2011年10月9日日曜日

生まれ変わりの証拠「タエの事例」その5

その4からのつづき
タエに憑依した守護霊とおぼしき存在
筆者は、前世療法の核心に迫るために、中間世(霊界)の守護霊とおぼしき存在と直接対話することができないものか、その存在に対して、前世記憶の真偽を解き明かす質問ができないものか、という願いをかねてから抱いていました。そこで、タエの守護霊とおぼしき存者の憑依が催眠中に意図的に起こせるかどうか、起こせるとしたら、その存在が語る内容が、事実であるかどうかを検討可能であるような形に残す試みを、この絶好の機会を逃さないで実験してみようと決断しました。
里沙さんの表情と声の調子は、この守護霊とおぼしき存在者の憑依の後、また別人格のように一変します。身体の動きがまったく止まり、表情は、ある威厳を感じさせるような、しかし能面のような顔に変化しました。声も、落ち着いてはいるが抑揚のほとんない、厳(おごそ)かで、くぐもった調子に変化しました。
TH じゃ、一つ聞きますよ。そのあなたのいる魂の世界に、たとえば、私の愛する人が待っていて、生まれ変わりがまだなら、私もそこへ行けば会えますか?
 
CL はい。会えます。
TH もう、生まれ変わりをしていたらどうなりますか?
CL 必ず出会います。
TH 生まれ変わりをしていても出会えますか、魂どうしは?
CL はい。
TH もう一つ聞きますよ。今、あなたは偉大な存在者そのものになっていますね。じゃあその方は、時間も空間も超越していますから、今、私が、こうやって前世療法のセッションをしていることも、きっとお見通しのはずですね?
CL はい。
TH じゃ、聞きます。多くの人が、前世のことは現世に生まれ変わると、忘れて出てきません。でも今、里沙さんは深い催眠状態で前世のことを語ってくれましたが、もともと人間は、前世のことを忘れて生きるようにできていますか?
CL はい。
TH それを、無理矢理こうやって、催眠によってほじくり出すことは罪なことでしょう   か? どうでしょう。
CL そうではありません。人を救う手段であります。人を救う手段であれば、罪なことではありません。あなたは、それができる人なので、たくさんの人を苦しみから救うことが使命であると。
TH 私の使命ですか。
CL そうです。
TH であれば、私がこうやって前世療法をやった後は、二人の人からとっても憔悴(しょうすい)しているように見えるそうです。命を縮めているんじゃないかって言われています。そういうことになっていますか? どうでしょう。命を縮めることですか。
CL 違います。できる限りたくさんの人を救います。
TH 分かりました。じゃあ私は、それを自信を持ってやっていいのですか?
CL はい。
TH 他に、私に伝えておかなければならないことがあれば、どうぞおっしゃってくださ   い。
CL 世界にたくさんの悩める人がいます。必ず出会います。力を尽くすよう。力を尽くしてお救いください。
TH はい。私はそういう道を進むのが使命ですか?
CL そうです。
TH もう一つ聞きます。大きな謎ですよ。おタエさんは、人柱となって一六歳で短い一生を終えました。そのおタエさんの魂が、今、平成の現世では里沙さんとして生まれ変わっています。その里沙さんは、側湾症という治る見込みのない苦しい病に罹(かか)っています。なぜ、苦しみを二度も味わわねばならんのですか? いかにも不公平 な人生ではありませんか。そのわけは何でしょう?
CL 魂を高め、人を救う道に位置付きし人です。
TH 里沙さんがそういう人ですか。
CL そうです。
TH じゃあ、側湾症になるということも、里沙さん自身が、あなたのいらっしゃる中間世で決められたことなんですか?
CL そうです。
TH それは、里沙さん自身が魂として選んだ道なんですか?
CL 「わたし」が選びました。
TH 「わたし」とは、魂の「わたし」なのか、それとも偉大な存在である「わたし」のことですか? どちらですか?
CL 魂の「わたし」が選びました。
TH もし、そのことを現世の里沙さんがはっきり自覚できたら、彼女は救われるでしょうか?
CL 救われます。
TH その苦しみを乗り越えるだけの力を得ることができますか?
CL できます。
TH また、聞きますよ。お答え願えますか? 浅間山の噴火のときに雷が起きましたか?
CL はい。
TH そのことを、雷神様と人々は言うのでしょうか? 雷のことを。
CL そうです。まだ、噴火、自然現象は分からない人たちですから、魔物のせいだと思ったのです。
TH 龍神様はなんのことでしょう?
CL 浅間山は信仰の山です。龍神が祀られています。
TH その龍神が、お山が火を噴いたために住めなくなって、川を下るというように人々は思ったわけですね。
CL そうです。
TH それから、そのときの噴火によって空が真っ暗になって、日が射さなくなって、火山灰が降り注いで、農作物は不作になりますよね。その結果、下界ではどんなことが起きたのでしょう? あなたはご存じのはずですが、教えてもらえますか?
CL 噴火による土石流で川が堰(せ)き止められ、そのため洪水が起き、たくさんの人が亡くなりました。
TH その川の名前が吾妻川でしょうか?
CL そうです。利根川の上流になります。
TH さっき、あなたのおっしゃったことに勇気を得て、もう一つ聞きます。今、あなたが語ったことが、その時代に生きたおタエさんしか知り得ないことだという証拠を、私はつかみたいと思っています。その結果、前世というものが間接的にでも証明できたら、多くの人の人生観が変わって、特に死を間近にした人たちに勇気を与えることができると思っています。このセッションの場には、その研究をしていらっしゃる小野口さんという先生も来ています。そういう人のためにも、おタエさんしか   知り得ないことで、でも、われわれが後で調べたら何とか分かるような、そういう証拠の話か物がないでしょうか? そんなことを聞くのは傲慢(ごうまん)でしょうか?
もし、お許しがあれば、それを教えていただけないでしょうか。
CL 傲慢ではありません。タエは・・・左腕をなくしています。渋川村上郷、馬頭観音下に左腕が埋まっています。
TH それはおタエさんの左腕ですか?
CL そうです。
TH であれば、今は随分時代が下がってますから、骨になっていますね。
CL そうです。
TH その骨が、渋川村、上郷、馬頭観音の下ですか?
CL そうです。
TH 下ということは、馬頭観音様は外に立っていらっしゃいますか? お堂の中ではない?
CL お堂です。お堂の下を掘るとタエの左腕が出てきます。
TH それが、タエが実際に存在した証拠になりますか?
CL そうです。
TH 馬頭観音様が祀られているのはお寺でしょうか?
CL 馬頭観音は寺ではありません。小さなお御堂(みどう)です。
TH それは現在でもありますか?
CL あります。
TH おタエさんの左腕を探すためにはその床下を掘れということですか?
CL 土、下。
TH どのくらい掘ったらいいのでしょうね?
CL 土石流で埋まっているので・・・。
TH ちょっと掘れない。でも、埋まっているのは間違いない?
CL はい。
TH 分かりました。それ以外に、もっと何とかなる方法で、おタエさんの存在を証明する何かがありませんか? たとえば、おタエさんを、村の人たちが供養のために何かしていませんでしょうか?
CL 何も残してはおりません。村は洪水で壊滅状態になりました。
TH おタエさんのことは、郷土史か何かの記録には残っていませんか? 語り継ぐ人はいませんでしたか?
CL たくさんの人が浅間山の噴火を記録しました。
TH それは分かっています。でも、おタエさんを記録した人はいませんでしょうか?
CL 女は、道具です。
TH 道具でしたか。それでは、おタエさんを育ててくれた名主の・・・?
CL クロカワキチエモン。
TH そのクロカワキチエモンと連れ合いのハツは名主でしたから、その記録は残っているでしょうか?
CL 残っています。
TH どこへ行けばわかりますか? 図書館へ行けば分かりますか? それとも?
CL ・・・資料はあります。
TH そこにハツの記録も残っているでしょうか? 多くのみなし子を育てたことぐらいは残ってるでしょうか?
CL たくさんの文書は洪水で流され、田畑(でんばた)の帳簿、村の様子など書き記(しる)したものは、ほとんどありません。
TH 分かりました。そうすると、おタエさんの存在そのものの裏付けを取ることは、現在のわれわれには無理ですね。
CL はい。
TH ただ、馬頭観音のお堂の下に、おタエさんの左腕が、土石流の下に埋まっているのは違いないですね。
CL はい。
TH なぜ、片腕が馬頭観音様の下に埋められることになったのですか?
CL 雷神様を乗せる馬を守るために、タエの左腕が供えられたのです。
TH それは切り落とされたわけですか? 刀によって?
CL そうです。
TH それにタエさんは耐えたわけですか。
CL そうです。
TH それはタエさんが望んで腕を差し出したわけですか?
CL 違います。馬が必死で暴れるので抑えるために、タエの腕を馬の口取りのために馬頭観音に捧げることになりました。
TH 分かりました。もう一つ、あなたは偉大な存在者なので、私の探究が許されるなら、魂がおタエさんの後、里沙さんに生まれ変わるまでの間に、もし、生まれ変わりがあるとしたら、そこへ里沙さんをもう一度行かせることはいいでしょうか?
CL はい。
TH ありますか、やっぱり。
CL はい。
(つづく)

0 件のコメント: