SAM前世療法の作業仮説 その4 憑依仮説
SAM前世療法では憑依現象を認めています。
そして、憑依は霊体に起こると考えています。
このことは、憑依したとおぼしき未浄化霊に尋ねると、霊体に憑依していると答えるのでそのように考えています。
SAM前世療法セッションでは、こうした憑依している未浄化霊の顕現化現象や守護霊などの高級霊の顕現化現象がそれほど稀ではなく起こります。
本ブログ「SAM前世療法の成立その15」で紹介した憑依霊の顕現化現象を以下に再度紹介してみます。
【再掲】
魂遡行催眠に入ってしばらくすると、クライアントが、突然すすり泣きを始め、やがて身体をよじりながらの号泣に変わりました。
魂遡行に至る前に起こるこうした反応は、まず間違いなく憑依していた未浄化霊が顕現化していると判断できます。
号泣が治まると、「セノーテ、セノーテ」と苦しい声で訴えはじめました。
次は顕現化した未浄化霊との対話です。
私: セノーテってなんですか?
霊: 泉、泉。
私: セノーテとはどこの言葉ですか。
霊: マヤ、マヤ。
私: あなたはマヤの時代の人なんですね。それで、あなたは迷っている霊ですね。
霊: うん。そう、そう。
私: マヤは日本から遠く離れています。あなたは、苦しくて、それを分かってほしいから、この者に憑依したのですか? そのために、マヤから日本までやってきたのですか?
霊: ちがう。この人が来た。
私: この者が、あなたのいたマヤのセノーテにやってきた。それであなたが憑依して、そのまま日本に来てしまった、そういうことですか。
霊: うん。そう、そう。
私: あなたは何歳で命を落としたの? 命を落とした場所がセノーテなの?
霊: 3歳の女の子。セノーテへお母さんが投げ込んだので死んでしまったの。
私: お母さんがあなたを殺したわけですね。なぜそんな惨いことをお母さんがしたの?
霊: 神様への生け贄だって。ここでまたクライアントは激しくイヤイヤをしながら、激しく泣き出しました。それがすすり泣きに変わるまで待って、対話を続けました。
私: そうやって生け贄にされて殺されたから迷っているのですね。でもね、この者にくっついてい ても、あなたはいくべき世界にいつまでたってもいけませんよ。あなたのいくべきところは光の世界です。そこへいけば、お母さんと会えますよ。あなたを守っておいでになる神様とも会えますよ。
霊: いやだ。光の世界はいやだ。お母さんは大嫌い、私をセノーテに投げ込んだ。会いたくなんかない。神様はもっと嫌い。私を生け贄にした。
私: お母さんがね、喜んであなたを生け贄にするはずがないでしょう。ほんとうは悲しくてたまらなかったのに、マヤの掟で泣く泣くあなたを生け贄にしたのですよ。そうして、幼子のあなたを生け贄に求めたというマヤの神様はまやかしです。そんなことを求める神様なんているはずがありません。悲しいことですが、マヤの時代の迷信です。
霊: でも、お母さんは、神様の求めで私をセノーテに投げこんだ。お母さんには絶対会いたくな い。いやだ、いやだ。お母さんのいるところへなんか行きたくない。この人のところがいい。
私: じゃあね。私の言っていることがほんとうかどうか、ためしてみませんか。きっと、あなたが来るのを待っているお母さんが心配をして、お迎えに来てくれるはずですよ。お母さんがやさしく迎えに来ないことが分かったら、光の世界に行かなくていいのです。ためしてみましょうか。いいです ね。浄霊っていう儀式をしましょう。きっとお母さんがお迎えにきてくれますよ。
霊: でも、いやだ。お母さんは嫌い。私を殺した。光の世界には行きたくない。このような対話を繰り返し、マヤの女の子が、浄霊に応じることを納得してくれるまで待ちました。
30分近く説得し、浄霊してよいという了解を得たので、浄霊をはじめました。
浄霊の儀式が終わったところで、お母さんが迎えに来ていますか、と尋ねると、うん、とうれしそうに返事が返ってきました。こうして、浄霊は成功しました。
【再掲おわり】
以上のような憑依現象は以前から知られており、一般に言われる「憑依」という意味は、本人にとっては異物である外部の第三者である霊が憑依する、という意味で「憑依現象」がとらえられてきました。
こうした異物としての第三者の霊的存在の憑依を認めるのが「憑依仮説」です。
しかし、SAM前世療法の憑依仮説は、もう一つ、これまでにない「自己内憑依」という概念を提出しています。
「ラタラジューの事例」で言うと、前世人格ラタラジューは、自分の生まれ変わりである里沙さんの肉体を借りて自己表現した、つまり憑依を起こしている、と考えざるをえません。
前世人格ラタラジューは、里沙さんの魂表層を居場所とする意識体であり、死者であり、肉体を持たない存在ですから、その意味では、霊と呼ばれる存在です。
ただし、前世人格は、ふだんの覚醒状態では、魂表層に位置付いていますから、居場所のない、この世をさまよう未浄化霊ではありません。
あるいは霊界の住人である高級霊でも在りません。
強いて言えば、前世人格は、霊ではありませんが、魂表層を居場所とする霊的存在です。
しかし、前世人格が顕現化する現象は、未浄化霊が憑依を起こすように、自分の生まれ変わりである現世の里沙さんに憑依して自己表現していることになります。
SAM前世療法では、ラタラジューのように前世人格のあらわれる顕現化現象を「自己内憑依」だと定義します。
つまり、「自己内憑依」とは、自分の内部(魂表層)に存在する霊的存在である前世人格が、自分に憑依をする、という意味です。
このような、自己内憑依現象は、これまで発見されたことがないので、この用語は奇異な印象を与えますが、それ以外に適切な用語が見当たりません。
一般に言われる憑依は、自分以外の、外部の、異物としての霊が憑依することを意味してきました。
こうして、これまでのように異物としての霊が憑依することを、「自己内憑依」に対して、「自己外憑依」と呼ぶことになります。
さて、私が、魂と霊の実在を認める立場をとる理由は、それが直感に著しく反していないからであり、それを認めることが不合理な結論に帰着しないからであり、その霊的現象が唯物論的枠組みからは説明できないからです。
SAM前世療法の作業仮説は、霊の告げた魂の構造を前提にして導き出したもので、良好な催眠状態に誘導し潜在意識を遡行していくと、意識現象の事実として、クライアントが「魂の自覚状態」に至ることが明らかになっています。
この魂の自覚状態に至れば、呼び出しに該当する前世人格が魂の表層から顕現化し、対話ができることもクライアントの意識現象の事実として明らかになっています。
ラタラジューも、こうして呼び出した前世人格の一つであるわけです。
その前世人格ラタラジューが真性異言で会話した事実を前にして、魂や生まれ変わりの実在を回避するために、深層心理学的概念を駆使し、唯物論的解釈することは、現行科学の知の枠組みに固執した不自然な営みだ、と私には思われるのです。
魂の自覚状態、前世人格の顕現化という意識現象(自己内憑依現象)に対して、事実は事実としてありのままに認めるという現象学的態度をとってこそ、SAM前世療法を実りあるものにしていくと思っています。
こうして紹介してきたように、SAM前世療法を支える四つの作業仮説が出そろいました。
①心・脳二元論仮説
②魂の二層構造仮説
③霊体仮説
④憑依仮説
です。
SAM前世療法は、この四つの作業仮説を駆使して起こる霊的意識現象を事実として認める前世療法です。
にわかには信じ難い作業仮説ですし、説明されても理解しがたい内容でしょう。
SAM前世療法を体験して実感できる、というほかない作業仮説です。
そして、これら作業仮説の真実性は、応答型真性異言現象を示した「ラタラジューの事例」、「タエの事例」が起きていることで検証されていると考えています。
次からは、SAM前世療法の考える治療仮説や、起こる意識現象の分析について述べていきます。
(その29へつづく)
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