2013年8月2日金曜日

SAM前世療法の成立 その16

魂遡行成功に必要な浄霊という作業
前記事でマヤの時代3歳の幼女の未浄化霊の浄霊について述べました。
SAM前世療法では、魂状態の自覚へと至る過程で、未浄化霊と呼ばれる存在が顕現化した場合、浄霊という作業をおこないます。
そもそも、霊的存在が実在することに懐疑的で、唯物論的傾向が強かった私が、浄霊などという宗教者・霊能者の領域に触れることになっていったのか、その事情を時系列に沿って述べてみます。
①私あて【第7霊信】(2007.1.18着信)で、次のように告げてきました。
そして、M子に呼び寄せされる霊は「救いを求めるもの」よりも「迷うもの」が多い。それはM子のその魂の傷が呼び寄せるものである。
あなたには「救いを求めるもの」が近づく。
あなた方に近づく霊は異なるものだ。それを理解しなさい。

②【第9霊信】(2007.1.21着信)では、次のように告げてきました。
そして、あなたが最も理解すべきなのは「霊祓い」を選択するのではなく、「浄化」を選択することである。
祓うことは、追いやることや強制的に引き離すことを意味する。離れたとしても一時的なものでしかない。
霊がいつも求めるものは「理解」であることを忘れないようにしなさい。
そして、その本質は「愛」なのだ。

何かをするにあたって、道具は道具でしかないということである。
それがどんなに優れた性能を持つものであっても、どんなに研究された結果からの恩恵であっても、人ありきの道具なのだ。
経なども同じである。
それは道具なのだ。
あなた方の真の言葉ではない。
最も効果をあらわすのは「あなた方の言葉」なのだ。
上記①②の霊信で告げられたことの意味が、この2007年1月現在の時点では皆目見当がつきませんでした。
この時点以前で、私は霊の存在自体に懐疑的でしたし、「霊祓い」などしたこともなかったからです。
やがて、これらの霊信の意味は、やむなく浄霊作業をおこなうようになって明らかになっていきました。
③【第12霊信】(2007.1.23着信)では、次のように告げてきました。
前世退行は必要に応じておこなわれるものであると判断しなさい。
そして戻れない者、要するに深い変性意識へと誘導されない者、視覚的イメージを受け取れない者に対しての要因は二種あるのだと理解しなさい。
それらに共通するのは「霊的存在により起こるもの」ということである。
それらは守護的存在と、それを妨げるものとに分けられる。
守護的存在が下す判断、そしてその対象者の傷を癒す流れをとどめるものによる意図が要因である。
確かに催眠技量は必要である。
だが、あなたの催眠技量は必要基準を満たしている。
あなたが前世療法をおこなえない者は、必然であるのだと理解しなさい。
今後、あなたはそれについて探求していくであろう。
よって、守護的存在からの意図である場合も、妨げるものによる意図も、あなたの周りの協力によって判断を下せるようになる。
ところが、この第12霊信の5日後、2007年1月28日のセッション中のクライアントに守護霊とおぼしきものが憑依し、「妨げるもの」つまり、未浄化霊(この世をさまよっている霊)と呼ばれる霊的存在を、浄化によって排除する方法を教えてくれるという不思議な符合的出来事が起こったのです。
まさに、「周りの協力」らしきことが起きたと思わざるをえませんでした。
クライアントは、私の知人の女性の姪に当たる40代の女性でした。
統合失調症の診断が下りているこのクライアントの主訴は、不幸続きの人生の原因を前世での気づきによって知り、これからの人生の指針を得たいというものでした。
統合失調症のクライアントを、深い催眠状態に入れることはタブーとされています。
それを説明した上で、敢えて前世療法の依頼を受けた事情により、知人の女性にはセッションに同席してもらいました。
深い催眠状態にまで誘導したことを確認したところで、クライアントは、突然次のように語り出しました。
今日は、前世療法の新しい展開を教えるために、神様のお使いで参りました。これから、あなたに浄霊の仕方を教えます」と。
どうやら、守護霊的存在が憑依したらしいと察した私は、動揺を隠して、その浄霊の方法を聞いてみることにしました。
それは第12霊信の「周りの協力によって妨げるものの判断が下せるようになる」という文言と符合するのではないか、という思いが頭をよぎったからでした。
その霊的存在が教えたことは、要するに、前世に戻れない場合は、その者に未浄化霊が憑依している可能性があるから、浄霊して霊界へと送り出してやりなさい、ということでした。その道具として、不動明王の真言と般若心経を用いなさいということでした。
やがて、この後、2007年の夏、SAM前世療法を開発していく実験セッション中、魂遡行がどうしてもできない被験者に、「神様のお使いである霊」の教えてくれた道具を用いて浄霊作業を試みたところ、般若心経を唱え始めると同時に、被験者は異常な痙攣を起こしました。
般若心経を唱え終わって「さあ、光の世界へ上がる準備を整えました。手をポンと打ったらそれを合図に上がることができますよ」と憑依霊であろう対象に向けて言い聞かせ、ポンと手を打ったところ、たちどころに痙攣が治まり、その後魂状態に到達することができました。
こうした浄霊作業で観察できるクライアントの様々な症状と、覚醒後の報告をまとめると次のようになります。
①浄霊作業をはじめると、痙攣・咳込み、のたうって苦悶する、うなり声を上げる、泣きわめくなどの身体反応が起こる。浄霊作業が終わるとそうした諸症状がピタっと治まる。
②浄霊作業後、魂状態への遡行が成功する。
③催眠覚醒後、肩のあたりが軽くなったという報告がある。
④気分が明るくなり、すっきりしたなどの報告がある。
⑤目の周辺の表情がセッション前と比較して確かに明るくなった感じがする。
⑥霊感が鋭敏と思われる被験者は、確かに何かが身体から離れた感覚があると報告する。
以上のような、観察と被験者の報告から、浄霊作業が成り立っているということ、その対象となる未浄化霊という憑依存在を認めざるをえないということです。
こうして、SAM前世療法成功の道具として、必要に応じて浄霊作業が用いられることになりました。
その浄霊の基本は、未浄化霊の苦しみ、悲しみを共感的に理解し、慈愛を込めて、私の言葉で説得することです。
不動明王の真言も般若心経も、光の世界へと送り出すきっかけを作る道具です。
前記事「その15」の、マヤ人3歳女の子の未浄化霊と私の対話は、こうした基本に則っておこなったものです。
(その17へつづく)

6 件のコメント:

一生臭僧侶 さんのコメント...

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私は真言宗の一僧侶であります。
以前にもメールしたことがございます。
ところで浄霊に般若心経と不動明王の真言が効果あるとのこと。僧侶としては何かほっとしたというか、安心したような気持ちにもなります。確信はしていましたが、それを一般の人に言うのは憚られることですので。
確かにダライ・ラマ猊下も心経の効果に言及されていました。しかしなぜなのは述べてません。
なぜそれらが効果的なのか、稲垣先生のご意見、現時点で言い得ることを指摘して頂けると幸甚です。

稲垣勝巳 さんのコメント...

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般若心経については、私も、なぜ救いを求める霊に効果があるのか不思議に思っておりました。ただ、さまよえる霊に行くべき次元に行くのだ、という説得力を持つお経であろうという解釈をすれば、あまたの霊信が告げている「幻想界」の消息を説いているお経であろうと思っています。すなわち、想念が即現実化する世界が幻想界です。願望が叶う極楽とも言える世界です。しかし、現実化したものは想念の結果ですから、想念を消し去れば無となります。このことは色即是空、空即是色という文言にぴったり符合します。そのように解釈していけば、般若心経の他の文言は、色即是空、空即是色に象徴される次元の様々な具体を、それに続く文言で次々に叙述しているというふうに理解することが可能ではないでしょうか。私は、未浄化霊に対して、「あなたの行くべき世界を説いたお経をあなたのために唱えます。そこへ行くのですよ」と念じて般若心経を慈愛を込めて唱えるようにしています。おそらく、深い瞑想状態の中で幽体離脱した聖者の魂が幻想界の入り口まで到達し、その様子を垣間見た、それを般若心経にあらわしたのではないかと思っています。

momo さんのコメント...

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稲垣先生へ
こんにちは。
稲荷神祷というところで浄霊動画がUPされていました。
先生と同じように未浄化霊に対し説得を行い
最後に般若心経を用いて浄霊を行っているようでした。
ご興味があればお時間のある時にご覧になってください。

一生臭坊主 さんのコメント...

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>稲垣先生
ありがとうございます。稲垣さまの解釈はgate gateの文脈にも当てはまります。
ちなみに不動明王の真言はいかがでしょうか。我々は枕経から初七日にかけてよく唱えますので亡くなった方の魂を仏道に無理矢理でも持って行こうとするようなものだとは思います。
しかしここで挙げてくださった霊信は仏教とは関係のない文脈ですよね。。。
なぜここで不動明王真言(おそらく慈救咒でしょうか)が出てくるのか私としては不思議でならないのです。

稲垣勝巳 さんのコメント...

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momoさん
浄霊動画のご紹介ありがとうございました。
一生臭坊主さん
不動明王の真言が、なぜ浄霊への効力を持つのかについては私には分かりません。未浄化霊の憑依を解かせるために強力な霊験を持つ呪文だと思って唱えています。まことに主体性のない話で申し訳ありませんが、「神様の使い」と名乗る高級霊の告げた浄霊の道具として尊重し、愚直に実行しているだけのことです。

一生臭坊主 さんのコメント...

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>稲垣勝巳さん
お答え頂きありがとうざいます。愚直に実践することの大切さ身に染みる言葉です。