SAM催眠学序説 その46
SAM催眠学の提唱する「魂と生まれ変わりの仕組み」を単純化した平面図にすると下図のように示すことになります。
SAM催眠学では、下図の大円X(
魂の核)
と、円周上の小円A・B・C(
魂の表層)
を含めて1つの「魂」が構成されていると考えます。
こうした魂の構造を「
魂の二層構造仮説」と言います。
[魂と生まれ変わりの模式図]
「魂の二層構造仮説」を示す上の模式図を説明します。
左から右へと時間軸がとってあります。
大円Xの下に引いてある横線は、前世人格と現世人格の区別のための補助線です。
つまり、補助線より下の小円が現世人格になります。補助線より上の小円が前世人格です。
したがって、右端の3つ目の模式図は現世が3回目の人生を送っている魂をあらわしています。
①魂の核大円(X)は、最初その表層に小円
Aという個人的存在(現世人格)を生み出す(左端の図)が、
②Aは死後、魂の核大円(X)の表層を構成する前世人格小円Aとして位置づき(真ん中の図)、存在し続けます。
そして魂は、
③次の来世の肉体に宿ると、新たに小円
Bという現世の個人的存在を魂表層に生み出す((真ん中の図))ということです。
さらに
④小円
B人格の肉体の死後、Bは魂表層の前世人格として位置づき、
⑤次の来世で小円
Cという現世人格を魂表層に生み出します。(右端の図)
こうして、
生まれ変わりの回数分だけの諸前世人格が魂の表層を構成している、というのがSAM前世療法で現象する意識現象の累積から明らかになってきた生まれ変わりの仕組みです。
魂の核であるXは、新しい肉体を得るたびにA、B、Cという現世人格を魂表層に次々に生み出していきます。
A・B・Cは死後も、それぞれの生前の個性を保ちながら、魂の核Xとともに、魂の表層を構成する前世人格の意識体として存続しています。
シルバー・バーチの「
魂はダイヤモンドのような多面体であり、あなたはその一面なのだ」というような霊信と、SAM前世療法が明らかにしてきた「
現世人格もそれまでの前世諸人格とともに魂の表層を構成している1つのもの」という仮説を図示すれば、おそらくこういうふうになるのではないかと思います。
この関係を、実際のセッションで検証された「タエの事例」、「ラタラジューの事例」に当てはめてみます。
小円Aが里沙さんの魂として最初の人生である「タエ人格」、小円Bが次の人生である「ラタラジュー人格」、小円Cが3度目の人生である「現世人格の里沙さん」ということになります。里沙さんの守護霊の語りによれば、彼女の魂は「タエが初の人生を体験している」ということです。
さて、この模式図で問題になることは、まず、「
現世の人格はそっくりそのまま次の来世の肉体に生まれ変わりをしない」ということになるということです。
視点を個別人格に取ると、AはBに生ま
れ変わっておらず、AとBはCに生まれ変わっていません。AとB、A・BとCの間に「カルマ」などの受け渡しがあったとしても、それはAやBが生まれ変
わったということにはなりません。
大円X(魂の核)の外周(表層)に、○A・○B(それぞれの前世人格)が個別に死後存続しているというわけです。
そして、○Cの現世人格も、前世人格○A・○Bとともに、魂表層でそれぞれの人生で得た智恵を分かち合い、魂表層全体の集合的意識を成長・進化させるという関係でつながっています。
こうなると、「魂の核X」は、次々に現世人格を生み出す」という方が適当であり、これを表現するには、生まれ変わりという言葉ではない新たな概念が必要とされるのもしれません。
問題になるのは、死後の「人格」の状態です。
魂の模式図の一番右の時点で、死後存続しているAとBは、どういう状態で何をしているのでしょう。
一般的に、死後存続説というも
のは、単に「残る」ということではなく、「死後も活動を続ける」ということを含意しています(古代ユダヤ教の「冥府での眠り」――復活を認めないサドカイ派の死後観――はですから死後存続説としては異常説です)。
AとBが死後もそれなりの主体性をもって活動していれば通常の死後存続説に属しますが、単に眠っているように魂にくっついていたり、ただ現世のCを見守る(あるいはメッセージを送る)といったことしかしていないのなら、それは死後存続説としてはかなり異常です。
つまり、このようなとらえ方(あくまでこの図のようなとらえ方ということ)は、一般的に合意されている「生まれ変わり」の否定であり、場合によっては(死後人格の活動状態いかんによっては)、死後存続の否定にもなりかねないということになります。
死後存続研究者(たぶんデュカスだったと思います)が言った「死後存続については、どういう条件が満たされると証明されたことになるのか、まったく合意ができていない」という言葉によれば、「
生まれ変わりについては、どういう条件が満たされると生まれ変わりが証明されたことになるのか、まったく合意ができていない」ということになっていると思われます。
つまり、霊魂仮説を受け入れた人たちの間でも、「何が生まれ変わるか」「生まれ変わりの定義とは何か」について、合意ができていないようです。
生まれ変わりの定義に合意がないのであるなら、この魂の「二層構造仮説」をもって「生まれ変わり」、つまり、表層の前世のものたちを含めた魂全体が、次の肉体に宿ること
をもって、「個別の人格はそのまま生まれ変わりをしないが、それらを包含した魂全体が生まれ変わる」という概念であっても、支障はないとSAM催眠学では考えます。
さて、上の図で誤解されやすいのは、大円X(魂)の外周に、○A・○B(それぞれの前世人格)が位置づけられていますが、SAM催眠学の概念では、○A・○B(それ
ぞれの前世人格)は、「魂の表層」を構成している前世のものたちであって、それらのものたちは、魂の構成要素であるので、大円X(魂の核)と小円○A・○B(魂表層のそれぞれの前世人格)、および○C(現世人格)の全体を含めて1つの「魂」として定義していることしょう。
私は魂について、私以外にこのような定義をしている人を知りません。
ただし、魂の核である大円Xがどのようなものであるかは謎です。
私あて霊信では、「ある意識体」としか告げていません。
ちなみに、SAM催眠学でいう「魂」概念には、宗教的な意味は一切ありません。
「肉体に入っており、死後は肉体から離れて存続する意識体」というほどの意味です。
イアン・スティーヴンソンの提唱している「
心搬体(生前の人格・個性・記憶等を運搬し死後存続する意識体)」と同様の概念です。
端的に言えば、SAM催眠学の生まれ変わりの概念は、「魂全体が次々に別の肉体に宿ることを繰り返すこと」を「生まれ変わり」だとしています。
そして、SAM前世療法のセッションで現れる「意識現象の事実」は、この概念を支持していますから、これまでの一般的に合意されている「生まれ変わり」の見解に反していようが、現時点で検証されている「意識現象の事実」を認めるしかありません。
つまり、アンビリで登場した里沙さんの場合、図の○Aがタエ、○Bがラタラジュー、○Cが現世の里沙さん、ということであり、このことをもって「魂が生まれ変わり」をしているということです。
だからこそ、SAM前世療法セッションにおいて、魂状態の自覚に至れば、タエやラタラジュー人格が魂表層から顕現化する(何度でも再現性がある)わけで、彼らが魂表層に、今も意識体として存続している(生きている)ことを、セッション証拠映像をご覧になれば誰もが納得されるでしょう。
そして、前世人格は、単に眠っているように魂表層に存在しているわけではないので、顕現化した場合には、現世の肉体を用いて(自己内憑依して) 、指や口頭で自己表現するのです。
苦悶の表情や、落涙といった人間的感情を現世の肉体を借りて表現するのです。
もちろん、顕現化していない状態でも、魂表層で(潜在意識下で)生きており、現世人格に良かれ悪しかれ何らかの影響を及ぼしています。
心理的に肉体的に、前世人格が現世人格に悪しき影響を及ぼしている場合に、そうした前世人格を顕現化させ、対話することがSAM前世療法です。
SAM催眠学は、「魂の二層構造仮説(魂の多面体仮説)」の検証を、催眠を道具に用いて、SAM前世療法のセッションで確認できた「意識現象の事実の累積から共通項を抽出する」、という方法論で、これまでもやってきましたし、これからもやっていこうとしています。
それ以外に「意識現象」の研究は、現状科学では方法がないと思うからです。
「魂の二層構造仮説(魂の多面体仮説)」に基づくSAM前世療法は、こうしたことを探究するきわめて有用な道具だろうと思っています。
そして、これまでの探究において、魂の多面体仮説(魂の二層構造仮説)を否定する「意識現象の事実」は、確認されていないということです。
ちなみに、「魂の二層構造仮説」は私の独創ではありません。
2007年1月11日から2月14日まで、毎夜送られてきた私の守護霊団を名乗る存在からの通信(霊信)によって教えられたものです。
したがって、人間知性の生み出した仮説ではありません。
そして、私あて霊信が教えた魂構造の仕組みに、もっとも親近性のある霊信が、シルバーバーチの霊信にある「ダイヤモンドの多面体説」というわけです。
このような人間知性を越えた霊信による「魂の二層構造仮説」を提唱し、それに基づき、「魂表層から前世人格を呼び出し対話する」という発想による前世療法の実践者は、私の他に皆無のはずです。
参考に「魂の二層構造仮説」について述べた「SAM催眠学序説その3 」を再掲しておきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
SAM催眠学序説 その3
SAM催眠学の「魂の二層構造仮説」
SAM催眠学の「心・脳二元論」仮説は、きわめて少数ながら、すぐれた脳科学者・催眠学者がみずからの実験研究の結果、晩年になってこの見解に至っています。
W.ペンフィールド、J・エックルズ、R・スペリーなど脳科学におけるノーベル賞受賞者、戦後日本の催眠学の泰斗成瀬悟策などを挙げることができます。
しかし、彼らは、心が脳の付随現象ではない、脳は心を生み出してはいない、という見解に至ってはいますが、心がどこで生み出されているかについては沈黙したままです。
おそらく、心と脳とは本質的に別物である、という結論に至りながら、それでは心がどこで生み出されているかについては「分からない」というのが正直なところでしょう。
同様に2006年以前の私も、臨床催眠の経験の累積から、心と脳の二元論を受け入れてはいましたが、心がどこで生み出されているかについては、想像すらできないでいました。
ところが、2007年1月23日~25日の私あて第12~14霊信では、次のように告げてきました。
「意識・潜在意識は、魂の表層を構成している前世の人格たちがつくり出している。
前世の人格たちは、当時の感情そのままで今も生きている。
彼らは互いに友愛を結び、それぞれの人生で得た知恵を分かち合っている。
こうして魂の表層全体は、成長進化へ向かうように仕組まれている。
現世の「私」という人格も魂の表層の一つである。
こうして、魂の表層を構成する一つである「私」は、他の前世の人格たちの影響を良かれ悪しかれ受けないわけにはいかない。
以上が、SAM催眠学の提唱する「魂の二層構造仮説」です。
この作業仮説で、霊信の告げたこと以外の私の推論は、「前世の人格たちは、当時の感情そのままで今も生きている」、「魂の表層を構成する一つである『私』は、他の前世の人格たちの影響を良かれ悪しかれ受けないわけにはいかない」という部分だけです。
そして、この推論は、SAM前世療法のセッションで観察できる「意識現象の諸事実」によって確認できたことに基づいています。
具体的には、良好な催眠状態を、30分程度かけて、ぎりぎりまで深化させていくと、12歳~82歳の老若男女を問わず、誰でも「魂状態の自覚」に至り、そ
の意識に至れば誰でも「魂表層の前世の人格」を呼び出すことが可能になり、前世人格との対話ができるという「意識現象の事実」が証明しています。
詳しくくは、下記URL、mixiコミュニティ「前世療法の探究」のトピック「SAM前世療法体験報告」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2399316&id=24937201 に豊富な事例があります。
また、、「前世の人格たちは、当時の感情そのままで今も生きている」という仮説の証明は、応答型真性異言「ラタラジューの事例」中に、顕現化した前世人格ラタラジューの現在進行形の対話によって証明されています。
なお、ヴァージニア大学人格研究室の故イアン・スティーヴンソンは、応答型真性異言の事例研究のうち「グレートヒェンの事例」において、催眠中に顕現化し、ドイツ語で対話する前世の少女グレートヒェンを「トランス人格」と呼び、「前世の記憶」として扱っていません。
「トランス人格」とは、催眠中のトランス状態において顕現化した前世の人格の意であり、SAM催眠学が主張する「前世人格たちは当時の感情そのままで今も生きている」とする仮説を支持しています。
ただし、スティーヴンソンは、トランス人格の所在を明らかにしてはいません。
SAM催眠学では、その所在を「魂の表層」であるという仮説を持っています。
この仮説に基づいて、被験者の魂の表層から顕現化させた前世人格が、ネパール人ナル村村長を名乗るラタラジューであり、前世人格ラタラジューは、被験者の学んだことのないネパール語による対話を24分間しており、この「魂の二層構造仮説」を支持しています。
なお、応答型真性異言「ラタラジューの事例」は、you-tubeで公開しています。
http://youtu.be/JBiM7rU6jmQ
また、フジテレビ系列の番組『奇跡体験アンビリバボー』で、2010年10月に60分間紹介されています。
唯物論に真っ向から対立するSAM催眠学の「魂の二層構造仮説」は、この仮説への諸検証によって支持されているのです。
注:SAM催眠学では、「前世」と「過去世」の用語を「前世」に統一して用います。正確な概念では、現世の直前を「前世」と呼び、それ以前を「過去世」と呼ぶのが一般的ですが、「前世療法」の用語が流通している実情から、あえて「前世」に一貫して用いることにしています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(再掲おわり)
こうして「SAM前世療法」は、前例のない世界唯一の前世療法となっています。
「前世記憶を想起させる」という前提でおこなう一般の前世療法とはまったく異なり、「前世人格を顕現化させる」という前提でおこなう「魂遡行催眠」の技法の独自性が認められ、「SAM前世療法」は第44類の登録商標となっています。
したがって、商標権者の私の承認した者以外、SAM前世療法の商標を用いて心理療法をおこなうこと、また商標SAM前世療法独創の作業仮説に基づく「魂遡行催眠」の技法を用いて前世療法をおこなうことも不法行為となります。
次回からは、SAM催眠学のルーツである私あて霊信について述べていきます。