(その4からのつづき)
(5) 霊的作業仮説によるSAM前世療法
「あなたが長年探究してきたものは、これまでの視点からは成長は望めない。なぜなら、もうすでにその観点での最終地まで達しているものが存在するからである。あなたが探究するべきものは、これまでよりもさらに深奥にあるものである。魂の療法のみならず、あらゆる霊的存在に対する奉仕となるものである。そのために、あなたは自らの内にある疑問をまとめておく必要がある。・・・私達でなければ答えられないものについて、まとめなさい」
と筆者あて第一一霊信は告げています。
これは、筆者のこれまでの前世療法では新たな展開は望めないから、さらに深奥にある「魂の療法」へと探究を進めなさい、そのために、人知では及ばない魂の秘密を自分たち霊的存在が教える、と解釈できるのではないか。
そして、そのように秘密の一端が明かされたということではないのか。
そのことは、これら霊的情報に基づけば、新しい「魂の療法」へと進められるという示唆だと受け止めるべきではないだろうか。
そのように納得できた筆者は、「前世記憶の想起」ではなく、「前世人格を呼び出す」という全く新たな前世療法開発のために、「心・脳二元論」に立って、(ただし、霊が告げた「心」の概念は、一般的な「心」の概念とは異なっていますから、正しくは「意識・脳二元論」に立つということになります)次のような作業仮説を設けることにしました。
①魂は表層と核の二層構造を持つ。
②魂の表層は「前世のものたち」と「現世のもの」から構成されている。
③「前世のものたち」は、互いに友愛を結び、それぞれの前世で得た知恵を分かち合っている。こうして、魂の表層全体の成長・進化がを図られるような仕組みになっている。
④魂の表層を構成している「前世のものたち」と「現世のもの」が、意識(顕在意識・潜在意識)を作り出している。「現世のもの」、とは、現世に生まれてから以後の意識を作り出しているものである。
⑤前世のものたちと現世のものとが作り出している意識の座は、脳ではなく霊体にある。
⑥霊体は、肉体と魂を包み込むように身体全体に存在する。
作業仮説とは、十分に成り立つだけの理論的整合性は備えていないが、とりあえず研究や実験を進めるための手段として立てる仮説です。
たとえば、フロイトの「無意識」やユングの「元型論」は、明らかに作業仮説でしょう。
フロイトやユングには認められた作業仮説が、霊的だという理由で認められないはずがないだろうと開き直る気持ちでした。
さて、この「魂の二層構造仮説」に基づいて「魂」の三次元モデルを考えるなら、ちょうどミラーボールのようなものだと想像できます。
そして、ミラーボールの表面(表層)に張り付いている鏡の断片の一つひとつが、それぞれ前世のもの(人格)ということになります。
表面の鏡の断片が互いに接しているように、前世のものたちも互いに友愛を結び、それぞれの人生で得た知恵を与え合っている、つまり、リンクしているというわけです。
そして、これら前世のものたちが、意識(顕在意識・潜在意識)を作り出しているわけです。
だとすれば、潜在意識を、どんどん深め手繰っていけば、それを作り出している源である魂の表層の前世のもの、または現世のものに辿り着くはずではないだろうか。
魂状態を知悉(ちしつ)しているのは、そこから作り出されているはずの潜在意識だということになるのではないか。であるなら、潜在意識を扱う催眠状態を用いて、これら作業仮説の検証が可能ではないか。
こうして、①~⑥の作業仮説によって、退行催眠実験を繰り返し、その結果、「魂遡行催眠」と名付けた独自の催眠誘導技法を編み出すことになっていきました。
その結果、魂状態に遡行が成功すれば、魂表層に今も意識体として存在する前世人格を必要に応じて呼び出すことが可能であることが確認できるようになっていったのです。
こうして呼び出した前世人格ネパール人ラタラジューが、ついに応答型真性異言現象を示し、作業仮説の正しいことを実証することになりました。
(つづく)
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