2011年10月6日木曜日

生まれ変わりの証拠「タエの事例」その2

初回セッションから二か月を経た2005年6月4日、再セッションをおこなうことにしました。初回の不完全燃焼である終わり方への後悔と、想起した溺死場面がトラウマになるかもしれないことへの申しわけない気持ちとが交錯していたからです。
 
そして、研究者数名の同席と、研究のためにビデオ撮影を許可してくれるようにお願いしました。複数の研究者から、機会があれば、前世療法を是非見学したいという依頼を受けていた私は、里沙さんが第二回セッションでも、おそらく何らかの前世記憶を想起するだろうと見込めたからです。
 彼女は、前世療法の科学的解明に貢献できるのならということで、再セッションを実施することと、研究者五名の同席とビデオ撮影を許可してくれました。こうして、ついに検証可能な、具体的な、前世記憶が語られた「タエの事例」との出会いが起きたのです。この記録ビデオの一部がテレビ番組「奇跡体験アンビリバボー」で公開されたものです。
 
ちなみに、里沙さんには、精神的疾患は一切なく、薬物は脊柱側湾症の鎮痛薬を処方されているだけでした。また、透視や憑依などの超常現象を体験したこともなく、それらへの関心もまったくないことを確認しています。
 
タエの前世に戻り、タエの人生を想起しているときの里沙さんの表情は、喜びや苦しみの感情が生き生きと現れ、まさに、今、ここでタエを生きて語っている、という表現がぴったりします。
またそれは、里沙さんが前世記憶の想起して語っていると言うよりは、タエという前世人格が、今、ここに現れて、自身の人生を語っているのだ、と理解することのほうが観察事実により近いのではないかと思われました。
そのタエの語りは驚くべき内容でした。
上野国渋川村に捨て子として育ったタエは、天明3年7月7日(旧暦)の浅間山大噴火の火砕流でせき止められた吾妻川の洪水から村を救うために人柱となり、洪水に呑み込まれて命を落としたという出来事の詳細を語ったのです。
その逐語録を次回から紹介していきす。
(つづく)

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