2024年9月4日水曜日

生まれ変わりの実証努力の現在の3

SAM催眠学序説その174 

 その173のつづき

 

3 2007年1月~2月「わたしあて霊信現象」

 

2006年5月に「タエの事例」を掲載した『前世療法の探究』春秋社、を出版した年末に、 当時26才で東京在住の派遣社員をしていたM子さんから拙著の感想メールが届きました。

M子さんとわたしとの面識は全くなく、拙著『前世療法の探究』の著者と読者の関係のみです。

彼女は、メールのなかで「自分は幼い頃からチャネリングができる」と述べてきました。

わたしは、好奇心から「稲垣についてチャネリングしてくれませんか」と返信しました。

すると年明けの2007年1月11日から2月14日まで1ヶ月余にわたって、M子さんを霊媒として、わたしあてにわたしの守護霊団を名乗る諸霊から、パソコンの自動書記による霊信が送られてくるという超常現象が起こりました。
 

わたし宛て霊信の全内容は、「SAM催眠学序説 その48~72」で公開しています。
すべてで22通の霊信であり、A4用紙82枚にわたるかなりの量です。

2007年1月14日5:23着信の第2霊信で通信霊は、
「ここで私があなた(注:M子)と稲垣に伝えるべき事は、私があなた方をつなぐ理由である。私は、生前あなた(注:M子)としての素質をもち、稲垣の進むものと類似する方向性をもつ者であった。そのため、私はあなた方をつなぐ者として接触しているのだ」
と告げています。
 

M子さんの素質とは、霊信を自動書記によって受信するような霊媒素質であり、稲垣の方向性とは催眠を用いた生まれ変わりの実証的探究だと思われます。
 

つまり、この送信霊は、生前、霊媒能力があり、しかも催眠との深い関わりを持つ人物であったと告げたことになります。

さらに、2007年1月18日22:28の第7霊信で通信霊は、
「私はエドガー・ケイシーである・・・なぜ今回の霊信で私が役割を担ったかを説明しよう。
それは私がよりあなた方の意識に近づける者であるからだ。
我が霊団は多くの者で成り立つものである。( 注:第12霊信で11の霊から成る守護霊団だと告げる)
その中でも、私はより『新しい意識』である。
それにより、あなた方に近づきやすい状況をつくり出すことができる。
そして、より明確に情報を伝えることができる」
と生前の身元を告げています。
 

エドガー・ケイシーは、催眠状態によって霊的存在とコンタクトをとり、様々な情報を入手し、それをリーディングと称していたようです。

そして、第2霊信で通信霊は、
「稲垣を守護する霊的存在は、生前の私を守護していた存在であり、それよりも以前に多くの偉大なる者たちを守護していた者である」
とも告げています。
 

ちなみに、エドガー・ケイシーは1945年に死亡しています。わたしは1948年の生まれです。

こうしてエドガー・ケイシーとわたしを守護している存在は同一ということになります。 
 

わたしの性向として、こうした霊信がインスピレーションという形でわたしに直に伝えられたとしても、それは自分の妄想や願望の投影された結果の産物ではないか、妄想ではないか、とわたしが必ず疑念を持つことをこの通信霊は知悉しており、そのため第三者のM子さんを霊媒に用い、自動書記による文書の形として送信してきたのだと推測しています。
 

こうすれば、少なくともわたし自身の妄想であることは完全に排除できます。
その結果、わたしの性向にしたがって、必ず霊信内容の真偽を検証しようと試みるであろうことを通信霊は知悉していたと思われます。

2007年1月23日0:06着信の第11霊信で通信霊は、
「あなたが長年探究してきたものは、これまでの視点 からでは成長は望めない。
・・・あなたが探究すべきものは、これまでよりもさらに深奥にあるものである。
魂の療法のみあらず、あらゆる霊的存在に対する奉仕となるものである。
それは命あるものすべてにつながり、私たちへも強いつながりをもつ。
そのために、あなたは自らの内にある疑問をまとめておく必要がある。
あなたがこれまで探究してきた道の中であなたが処理できないでいるもの、そして人の理解を超えるものについて、私たちでなければ答えられないものについてまとめなさい」   と告げてきました。


「人の理解を超えるもの」について、霊界の住人であり、人の理解を超えるものについて知っているであろう守護霊団の霊たちが、わたしの疑問について答えると言うのです。
 
わたしは「人の理解を超えるもの」 について、早速16の質問状をつくり、M子さんに返信しました。
 
すると、なんとその90分後に、A4用紙9枚にわたる通信霊からの回答が届きました。
回答を考えながら A4用紙1枚を10分で打つことは、ほぼ不可能です。
A子さんの、通信霊を装った作文による回答ではなく、したがって、守護霊団を称する存在からの自動書記による回答である可能性が高いと判断しました。

「意識 ・脳二元論」と「魂の二層構造」についての霊信の回答


わたしの理解を超えること、守護霊団(通信霊)でなければ答えられないこと、についてわたしの疑問の第一は、魂・脳・心・意識(潜在意識を含む)の相互の関係でした。


第11霊信で、「あなたが探究すべきものは、これまでよりもさらに深奥にあるものである」と通信霊は告げていますから、第12霊信、第13霊信、第14霊信、第15霊信、第17霊信の回答は、「これまでよりもさらに深奥にあるもの」を示唆しているのであり、わたしが「探究すべきもの」であると思われました。


第12霊信、第13霊信、第14霊信、第15霊信、第17霊信における通信霊の、魂・脳・意識・心、の関係性についての難解な諸回答をまとめると次のA~Hようになります。


A 「脳」「意識」を生み出していない。

B意識」を 生み出しているものは、「魂の表層」を構成している前世の者たちである。つまり、前世の者たちは「魂の表層」に存在している。したがって、「魂」は、中心(核)となる意識体とその表層を構成する前世の者たちとの「二層構造」となっている。

C 「魂表層」の前世の者たちによって生み出された「意識」は、肉体を包み込んでいる「霊体」に宿っている。霊体はオーラとも呼ばれる。

D魂表層」の前世の者たちは、互いにつながりを持ち、友愛を築き、与え合うことを望んでいる。つまり、前世の者たちは、死後も「魂表層」で相互に交流を営んでいる。 

E  現世の「わたし」という人格も「魂表層」に位置づいており、生まれ変わりであるすべての前世の者たちとつながりをもち、友愛を築き与え合うことを望んでいる。

F  死後、「霊体」「魂」から離れ、霊体に宿っていた「意識」「魂」に取り込まれる。取り込まれる先は、生きている間は「魂表層」「現世の者」であり、死後は「魂表層」の、現世の直前を生きた前世の者、として位置づくであろうと推測される。

G 「心」「意識」を管理している。「心」「魂」が外部の情報を入手するための道具である。したがって「心」が傷つくことはない。したがって、心と意識は同義ではないが、便宜上、「心=意識」として扱うことに支障はない。

H 「脳」「心」を管理している。脳は心(意識)を管理しているため、見かけ上、脳と心(意識)が一体化しているように受け取られる。このことによって、心は 脳の付随現象であり、脳が心(意識)を生み出しているという「心と脳の一元論」が唱えられているが、脳と心(意識)は本来、別のものである。 
「脳」「心」を管理はしているが、「心」を生み出しているわけではない。
「脳」は外部の情報をまとめる役目をつかさどる。 
「脳」はデータを管理している。

これら上記A~Hの回答は、まさしく「人の理解を超えるもの」であり、26才の霊信受信者M子さんが、創作して回答できるとは思われません。
人間を超えた存在である高級霊であってこそ、はじめて回答できる内容であると評価せざるを得ません。

しかも興味深いことに、第12霊信でA4用紙9枚にわたる回答を告げてきた送信霊は、わたしの16の質問の回答をした後の霊信の末尾で、

M子という人間が答えられる問題は、ここには存在しない。・・・この霊信において告げた内容を読んだとしても、M子自身は理解に到達できない。・・・これは私からの霊信であり、M子の言葉ではない。M子の妄想ではない。妄想では答えられないものである」

と、受信者M子さんの創作や妄想ではなく、11の諸霊たちから構成されているわたしの守護霊団からの回答であることを念押しし、強調していることです。


さて、上記回答Aの「心・脳二元論」の立場は、大脳生理学者でノーベル賞の受賞者であるペンフィールド、エックルズ、スペリーなどが晩年になって唱えており、世界的催眠研究者である成瀬悟策医学博士も、晩年になってからこの立場をとっています。

これら「心・脳二元論」の提唱者たちは、脳が心(意識)を生み出してはいないのだと主張はしても、では心(意識)を生み出しているのは、どこに存在するかについては一切語っていません。
それは人知を超えることであり、想像もできないということでしょう。
 

通信霊は、心(意識)を生み出す存在は、「魂表層の前世の者たちである」と明確に告げています。

わたしは霊信にしたがい、「心・脳二元論仮説」と「魂の二層構成仮説」に基づき、上記A~Hの霊信内容の真偽を、催眠を道具に用いてできるかぎりの徹底的な検証と探究をしようと決心しました。
 

この検証の過程で、徐々に定式化していった前世療法こそ、2008年6月に成立した「SAM前世療法」です。

特筆すべきことは、第11霊信で私の疑問に回答すると告げた通信霊が、同じ第11霊信の中で、 

「そして、前世療法についてだが、あなたは自らの霊性により独自性を持つようになる。
あなたの療法は、あなたにしかできないものになる」

と、この霊信1年半後の2008年6月に成立したSoul Approach Method の略「SAM前世療法」について、すでに予言していることです。

通信霊は、前掲A~Hの回答を得たわたしが、当然のように、回答に基づいた独自の前世療法(SAM前世療法)を、新たに開発することをすでに見極めていたと考えるほかありません。
 

むしろ、SAM前世療法の開発をさせるための目的で第11霊信が送られたと思われます。
第7霊信で通信霊は、「わが霊団はあなた方を中心としある計画を進めている」と告げて
いますから、わたしにSAM前世療法の開発を担わせたことは「計画」のうちに入っていた
のだろうと思われます。

霊信による「魂の二層構造」と「生まれ変わり」の図式

 

脳は意識を生み出してはいない、脳と意識は密接な相互関係、対応関係にあるが、本来別物である、とする立場を「意識と脳の二元論仮説」といいます。                

脳が意識を生み出すという因果関係を否定する仮説です。                              

大脳生理学者でノーベル賞学者の、ペンフィールド、スペリー、エックルズ、催眠学者の成瀬悟策などが実験研究の末に晩年になって唱えています。 

しかし、彼らは、それでは意識どこで生まれるのか、という根本問題については一切述べていません。分からないのです。
SAM前世療法では、わたしあて霊信の告げている「魂の二層構成仮説」を採用し、意識を生み出しているのは、魂表層を構成している前世の者たちである、と考えています。
 

魂の二層構造」を理解しやすいように、円を用いて二次元モデルの模式図にしたものが下図です。

 

  「魂の二層構造とその転生の模式図]


左から右への矢印は時間軸を意味しています。
 

大円、魂の核Xの下に引いてある接線は、魂表層の「前世の人格」と、肉体を持つ「現世の人格」の区別のための補助線です。
 

つまり、補助線より下の小円が肉体に宿る現世の人格です。
 

補助線より上の小円が、死者であり肉体のない前世の諸人格です。
 

したがって、右端の3つ目の模式図を例にとると、魂表層の現世人格小円Cは、小円Aと小円B二つの前世人格とともに、3回目の現世の人生を送っている魂をあらわしています。

意識は魂表層の小円A、小円B、小円Cなどの前世人格たちと現世人格が生み出しているというわけです。

魂の転生の仕組みを模式図の時間軸にしたがって説明してみます。

魂の核大円(X)は、最初の肉体に宿ると、その表層に小円という現世人格(の意識体)を生み出す。(左端の図)

現世人格(の意識体)はその肉体の死後、魂の核大円(X)の表層を構成する前世人格(の意識体)小円Aとして位置づき、死後も魂表層に存在し続ける。(真ん中の図)

そして魂は、次の来世の肉体に宿ると、新たに小円という現世人格(の意識体)を魂表層に生み出す。(真ん中の図)

さらに小円Bという現世人格(の意識体)は、肉体の死後魂表層の前世人格(の意識体)小円Bとして位置づき、先に位置付いている前世人格小円A(の意識体)とともに魂表層を構成し死後存続する。(右端の図)

次の来世では小円Cという現世人格(の意識体)を魂表層に生み出し、先に表層に位置づいている前世人格小円A(の意識体)・B(の意識体)とともに魂表層を構成する。(右端の図)

このように、魂の核であるは、新しい肉体を得るたびに諸前世人格(の意識体)を魂表層に次々に位置づけ魂表層の構成単位として包含し、転生していく。
現世人格であった(の意識体)・B(の意識体)・・・は死後も、それぞれの生前の人格、個性、記憶を保ちながら、魂の核とともに魂の表層を構成するそれぞれの諸前世人格(の意識体)として死後も存続している。
これを「魂の二層構造仮説」と呼ぶ。
つまり、「核となる意識体」と、その「表層を構成している諸前世人格(の意識体)」の二層を合わせた全体を「魂」と呼ぶ。

こうして、生まれ変わりの回数分だけの前世の諸人格(の意識体)が、現世人格(の意識体)とともに魂の表層を構成しながら意識体として死後存続している、というのがSAM前世療法で確認できた意識現象の累積によってが明らかなってきた魂の構成とその転生の仕組みであると考えます。

そして、魂は、表層を構成する前世の諸人格のすべてのものがつながり持ち、友愛を築き、与え合うことを望んでいると霊信は告げているので、当然現世の人格は、多かれ少なかれ、また良かれ悪しかれ、前世の諸人格の影響を受けていることになります。

また、転生するたびに、魂表層の前世人格(の意識体)が 新たに位置付き、その前世人格(の意識体)の智恵が分かち合われるので、魂表層を構成している諸前世人格全体の集合的意識は、転生することによって変化していくことになります。
ある方向性、志向性に支えられたこの変化を、「魂の成長・進化」と呼んでいいのではないかと思っています。

なみに、魂の核である意識体Xについて、わたしあて霊信では「ある意識体」とだけ告げており、その実体については現在も謎のままです。

SAM前世療法は、わたしあて霊信が告げているこうした仮説を骨格として、開発された前世療法です。

 

その175につづく

 

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