2013年7月28日日曜日

SAM前世療法の成立 その15

魂遡行催眠と未浄化霊の顕現化

 催眠深化の最終段階で、潜在意識に、それを作り出している魂表層の前世のものまで導かせるという「魂遡行催眠」は、SAM前世療法独自・固有の催眠深化技法です。
この「魂遡行催眠」中には、クライアントに憑依していた未浄化霊が顕現化するというきわめて興味深い意識現象があらわれることがあります。
ただし、顕現化した未浄化霊と口頭で対話できる現象はきわめてまれです。
最近の事例で、そのきわめてまれな未浄化霊との対話現象が起きていますので、紹介します。
クライアントは40代前半の主婦。主訴は、夫および姑との人間関係の改善でした。現世の夫と、ともに生きた前世があるのなら、それを知ることによって家族内の人間関係改善への気づきを得たいということでした。
そのための、「魂遡行催眠」をおこなっている最中に、憑依していた未浄化霊の顕現化が起こりました。
クライアントが、突然すすり泣きを始め、やがて身体をよじりながらの号泣に変わりました。
魂遡行に至る前に起こるこうした反応は、まず間違いなく未浄化霊が顕現化していると判断できます。
号泣が治まると、「セノーテ、セノーテ」と苦しい声で訴えはじめました。

次は顕現化した未浄化霊との対話です。
私: セノーテってなんですか? 
霊: 泉、泉。
私: セノーテとはどこの言葉ですか。
霊: マヤ、マヤ。
私: あなたはマヤの時代の人なんですね。それで、あなたは迷っている霊ですね。
霊: うん。そう、そう。
私: マヤは日本から遠く離れていrます。あなたは、苦しくて、それを分かってほしいから、この者に憑依したのですか? そのために、マヤから日本までやってきたのですか?
霊: ちがう。この人が来た。
私: この者が、あなたのいたマヤのセノーテにやってきた。それであなたが憑依して、そのまま日本に来てしまった、そういうことですか。
霊: うん。そう、そう。
私: あなたは何歳で命を落としたの? 命を落とした場所がセノーテなの?
霊: 3歳の女の子。セノーテへお母さんが投げ込んだので死んでしまったの。
私: お母さんがあなたを殺したわけですね。なぜそんな惨いことをお母さんがしたの?
霊: 神様への生け贄だって。
ここでまたクライアントは激しくイヤイヤをしながら、激しく泣き出しました。それがすすり泣きに変わるまで待って、対話を続けました。 
私: そうやって生け贄にされて殺されたから迷っているのですね。でもね、この者にくっついてい ても、あなたはいくべき世界にいつまでたってもいけませんよ。あなたのいくべきところは光の世界です。そこへいけば、お母さんと会えますよ。あなたを守っておいでになる神様とも会えますよ。
霊: いやだ。光の世界はいやだ。お母さんは大嫌い、私をセノーテに投げ込んだ。会いたくなんかない。神様はもっと嫌い。私を生け贄にした。
私: お母さんがね、喜んであなたを生け贄にするはずがないでしょう。ほんとうは悲しくてたまらなかったのに、マヤの掟で泣く泣くあなたを生け贄にしたのですよ。そうして、幼子のあなたを生け贄に求めたというマヤの神様はまやかしです。そんなことを求める神様なんているはずがありません。悲しいことですが、マヤの時代の迷信です。
霊: でも、お母さんは、神様の求めで私をセノーテに投げこんだ。お母さんには絶対会いたくな い。いやだ、いやだ。お母さんのいるところへなんか行きたくない。この人のところがいい。
私: じゃあね。私の言っていることがほんとうかどうか、ためしてみませんか。きっと、あなたが来るのを待っているお母さんが心配をして、お迎えに来てくれるはずですよ。お母さんがやさしく迎えに来ないことが分かったら、光の世界に行かなくていいのです。ためしてみましょうか。いいです ね。浄霊っていう儀式をしましょう。きっとお母さんがお迎えにきてくれますよ。
霊: でも、いやだ。お母さんは嫌い。私を殺した。光の世界には行きたくない。
このような対話を繰り返し、マヤの女の子が、浄霊に応じることを納得してくれるまで待ちました。
30分近く説得し、浄霊してよいという了解を得たので、浄霊をはじめました。
浄霊の儀式が終わったところで、お母さんが迎えに来ていますか、と尋ねると、うん、とうれしそうに返事が返ってきました。

こうして、浄霊は成功しました。
このあとで、魂状態に至ったことは言うまでもありません。
覚醒後、クライアントにセノーテについて尋ねたところ、ユカタン半島の石灰岩の窪みに雨水がたまってできた泉をマヤではセノーテを呼んでいたこと、そのセノーテの底には生け贄として溺死した人骨が発見されているものがあること、自分はマヤ遺跡の旅行でそのようなセノーテに行っていることを話してくれました。
さて、このマヤの女の子の顕現化現象を、このクライアントの役割演技と考えるか、未浄化霊の憑依現象ととらえるか、精神疾患による妄想の現れととらえるか。
未浄化霊が顕現化中のクライアントの髪は乱れ、化粧ははがれ、顔面は涙でぐちゃぐちゃでした。ここまでして、憑依霊の役割演技をする利得は、どう考えてもなさそうです。
また、このクライアントの申告を信じるとすれば、精神疾患はないということですし、事前のカウンセリングでもそのような異常な兆候はありませんでした。
(その16へつづく)

3 件のコメント:

momo さんのコメント...

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稲垣先生へ
先日はありがとうございました。
先生の言葉を励みに少しずつ前に進んでいます。
今日は質問があります。
未浄化霊と魂側面にいる「私」との関係です。
霊信から「私」が深く傷ついた人生を送った場合は、他の前世の者たちからは孤立し、その傷の苦しみを新たな「現世の者」に訴え続ける。
とあります。
その状態になると未浄化霊が残ってしまうのでしょうか?
未浄化霊を癒すことにより魂側面の「私」も癒され、来世に苦しみを引き継ぐことはないと考えていいのでしょうか?
現世に残ったものが祈りや供養を行えば未浄化霊を癒すことができるのでしょうか?
質問が多くてすみません。
苦しんでいたらと思うと気になってしまって。

稲垣勝巳 さんのコメント...

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セッションであらわれる意識現象の事実として、未浄化霊が、魂の側面(表層)に位置づくことはありません。未浄化霊がどこに入り込むかというと、霊体のようです。また、自ら憑依を解くこともするようです。したがって、魂そのものに未浄化霊が影響をおよぼすことはないと考えています。ただし、未浄化霊は霊体に入り込む、その霊体には憑依された者の意識・潜在意識が宿っていますから、そこに未浄化霊の意識が混在することになるので、憑依された者の意識に未浄化霊の意識・感情が影響を及ぼすことがあるようです。多くは、憂鬱感や重苦しい感じといったマイナスの感情がつきまとうようです。浄霊後のクライアントが、身持ちが楽になった、気分が明るくなったと報告することから推測できます。現世に残った者が、未浄化霊のために祈りや供養をすることはよいことですが、その結果すべての未浄化霊が光の世界(霊界)に上がれるかどうかは、私には分かりません。私に言えることは、あくまでセッション中に現れるクライアントの身体反応や心理状態の変化から、浄霊の成否が推測できるということです。

momo さんのコメント...

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>稲垣勝巳さん
お忙しい中ご回答ありがとうございました。
未浄化霊が残っていないことを祈るばかりです。
これからも頑張って供養を続けていきたいと思います。
ありがとうございました。