この現世で再会したと思われる女性についてのこれ以上の詳細は、プライバシーの問題に関わるので控えたいと思います。
預言の女性の出現で「霊信」の信憑性が一つ増した感じでした。
M子は、少し浮かび上がり反応を起こすが、すぐ潜り込む魂の傷をもつものが複数であるために、惑わされている。
反応を感じる対象が混合しすぎて理解できないのだ。
一つ、M子の過去世について語ろう。
これはあなたにとっても関わり深いことである。
あなたがM子に感じる感覚も、この過去世との繋がりによるものである。
あなたはM子を守るということで、愛を与えていたのだ。
M子はその頃、孤児であり、あなたは多くの孤児を育てる者であった。
あなたは、今と同じ教育者であり、医学を探究する者であった。
あなたは、同志である5人の男女と孤児を育てていた。
そこであなたたちは出会った。注②
M子は生まれつき右腕がないという障害を持ち、それによりあなたは他の者より愛情を持ち接した。
あるとき、あなたはM子に人の定めについて語ったことがある。
M子がその過去世で右腕がないことに対し、「その定めは神とあなたが決めた契約であり、計画であり、苦しむべき業ではなく受け入れてこそ恩恵となるもの」と話した。
それにより、彼女は救われた部分があった。
だが、孤児達は皆不幸に見舞われ幼くして命を亡くした。
あなたは嘆き悲しんだ。
孤児たちを救えなかったことを、あらゆることを後悔した。
あなたは、私に何度も問いかけた。
だが、私の答えはあなたには聞こえなかった。
あなたの問いかけは、「なぜこのような定めがあるのか、なぜ人は生まれ死ぬのか、なぜあなたは救わないのだ、なぜあなたは人が苦しむことを許すのか、あなたは愛を与えるのではなく、苦境や死を与えるのか、あなたが私たちに与えた計画は何なのか」だ。
私は、その問いかけにこう答えた。
あなたは、いつもあなたの周りの者に私の計画について話していた。
そしてなぜ生まれるのか、死んでいくのか話していた。
あなたは、経験こそ学び、そして許し こそ愛だと話していたではないか。
なぜ自分の話す言葉を理解していない。
あなたが、今許すべきなのは、あなた自身である。
あなたの魂の傷を持つものは、今もそのことを理解していない。
この過去世について思い出したければ、あなたは自ら前世療法を受ける必要がある。
あなたが信頼をおけるものに導かれなさい。
それには、まだ時間が必要となるだろう。
あなたにとって、その過去世でのM子は娘同様の存在であった。
M子にとって、その5人の人間が親の役割を持つ存在であった。
そして、同時に「教師」であったのだ。
あなたが教育者として子どもと接するとき、あなたはその過去世で得たものを発揮している。
だが、すべてを浮かび上がらせることはできない。
そのものは、自分が許されるに価するかということを学んでいるのだ。
そのものを意識しなさい。
注② の私とM子さんとの前世の出会いは、この第14霊信の2日後のM子さんとのセッションの中で明らかになっていきます。
このセッションの逐語録も霊信の1つとして公開する予定です。
(神からの霊信おわり)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第14霊信おわり
第15霊信へつづく