2012年2月4日土曜日

霊界の計画とSAM前世療法

この奇妙なタイトルは、スピリチュアリズムで話題にのぼるテーマ、および信頼に足るスピリチュアリストの私へのコメント、この4年間にわたるセッション中に憑霊したとおぼしき高級霊からのメッセージなどを重ね合わせて、一つの仮説かもしれないと思っていることです。
2005年の「タエの事例」以後6年間の経緯が、霊界側の計画によって、ある流れが仕組まれているとしたら、どのように解釈ができるでしょうか。
①近代スピリチュアリズムのはじまりは、1848年にアメリカで起きたハイズビル事件だとされる。同年にマルクス・エンゲルスの『共産党宣言』が出され、近代世界はいよいよ唯物論の大きなうねりに染められていく。
こうした唯物論の思潮に対抗して、霊の実在、霊界との通信、生まれ変わりの実在、ひいては神の実在など霊的真理、霊の復権を地上に知らしめるための霊界側の計画のはじまりが、霊の実在、霊との交信を証明しようとさせたハイズビル事件だと言われている。
②ハイズビル事件をはじまりに、19世紀後半から20世紀初頭に全米で霊能者を囲んで死者の霊を呼び出す「交霊会」が大流行し、それはヨーロッパにも波及し、霊界や霊との交信が信憑性のある事実であることを多くの人が信じるようになる。
ノーベル賞級の科学者たちによる心霊現象の科学的研究組織SPR(サイキカル・リサーチ)が発足するのもこうした流れの一つである。
超心理学はSPRを母体として発展してきた。
一方交霊会の流行と同時に、すぐれた霊能力者たちが数多く出現し、エクトプラズム現象などの驚異的霊現象を起こしてしてみせた。
あるいは空中歩行、霊の憑依による外科手術など。
また、高級霊との交信記録であるモーゼスの『霊訓』、カルディックの『霊の書』、シルバーバーチの『霊言』も、霊界との交信を証明するための一環である。
これら霊との交信を事実として認める霊的真理の思想運動、高級霊の告げる内容を体系化した霊学がスピリチュアリズムである。
これらが霊界側の一次的計画とされる。
③20世紀半ばあたりから②のような、霊能者と呼ばれる特殊な能力をもつ人だけが可能であった霊界との交信や死後の消息の一端を知ることが、一般の人々にも体験できるようになる。
一つは臨死体験の多発とその研究である。少し遅れてもう一つが前世療法の発見・流行である。これは、霊的真理を多くの人々に知らしめるための一般化・広汎化の計画ととらえられる。これが霊界側の二次的計画とされる。
④信頼に足るスピリュアリストの私へのコメントによれば、私のSAM前世療法やヒーリング能力の覚醒は、③の霊界側の二次的計画の一端を担わされているという。
つまり、一般の多くの人々に霊的真理を広めるという霊界側の計画の流れに乗っているということらしい。
そのことは、http://www.k5.dion.ne.jp/~spiritlb/3-12.html をお読みくださるとご理解可能かもしれない。
⑤以上のスピリチュアリズムの説くことを前提にして、私に向けて霊界側が計画的に動いていると仮定した場合、私の体験してきた2005年から今日までの6年間の霊的事実の経緯は、以下のように解釈できるかもしれない。
ア 霊や生まれ変わりの懐疑論者であり、催眠を扱う私に、里沙さんという格好の被験者と出会わせ、「タエの事例」を2005年6月にまず贈る。
懐疑的な私が、執拗にタエの語る事実の真偽を検証することを見込んでの計画である。
私はそのように行動し、2006年5月に『前世療法の探究』を出版した。
この本の編集者春秋社の鷲尾氏は、一介の教員である私の出版のために編集者生命をかけて出版に尽力していただいた。
同時に、執筆に必要な生まれ変わり研究の諸文献を紹介し、この方面に無知であった私を導いていただいた。
こうして『前世療法の探究』は、新聞に取り上げられ、アンビリに取り上げられ、一定の注目を浴びた。
2006年に霊的真理(生まれ変わり)を広める役目の一つを果たした。
ただし、霊界側は、「タエの事例」の後半部分で里沙さんの次の生まれ変わりの「ラタラジュー」を登場させており、二言のネパール語らしき異言を発話させ、それにこだわり続ける私を見越して、やがて応答型真性異言実験セッションに取り組ませる伏線を用意した。
4年後の2009年にそれは現実化する。
イ 霊界側は、『前世療法の探究』の出版直後、私自身にヒーリング能力を贈った。
気功やレイキなど一切エネルギー療法の訓練を受けていない私に突如そうした超常現象を贈ることによって、私がその検証の結果、治療霊団の存在を認めざるをえないようにさせた。
そもそも私は、治療エネルギーが手の平から放射されるなどということはプラシーボ効果であって眉唾ものだと思っていた。
ウ 霊界側はヒーリング能力を贈った後、『前世療法の探究』の読者M子さんを経由して、2007年1月から1ヶ月にわたって22通の「霊信」を私に贈った。
その霊信の中で「魂の仕組み」について情報を贈った。懐疑的な私は、霊信の内容の真偽を検証することを当然始めた。
催眠を扱うことのできる私が、催眠を道具に潜在意識の深奥にある「魂状態の自覚」を探り当てることを見込んでの計画である。
エ こうして私あて霊信の告げた内容を作業仮説にして、SAM前世療法が生まれた。
催眠によって魂状態の自覚まで遡行させ、魂の表層に存在する「前世人格=死者」を呼び出し対話する、という唯物論と真っ向から対立するSAM前世療法の誕生である。
オ しかし、懐疑的な私は、顕現化した前世人格が、クライアントのフィクションのなせる業である可能性を疑わざるをえなかった。
その懐疑を私が棄却するためには、顕現化した前世人格が、疑いもなく前世を生きたという科学的証拠を提示しないことには収まることはなかった。
カ 霊界側は、2009年5月、またしても被験者里沙さんを通して、生まれ変わりの科学的証拠として最有力な応答型真性異言現象を贈った。
それがまず2010年3月に雑誌『ムー』に特集として掲載され、それが再びアンビリに取り上げられる契機となった。2010年8月にアンビリは「ラタラジューの事例」を60分余にわたって放映した。
次いで、アンビリのネタをリサーチする会社の方の紹介と後押しによって『生まれ変わりが科学的に証明された!』を2010年10月に出版できるように計らった。
以上が、2005年に「タエの事例」との遭遇から今日までの経緯を「霊界の計画があるのだとしたら・・・」という仮定のもとに解釈した結果です。
さらに付記するとすれば、私に
①ワイスによって広められた前世療法の暗黙の仮説である「前世の記憶を想起させる」という方法論ではなく、全く別のアプローチによる「魂表層に今も意識体として生き続けている前世人格を呼び出す」という方法論を明確に提示させたこと。
他の前世療法家がしようとしなかった前世存在の真偽の科学的検証に取り組ませたこと。
②スティーヴンソンの応答型真性異言研究でわずかに言及されている、「催眠中のトランス人格の顕現化」という解釈を一歩進めて、「魂の表層に意識体として生きている前世人格の顕現化」という考え方を明確に打ち出させたこと。
そのためにラタラジューの語りが、里沙さんの前世記憶などではなく、現在進行形の話者として、今、ここに、顕現化している明らかな証拠として、対話相手に「あなたはネパール人ですか?」「ああ、私もネパール人です」とラタラジューに言わせていること。
スティーヴンソンの紹介している「グレートヒェンの事例」では、「「おめかしですか?」「どこに行くんですか?」「私の友だちはどこですか?」「どうして質問を?」などをトランス人格グレートヒェンが対話相手に話しかけている(『前世の言葉を話す人々』春秋社、PP298-308)。
これだけの会話では現在進行形であるか否か微妙である。
③応答型真性異言の証拠として、スティーヴンソンも成し得なかった応答型真性異言現象の証拠映像撮影に成功させたこと。超常現象の決定的瞬間の証拠映像は、何らかの存在によると思われる妨害現象が生じ不成功に終わる、というのが超心理学上の「挫折の法則=ジェームズの法則」として知られている。
ところが、撮影に成功した「ラタラジューの事例」は、マスメディアによって日本のみならずハワイでも放映されている。
スティーヴンソンは『前世の言葉を話す人々』春秋社、の日本語序文で次のような示唆的なことを述べています。
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こうした事例(注 応答型真性異言)の研究を私が始めて20年以上が経過したわけですがーまた、新しい事例も何度も私のもとにもたらされたわけですがーこれまで発表した3例の他には、信頼に足る事例はこれまでのところ1例もなかったように思います。明らかに、信憑性のある応答型真性異言の事例はきわめて稀なのです。ですが、もしかすると、本書の日本語版の出版を通じて、新しい事例に関する情報がもたらされるかもしれません。
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スティーヴンソンは、日本でも応答型真性異言が発見されることを期待しています。
そして、期待どおりに、彼の他界(2007年)の直後に「ラタラジューの事例」が発見されました。
それも、「タエの事例」という生まれ変わりを濃厚に示す事例を起こした同じ被験者里沙さんによってでした。
最初にもどって、霊界側の計画によってそのような流れが仕組まれているとしたら、ワイスは前世療法の先駆者として、スティーヴンソンは応答型真性異言研究の先駆者として、彼らより一歩進めるために、私の前に彼らが現れるような流れが仕組まれていたのかもしれません。
以上は、スピリチュアリズムの視点に立つと、見えてこないでもない仮説です。
ただし、私はこのような霊界側の計画遂行の担い手になりたいと望んだことは一切ありません。
生家は、臨済宗の一般的な檀家の域を超えることのない程度の宗教的環境でしたから、特に仏教への信仰心が篤かったわけでもありません。
強いて言えば、無神論者ではなくsomething great の存在を漠然と認める程度の態度でした。

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