2013年12月25日水曜日

SAM前世療法の成立 その41

総括 その2 「タエの事例」と超ESP仮説
良好な催眠状態に導き、潜在意識をどんどん深め、年齢退行によって子宮にまで戻したその先に、現世に影響をもたらしている前世の記憶とおぼしきものが想起される。
そうした想起によって、現世の不都合な症状が解消されていくという事例が積み重なるにつれて、私には語られる前世の記憶とおぼしきものの真偽を突き止めたいという探求心が徐々に芽生えてきました。
そして、「前世療法」を謳うからには、「前世」存在の有無について自分なりの見解を持って療法に取り組むべきであろうと思うようになりました。
こうして、語られた前世の真偽の検証可能な事例との出会いを待つこと四年目にして、ついに「タエの事例」との出会いが起こりました。2005年6月のことです。
「タエの事例」とは、約230年前の天明3年(1783年)7月に起きた浅間山大噴火で、群馬県を流れる吾妻川が火砕流で堰き止められ、それが決壊して泥流の大洪水が起きた折り、村を守る人柱となった渋川村上郷(かみのごう)(現渋川市上郷(かみごう))の16歳の少女タエの前世人格が現れたというものです。
タエによって語られた、年号・月日・地名・浅間山大噴火の様子などは、いずれも史実との照合が可能な具体的内容であるという希有の事例でした。
私は、勇躍して、語り内容の検証のため渋川市教育委員会の協力を仰ぎ、渋川市の現地調査に出かけました。
その検証結果は8割以上の一致率を示し、残り2割も検証不能というだけで、はっきりと誤りだと認められるものはない、という結論をもたらしました。
ただし、タエ自身の実在を示す文書等の証拠は発見できませんでした。
しかし、この検証結果即、生まれ変わり(前世の存在)の証拠となるわけではありません。
この語り内容の正確な情報が通常の方法で入手されたものではないという証明のためには、いくつかの説明仮説を検討しなければなりません。このことは「ラタラジューの事例」にも関わってくることですので、ここで検討すべき仮説の概要を述べておきます。
説明仮説その1は、「意図的作話仮説」です。
これはクライアント里沙さん(仮名)が、事前にタエに関わる諸情報を入手し、これをもとにタエという前世の架空の作り話を意図的に語ったとする仮説です。
説明仮説その2は「潜在記憶仮説」です。
これは里沙さんの通常の意識にはのぼらないタエに関わる潜在的な諸記憶があり、それを組み合わせて架空のタエの作り話を無意識的に語ったとする仮説です。
説明仮説その3は「遺伝子記憶仮説」です。
これは遺伝子の中にタエの記憶が保存されており、それによって語られたのではないかと考える仮説です。
説明仮説その4は「超ESP仮説」です。
ESPとは透視・テレパシーなの超能力のことで、これに「超」が付くと、「万能の超能力」を意味します。
つまり、里沙さんが万能の超能力を用いて、タエに関わるあらゆる情報を入手し、その情報を組み合わせて架空のタエの物語を語ったのだ、とする仮説です。
説明仮説その5は「憑依仮説」です。
これはタエを名乗る憑依霊が里沙さんに憑依してタエの人生を語ったのだ、とする仮説です。
最後の説明仮説その6が「生まれ変わり仮説」です。
これは文字どおりタエという前世が実在し、その前世の記憶が現れて、その人生を語ったとする仮説です。
私は「生まれ変わり仮説」以外に考えられる五つの仮説を詳細に検討した結果、これら五つの仮説は棄却できると判断しました。
そして、「生まれ変わり仮説」こそ、「タエの事例」をもっとも妥当に説明できる、と結論しました。
こうして、「タエの事例」を、生まれ変わりを濃厚に示す事例として、2006年5月『前世療法の探究』の中に収載し、世問うことにしたのです。
これが2006年10月、フジTV番組「奇跡体験アンビバボー」が取り上げ、セッションの記録映像と合わせて25分余り放映がされて、大きな反響を呼ぶことになりました。
放映当初、「タエの事例」は前世の存在を示してしているはずだ、という大きな自信に満ちていましたが、やがてその自信はだんだんと揺らいでくるようになりました。
それは「超ESP仮説」を完全に打破することが不可能であったからです。
この「超ESP仮説」を完全に打破しない限り、超心理学上では前世の存在を証明したことにはなりません。
通常の状態で、里沙さんが超能力を発揮した事実がないからと言って、催眠中にも絶対発揮されなかったという証明にはならないからです。
事実、海外では、普段には現れない超能力が、催眠中に突如現れたという事例があるのです。
同様に里沙さんにも、そういうことが起きていた可能性を排除できません。
「超ESP仮説」を適用される限り、「タエの事例」は前世の存在と生まれ変わりの科学的証拠として不完全だという思いが膨らんでいったのです。
また、「前世の記憶」の所在を「脳内」であるとする前提は、解決できない大きな矛盾をはらんでいます。
死とともに脳は滅び、当然脳内の記憶も滅ぶはずです。
脳内の現世の記憶や個性や人格が、来世に引き継がれる(死後存続する)道理がありません。
したがって、想起された前世の記憶は、フィクション以外のなにものでもない、という論理的帰結を免れることができないことになります。
こうして、私の探究は、「超ESP仮説」を打破できる、より完全な事例発見へと向かうことになったのでした。
そうした事例こそ、「応答型真性異言」にほかなりません。
技能である会話ができるためには練習が必要です。
いかなる情報も入手可能な万能の超能力でも、練習が不可欠な技能までは獲得できないのです。
したがって、途方もない超能力者でも、超能力によって学んでいないはずの外国語で会話できることはあり得ません。
学んでいないはずの外国語で突然会話できたとしたら、それは、前世で学んでいたとしか説明ができないことです。
「超ESP仮説」の適用を排除できる「応答型真性異言」こそ前世の証明であり、これを何としても発見したい、これが、生まれ変わりの実証を探究する私の、追い求めるべき次のターゲットとして定められることになりました。
しかし、世界中を駆け回り、20年かけてやっと3例の応答型真性異言をイアン・スティーヴンソンは発見しています。
たやすく応答型真性異言に出会うことはできない相談でした。
「タエの事例」以後4年間で、伝説のムー大陸の異言らしきもの、古代アッシリア語らしき異言など、検証にかけられないものがわずかに現れただけでした。
そして、立ちはだかっているもう一つの大きな壁は、「前世の記憶」という考え方のはらむ矛盾を、いかにして解決するかという難題でした。
タエの語りは、被験者里沙さんの前世の記憶の語りであるのか、それともタエという前世の人格の顕現化であるのか。
もし、前世人格の顕現化であるとすれば、そのような前世人格の所在が脳内であるはずがない、いったいどこにタエという前世人格は所在しているのか。
(その42へつづく)

3 件のコメント:

sayapo@docomo.ne.jp さんのコメント...

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稲垣勝巳さんのブログ大好きですベリ②(b゚д゚*)good☆勢いでコメしちゃいました(゚∇^*)あ、実は最近、稲垣勝巳さん自身にも興味がありますキャッ♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))oキャッ♪ご迷惑じゃなければ、メンバー申請してもいいですか?メールもらえるとすごく嬉しいです!

稲垣勝巳 さんのコメント...

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いつも私のブログをお読みいただいているようで、ありがとうございます。
メンバー申請はどうぞしてください。
科学的事実として、生まれ変わりや霊的現象の事実を発信することがこのブログの目的です。できうる限り、「事実」と「証拠」にもとづいた内容を心がけますし、そうした内容の発信こそが、宗教者や霊能者と一線を画すこのブログの存在意義だと思っています。

アクセス数が倍になるブログの書き方@鈴木ゆうたろう さんのコメント...

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どうも!コメントさせていただきます!色んな人のブログをまわっていたらたどり着きました!また訪問させて頂きますので、更新がんばってくださいね!