2011年12月21日水曜日

SAM前世療法中の意識状態その2

(その1からのつづき)
② 商社マンの体験記

最初に僕の緊張をほぐす意味もあったのでしょう。ご自身の催眠や前世に対する考え方、スタンスを丁寧に話をしていただきました。
少し、休憩をはさんで、さあ、いよいよ催眠初体験です。
施術前に、まず簡単な被暗示性テストを受けることになります。
これは、僕が催眠にかかりやすい方なのかどうか、を判断するために実施するものだそうで。
結果は「良好」。
かなり素直な性格の方だから、すっと催眠に入れると思う、とのコメントでした。そうです、まさに実際にその通りの結果となりました。
まず、呼吸と術者の言葉による暗示により体の力が抜けて行きます。
その後、知覚催眠という、体の感覚が離れていく状態(たとえば、手を抓(つね)られても痛みを感じない状態)へと徐々に導かれます。
そして、自分の潜在意識に表に出てきてもらうよう誘導されます。 実際には、本当に不思議なんですが、頭ははっきりしています。
顕在意識は健在なんですね。(寒いダジャレです。すみません。)
負けず嫌いの僕ですから、何とかして顕在意識は手足を動かしてやろう、と企んでいます。
でも、潜在意識が表に出ている催眠状態では、自分の手足が動かないんです。
ただ、まったく怖くはありません。
さて、潜在意識が表に出ている状態ですが、術者とのコンタクトは指の動きで行います。
術者の質問には、顕在意識とは全く無関係に、指が反応するんです。
ここまで来ると、戸惑っていた顕在意識の僕も、流れに身を任せてみる気になりました。
Th いま、あなたの潜在意識は現世のものですか?
指 無反応
Th では、前世のものですか?
指 ピクンと反応
Th あなたは、どちらに生きておられたのですか? アジア?アメリカ?ヨーロッパ?
指 ヨーロッパに反応
Th いまから、ヨーロッパの国名を私が言います。あなたの国のとき、指で教えてください。.
指 ギリシャで反応
という感じで、セッションが進められます。
術前のインタビューで、僕は、「今の自分に一番影響を与えている前世を知りたい」と希望を出していました。
たぶん、そのことがすでに暗示になっていて、すっと前世のものが出てきたんだろう、と思われます。
結果、僕の前世のものはエナンという名の、ギリシャ・アテネに住んでいた哲学者だそうです。
彼は、戦争に自分の意に反して参加させられ、人を殺してしまった、という心の傷を持っているらしく、それが癒されないため苦しみ、それが現世にまで影響を及ぼしているらしいのです。
主に指を介したやり取りですが、そばでみていた友人によればコミュニケーションが進むにつれて、指の動きが激しくなっていたそうです。
 「これから、心を介してあなたの傷を癒します」
術者のそんな声が聞こえたかと思うと、胸の前に何やら温かいものが・・・。
後で友人に聞いたのですが、その時、術者は、僕の体には一切触れておらず、ただ、両手を胸の前にかざしてくれていただけだそうです。
その温かさを感じながら、僕は泣いていました。
ポロポロ涙を流しながら。
しばらく経つと、あれだけ温かかったものが、すうっと消えていきました。
「癒しが終わりました。さあ、これから現世のものと交代してください」
相変わらず、頭ははっきりしていますが、いつ自分が前世のものから現世のものに変わったのかは知覚できません。
でも「いま現世のものですか?」と問われたら指が反応します。
そして、五つ数えたら催眠から覚めます、と言われその通りに。
体は思い通りに動きます。まず涙をぬぐう。
今回は催眠自体が初の体験でしたから、多少の緊張があり、自分の体の重さを感じなくなるところまで顕在意識と体の切り離しは進みませんでした。
でも、少なくとも手足を動かすハンドルを持つ顕在意識の「手」はやさしく外され、そのハンドルを慣れない「潜在意識」が持った、そんな感覚がありました。
僕の前世が哲学者だった。違和感はあまりありません。
今回は、何らかの問題を抱えて催眠療法を受けたわけではありません。
ですから、悪かった症状が良化した、なんていう、「目に見える変化」が起こるわけではないと思います。
でも、術中に感じたやさしい温かさと、流した涙の意味は、これから徐々に自分に良い影響を与えてくれるんじゃないかな。
そう思います。
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①②の二名の体験者が語っているように、SAM前世療法においては、魂状態の自覚に至ると、前世の人格が顕現化して口頭で語る、あるいは指で回答して語るということが、意識現象として確かに起こることがお分かりになったと思います。
霊信に基づいた作業仮説は、少なくとも意識現象の事実としては成り立つと判断していいと思われます。
こうして、筆者の探究は、呼び出した外国人前世人格によってその外国語で会話ができる、という応答型真性異言の発見へと向かっていくことになったのです。
もし、それが発見できたとしたら、間接的に、魂の存在とその表層には前世の人格が存在するという仮説が証明されることになり、ひいては、その魂の構造などを告げている霊信(霊との交信)と通信霊の存在が真実である証明につながると考えたからです。  
そして、SAM前世療法による探究を始めて三年後に、魂の表層から呼び出した前世人格であるラタラジューが、ついに、応答型真性異言を示した事実を確認できたのです。
「応答型真性異言は超ESP仮説を打破し、生まれ変わりの最有力の証拠と認められる」、このスティーヴンソンの主張した仮説へのきちんとした反証は、今もって提出されてはいません。
したがって、「ラタラジューの事例」によって、日本においても生まれ変わりの事実はついに証明されたと宣言できると思います。

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