(その4からのつづき)
(5)共同謀議仮説(ヤラセ仮説)
これまで述べてきた四つの仮説のほかに、「タエの事例」、「ラタラジューの事例」が、あまりに出来過ぎた事例であること、しかも同一被験者里沙さんがきわめて稀な二つの事例を語ったこと、さらに二つの事例ともにアンビリで放映されたことなどから、両事例が巧妙なヤラセではないかと疑うことは、もっともな懐疑精神だと思います。
2010年8月5日に「ラタラジューの事例」がアンビリで放映された直後、里沙さんのご近所の人たちから、なんと上手に演技したもんやね、という賞賛の声があったそうです。
アンビリは通俗番組であるから、ヤラセが当然あるという偏見から漏らされた視聴後の感想のようです。
しかし、アンビリのセッション映像には制作会社の手は一切加えられていません。
そもそも、あの真性異言証拠映像が撮られたのは、2010年8月のアンビリ放映の1年前2009年5月9日ですし、アンビリに取り上げられることを意識してビデオ撮影したわけではないのです。したがって、アンビリ制作会社が実験セッションに関与していたことは一切ありません。
どこまでも真性異言研究の実験セッションの証拠映像として記録する目的で撮ったものです。そして、セラピストである筆者を含め、共同研究者として同席者した医師・大学教授など4名は、応答型真性異言現象があらわれるという事前の確信はほとんどありませんでした。
このあたりの経緯は、拙著『生まれ変わりが科学的に証明された!』に記述してあります。
「タエの事例」についても同様です。2005年6月4日のセッション記録映像は2006年10月のアンビリ放映の1年半前に撮られていますから、この時点でアンビリ制作会社が実験セッションに関与していることはありえません。
また、このときにも「ラタラジューの事例」のときとは異なる、医師・大学教授・催眠研究者などが同席しています。
さて、さらに徹底的にヤラセを疑うとすれば、セラピストである筆者と被験者里沙さんが、両事例のセッション前に入念な打ち合わせをし、シナリオに沿ってセッションを展開したのではないか、また同席者も、そうしたヤラセに協力したのではないか、ということでしょう。
つまり、何らかの共同謀議のもとに、あたかも実験セッションのように見せかけたのではないかという疑いです。
そのようなヤラセではないことは、当事者の筆者が一番分かっているはずで、ヤラセは一切ないことを断言できます。
そして、里沙さんが、セッションの事前にセッションで語られた内容について情報収集していないことの証明のために、ポリグラフ検査をしたというわけです。
鑑定結果については、過去のブログ「被験者里沙さん証言の検証その5・6」に紹介したとおりです。
要するに、事前に情報収集していた認識(記憶)は全くない、という鑑定結果でした。
こうして、共同謀議仮説(ヤラセ仮説)の成り立つ余地はありません。棄却できます。
(つづく)
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