2017年9月3日日曜日

ラタラジュー人格が日本語対話できる謎

   SAM催眠学序説 その105

前世「人格」を呼び出し対話するというSAM前世療法には、前世の「記憶」を想起するというワイス式前世療法には提起されえない大きな疑問があります。
この疑問は、SAM催眠学を「学」として体系化する試みにあたって、避けて通れない大きな問題です。

前世の「記憶」を想起するワイス式前世療法においては、日本人であるクライアントが、外国人であった前世の記憶を、日本語で想起し、日本語で語ることには違和感が生じることはありません。

しかし、前世の「人格」が顕現化(自己内憑依)し、その前世人格が明らかに日本語を知らないはずの外国人であると推定される場合でも、日本語で普通の日本人のように対話できる現象には、大きな違和感が生じます。
この日本語を知らないはずの外国人前世人格は、いったい、どこから、どのようにして、日本語を理解する能力を得ているのでしょうか。

この問題に対する回答を、暫定的な仮説にしても出せないとしたら、SAM催眠学は「学」として致命的な欠陥をさらしているという批判を免れないと思います。

顕現化した外国人人格が、知るはずの日本語で対話できるのは、クライアントの催眠下の創造活動が作り上げた架空の偽人格に相違ないからだ、という批判に甘んじるほかないでしょう。
つまり、SAM前世療法で顕現化する前世人格と対話するという仮説は、胡散臭いまやかしではないのか、ということです。

さて、下記は、イアン・スティーヴンソンの、応答型真性異言を話した2例のトランス人格(前世人格)に対する考察です。

「私が特に解明したいと考えている謎に、イェンセン(スウェーデン人前世人格)やグレートヒェン(ドイツ人前世人格)が、母語でおこなわれた質問と同じく、英語でおこなわれた質問に対しても、それぞれの母語で答えることができるほど英語をなぜ理解できたのかという問題がある。イェンセンとグレートヒェンが、かつてこの世に生をうけていたとして、母語以外の言葉を知っていたと推定することはできない。ふたりは、したがって、自分たちが存在の基盤としている中心人物(真性異言話者である被験者)から英語の理解力を引き出したに違いないのである」(『前世の言葉を話す人々』春秋者、P.235)

この考察は、そのまま前世人格ラタラジューが、ネパール語対話実験セッションの直前に、私との日本語対話も可能であった現象の謎についても、そっくりそのまま当てはまります。

ネパール人ナル村村長ラタラジューが、ネパール人対話者カルパナさんと母語ネパール語でおこなわれた質問と同じく、日本語で私がおこなった質問に対しても日本語で答えることができるほど日本語をなぜ理解できたのかという大きな謎があるのです。
100年程度過去のネパールの寒村ナル村にラタラジューが実在していたとして、ネパール語以外に日本語を知っていたと推定することはきわめて不自然です。

とすれば、ラタラジューの存在の基盤である被験者里沙さんから日本語の理解力を引き出したと考える以外にありません。

それでは、ラタラジューは、里沙さんの、どこから、どのように、日本語の理解力を引き出したと考えられるでしょうか。


SAM前世療法の作業仮説では、里沙さんという人格も、ラタラジューやタエの前世人格とともに彼女の魂の表層に存在する諸人格の一つである「現世の人格」にほかなりません。

さらに、SAM前世療法の作業仮説では、魂の表層に存在する前世の諸人格、現世の人格は、魂の表層レベルで、互いに友愛を結び、それぞれの人生で得た知恵を分かち合い、魂表層全体の成長進化に貢献していると考えます。
つまり、前世の諸人格たちと、現世の人格は、魂表層で(潜在意識下で)コミュニケーションを図っていると考えています。

こうして、SAM催眠学の考え方では、ラタラジュー人格は、魂表層レベルで、互いにコミュニケーションをとっている「現世の人格=里沙さんという人格」が仲介者となって、日本語の理解力を手に入れているのだ、と想定できます。

実は、こうした理解が正しいかどうかを、カルパナさんとのネパール語対話実験に入る直前に、里沙さんの守護霊に憑依してもらい、守護霊と私は、次のような問答をしています。
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問い:: ラタラジューはネパール人です。それなのに日本語が分かるということは、翻訳・仲立ちをしているのは、魂の表層の「現世のもの」と考えてよろしいですか?

答え: あなたの言ったことはそのとおりです。・・・わたくしたち魂は・・・自然に理解できます。

『生まれ変わりが科学的に証明された!』、P.46 
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里沙さんの守護霊は、魂表層でラタラジュー人格とコミュニケーションしている「現世の人格=里沙さんという人格」から、ラタラジューが日本語の理解力を与えられている、というSAM前世療法の作業仮説による解釈を「そのとおりだ」と告げています。

スティーヴンソンは、SAM催眠学が提唱している「魂の二層構造仮説」のような魂についての仮説を持っていませんでした。
魂と呼ばず、「心搬体(サイコフォー)」と呼ぶ死後存続する意識体を想定しているだけです。

したがって、「存在の基盤としている中心人物(真性異言話者である被験者)から英語の理解力を引き出したに違いないのである」というところまでしか言及できませんでした。

私あて霊信によって、SAM前世療法の作業説を立てている私は、半歩踏み込んで、魂表層でコミュニケーションしている「現世の人格=里沙さんという人格」が仲介し、日本語の理解力を与えている、という解釈を可能にしました。

スティーヴンソンが存命中(2007年死去)であれば、私の見解に対してどのようなコメントをするか、きわめて興味深いと思っています。

非科学的なトンデモ仮説だと一蹴するのか、検討に値する仮説であると評価するのか。

ラタラジュー人格は、SAM前世療法の手続きによって、魂表層から顕現化した前世人格であり、ネパール語で応答型真性異言で対話している事実が検証され、日本語でも対話したことが確認されています。

こうした事実を、現行唯物論科学では、とうてい説明不能なのです。


23 件のコメント:

稲垣 勝巳 さんのコメント...

読者のかたから,以下のようなメールをいただきましたので紹介します。

稲垣先生、こんにちは。
実はつい先日、自分自身のブログで、私自身の前世療法下での経験と里沙さんのラタラジューの事例を基に、「前世人格の言語認識」と言うテーマで記事を書かせて頂きました。以下、その記事のURLです。稚拙な文章ですが、お目通し頂けたら幸いです。

「前世の人格の言語認識について」(ワイス式での体験)
https://ameblo.jp/seiuchiwakuwaku/entry-12306416595.html

「前世人格の言語認識についてその2」(東京、名倉さんのSAM前世療法での体験)。
https://ameblo.jp/seiuchiwakuwaku/entry-12306909305.html
どちらも前世人格エミリーが出て来た時の体験です。

私の体験とそれに追随する疑問を要約させて頂くと、
1、前世人格は、私の質問を自分の言語(エミリーの場合はスウェーデン語)をベースに考えていたのではないか?

2、エミリーがスウェーデン語で一度回答した事(スウェーデン語を聞いたわけではありません。私がスウェーデン語の単語を感知しただけです)と、里沙さんのラタラジューが出てきた最初のセッションの時に、回答にネパール語が混ざっていた事から仮定し、現世人格に催眠中何らかの形で翻訳機能にズレ、もしくは機能の低下が起きるのではないか?里沙さんの回答にネパール語が混ざっていたのは、この翻訳機能のズレや低下が原因だったのではないか?
(仮にそうだとした場合)、翻訳機能のズレや原因は何か?

3、前世人格と現世人格の言語認識の識別方法を調べる方法はあるのか?EEGを用いて脳波の波形を見る、CTやMRIなどを用いての方法は有効か?

4、前世人格は、現世人格とは明らかに表現方法が違う時がある。現世人格の言語と翻訳機能を用いているのにも関わらず生じるこの誤差の原因は?

と言うものです。

ただ私の場合、ネパール語の勉強経験の全くない里沙さんと違い、前世人格の母国語であるスウェーデン語話者であり、その上スウェーデン在住、そして前世人格エミリーを科学的に証明する証拠を持たないと言う点で、非常に論拠に乏しい言及でございます。
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前世人格の語りの謎について、真面目で緻密な検討をしていただいたことを大変うれしく思います。ありがとうございました。
科学的検証に耐え、公表された催眠中の応答型真性異言という現象は、ラタラジューの事例・グレートフェンの事例・イェンセンの事例の世界で3例しかありません。
母国語以外に知らないはずの被験者が、なぜ異言を理解し、対話できるのかというきわめて重大な問題に言及している研究者は、私の知る限りイアン・スティーヴンソンのみです。
生まれ変わりの科学的研究は、それほどに日本をはじめ世界の一般研究者から白眼視されているということでしょう。

シュヴァル さんのコメント...

ご無沙汰しております

エミリーさんの話興味深く読ませていただきました

私は前世人格がなぜか日本人ばかりなのでこのような言語的な違いはわかりませんが

以前も投稿したように前世人格の感情の違いみたいなのは感じたことがありますし

私はオスマン帝国のことをオスマントルコとはいわないのにオスマントルコといったことがあるので

特に4、は共感できますね

翻訳のずれはあるようにも思います。日本語と外国語ではニュアンスが違ったりしますので

その差であるともいえるんではないでしょうか?

セイウチ さんのコメント...

シュヴァルさん
こんにちは。
エミリーの話を読んで下さってありがとうございました。
私が書いた4、についてですが、シュヴァルさんのおっしゃる通り、日本語と外国語のニュアンスの違いというのはあると思います。外国人のセリフを和訳すると「マイク、貴方のアイディアは何て素晴らしいの!」みたいなちょっと日本語的には不自然な表現になったりしますよね(笑)。

私は東京でSAM前世療法を受けた時、エミリーは一生懸命言葉を探していました。短い時間だったのかも知れませんが、エミリーの努力(笑)は、モニター意識の中で感じました。普段の私であれば決して必死に探すような表現ではなかったので、何でエミリーが必死にこんな簡単な言葉を探していたのか、また私的には変な表現だったのでびっくりしました。しかし同じ魂とは言え前世人格の自己内憑依の場合、どうしてもニュアンスの相違(特に前世人格が外国人、もしくは古い日本人)が生じてしまうのかも知れないですね。

個人的には前世人格が自己内憑依をした時。現世人格の脳内がどうなっているのかに興味があります。前世人格は現世人格の体を使って表現するのですから、その時現世人格の脳に何らかの変化が起きるのではないか?と。特に里沙さんがネパール語の単語を話し出した時など、大きく里沙さんの脳内の脳波(もしかしたら血流も?)に大きな変化が生じたのではないか?と勝手に推測しております。
多くのクライアントの前世人格顕現時の脳内データを取れば、何か前世人格について科学的に更に解釈出来る事があるかも知れないと思っております。これにより、妄想の前世との違いが判明するという事もあるのかな?と。ただ実際に大学病院などで長時間のセッションを何人もにするのは非現実的でしょうから、データ取りは難しいですね。

稲垣 勝巳 さんのコメント...

私には、前世人格顕現化中の科学機器使用による脳内データについて、ほとんど意味があるとは考えられません。

脳波を検討しても、すでに先行研究であきらかになっているように、おそらく瞑想中、まどろみ中の脳波と同様な波形が観察されるだけでしょう。

波形が観察できても、意識内容はまったく分かりませんから、前世人格の顕現化であるのか妄想であるかなどの判別は不可能であると考えられます。

あるいは、脳内のどの部分の血流が活性化しているかが分かったところで、たいした意味があるわけではありません。

したがって、催眠中の「意識内容」の研究方法は、現行では被験者の体験報告に頼る以外にありません。

シュヴァル さんのコメント...

セイウチさん

私も、外国人だった高級霊の憑依時にうまくしゃべれないということがあったので
ニュアンスの違いはあると思います

これは、先生の霊信を呼んで思ったのですが催眠状態だと霊界に近づけるということじゃないでしょうか?
同じではなく近づけるなので距離的なものがあり距離が遠いと起こるという風に考えられます。

血流やデータについても霊信にある脳が意識を生み出していないという話と
先生の上のコメントにあるように脳波の観察もあまり有意なデータがないこと考えると
あまり意味がないように思います。

妄想と前世の話は検証でしか確認できないでしょうね。
私も高所恐怖症のときでてきた前世やご先祖の霊というのが
妄想か現実化はわかりませんでした

しかし、飛行機は怖くなくなりましたのでやっぱりなんらかの事実があると考えないと
整合性が取れないようにも思います。

稲垣 勝巳 さんのコメント...

催眠中に限らず、意識内容そのものの研究は、被験者の体験報告を検討するしか方法がありません。
体験報告には、誤解・偏見が混入することがありますから、そのようにあいまいな体験報告は科学的検討に値しないとされてきました。

SAM前世療法によって顕現化した前世人格の真偽の検証は、前世人格の語りの事実内容を歴史的事実などと照合し、検証し、矛盾の有無を検討することがもっとも現実的でしょう。
「タエの事例」、「ラタラジューの事例」はこうした検証に耐えた事例です。
しかしながら、検証に足るだけの情報が語られない事例がほとんどです。

もう一つは、前世人格との対話によって前世人格の苦しみを癒やし、そうした苦しみを現世人格に訴えたり、あるいは警告することを控えてくれるように説得し、その結果症状の改善が起こったことで、顕現化した前世人格が妄想ではないことの間接的状況証拠とすることでしょう。
シュヴァルさんの場合に、顕現化したものは、生きたま地中に葬られ、死の恐怖を訴えて苦しんでいたご先祖の未浄化霊でしたが、この未浄化霊を癒やし、浄霊作業によって、飛行機フライト恐怖症の顕著な改善に成功しています。
また、こうした事例は、複数累積されています。
未浄化霊の顕現化という妄想によって症状の改善が起こるとは考えにくいと思われます。

したがって、未浄化霊(残留思念の集合体)と呼ばれる死後存続する意識体の存在も認めざるをえないと思っています。

セイウチ さんのコメント...

稲垣先生、シュヴァルさん

ご丁寧なご返信、ありがとうございました。前世人格顕現中の医療器具による脳内データは、前世人格の真偽の検証には役に立たないのですね。何か分かれば、と期待をしましたが残念です。教えて頂いてありがとうございました。

シュヴァルさん、飛行機フライト恐怖症が治って何よりです。人それぞれ恐怖症はあると思いますが、私は波と小島恐怖症です。私には小島は敵が刀を持って襲って来た時に逃げる場所がないと言う思いがあります。ただ小島に住んでいるわけではないので、特に生活への支障はないのですが。

私も前世人格エミリーの語りの事実内容などを、徹底的に自分なりに検証してきました。スウェーデン在住だから前世人格がスウェーデン人などと言うのは安直過ぎて検証なくしては受け入れられませんし、エミリーの語った歴史的事実は全て合っていましたが、スウェーデンに住んでいれば、スウェーデンのほんの少し前の歴史の情報など意識しなくてもいくらでも入って来るでしょうし、これも信憑性に欠けていました。しかしワイス式でしたが、私のスウェーデンの赤い伝統的な木造住宅への執着とそれにまつわるわけの分からない発想や、長年の作家になりたい(でも小説は好きではない)と」いう願望がエミリーから来ていたのを知って解放され、まさに「憑き物が落ちた」状態になり、本当に精神的には楽になりました。しかしそれでもワイス式には魂のヒーリングがないので(ワイス式が悪いと言っているのでは決してありません)完全にはスッキリせず、浄霊を習ってエミリーを成仏させ、更に今の自分の現実とエミリーの感情や、やってきた事などを照合、相違点や共通点などを分析して私自身の人生の起動修正をし、ようやく自分なりに納得しましたが、それまでに3年ほどかかりました。私の場合ワイス式でもSAM前世療法のようなセラピスト、前世人格、現世の私という三者構造で私はセラピストと前世人格との会話に介入出来ないと言う状態だったので(ワイス式などで催眠深度は測られていません)、あれは一体何だったのだ?と言うパニック状態も余計エミリーの存在を懐疑に貶めていたかも知れません。と言いましても、エミリーも科学的検証に耐えているわけではもちろんありません。ただお陰で人生が大きく変わったので、良い経験をしたな、とは思っております。

中には前世療法で見た前世、もしくはサイキックな人から聞いた前世が歴史的事実と全く違っていて、そして前世人格と現世人格との繋がりも現世人格の症状の改善も、話の整合性もないのにただその時代や国が好き(例えば皇居が好きだから前世は徳川家康)と言うだけで自分の前世だと決めつけ(しかも前世が歴史上有名人のオンパレード)、ちょっとでも異論を唱えれば攻撃的に反撃してきたりする人もおりますが、私にはこのような人たちの方が不思議です。一体何を根拠にその前世を信じているのか?歴史上有名な人の家族について何の歴史的な記述も無いと言うのに私は矛盾を感じますが、彼らにとっては「たまたま歴史に記されていないだけ」と言う事になるようです。

長くなりましたが、今後もご教示頂ければと思います。ありがとうございました。


稲垣 勝巳 さんのコメント...

セイウチさん

「私の場合ワイス式でもSAM前世療法のようなセラピスト、前世人格、現世の私という三者構造で私はセラピストと前世人格との会話に介入出来ないと言う状態だった」
という記述は、ワイス式とSAMの両前世療法比較の観点から大変興味深いと思いました。

おそらく、あなたの催眠感受性はきわめて高いため、おそらく知覚催眠程度以上の催眠深度に至ると自動的に魂状態にもどるということではなかろうかと思われます。
ワイス式では、あなたがエミリーであった「前世の記憶」を想起して語るという前提でおこないますから、セッションは、終始、セラピスト対クライアントの二者構造でおこなわれるはずなのです。
それにもかかわらず、SAM前世療法と同様の、セラピスト・前世人格、現世の私という三者構造に移行し、現世のあなたはセラピストと前世人格との会話に介入出来ないと言う状態であったということは、現世のあなたが前世の記憶を語っているのでなく、「前世人格」が顕現化して語っているということなのです。
語っている主体はあなたではなく、あなたに自己内憑依し、あなたの肉体を借りている前世人格だということです。
実際に、私がワイス式でセッションをおこなっていた時代に、前世人格の顕現化としか思えない意識現象を起こした数例の事例があります。
また、SAMの場合でも、魂遡行催眠前の知覚催眠レベルの催眠深度前後で、前世人格の顕現化
が自動的に起きた事例が数例あります。

ワイス式においても、催眠感受性のきわめて高いクライアントは、自動的に魂状態に至り、前世人格の顕現化現象が起こる、と判断してよいと思われます。

スティーヴンソンの発表している二つの応答型真性異言事例「イェンセンの事例」、「グレートフェンの事例」の催眠誘導の詳細は不明ですが(おそらくワイス式でしょうが)、両事例の被験者も、あなたと同様前世人格が魂表層から自動的に顕現化したのであろうと推測しています。

そして、ワイス式の決定的弱点は、「前世の記憶」の所在についての理論的仮説がないことです。

セイウチ さんのコメント...

稲垣先生
お忙しい中、再びのご丁寧なご返信をありがとうございました。

クライアントの体質によっては、自動的に魂状態に至る事があるのですね。今思い出したのですが、一番初めに催眠療法を受けた時、セラピスト(下北沢の小倉さん)の方が私が海外から来てるからというサービスで前世療法をして下さいました。最初に出て来たのは、デンマークと戦争をした時に敵を7人殺した、スウェーデン人の薄汚いおじさん過去世が出てきました。敵とは言え、うら若い相手を殺さざると得なかった悲しみで私自信が催眠中は涙しましたが、この時はセラピストとクライアントの二者構造でした。このおじさん過去世を癒してもらった後、私が「もう一人(前世が)いるんです」と言い、その時にエミリーが前世療法で初めて出てきました。途中、段々と私の語りが「エミリーが語る」という形になって来ました。

私が思うに、エミリーは小倉さんのセラピーの前に既に顕現化していたのではないか、と思います。小倉さんのセラピーを受ける数日前に「とある事」が起き(ここでは詳細は書けないのですが)、エミリーが勝手に顕現化してしまい、私の地獄が始まりました。その「とある事」と」言うのも、前世人格が今も生きていて、その話を聞いてしまったらそれは怒るだろう、と言う事でした。ただその時はまさか前世人格の顕現化などとも思わず、エミリーの感情なのか私の感情なのか分からなくなり、前世人格という概念を前提としていなかったのでまるで多重人格者になったような感じがしました。例えて言うなら、私は本当はディズニーランドなんか大嫌いなのに始終ディズニーランドに行きたくてそのことばかり思い、ディズニーグッズがあったら欲しくもないのに買い漁る、という感じでしょうか。その苦しみは、エミリーが成仏するまで続きました。

小倉さんのセッションで「とある事」の私の怒りがどうも前世にあるっぽいと言う事が判明し(まだこの時はエミリーを妄想とも疑っていましたが)、それ以降エミリーの事で頭が一杯になり、精神的に苦しい状態が続きました。しかしデンマーク人を殺したおじさん過去生はおかげ様で成仏しました。これも、催眠を解いてもらった後小倉さんに「本当は戦争に行きたくなかったんですね」と言われ、「分かってくれる人がいた。ありがとう」という気持ちが湧いてきて、本当に嬉しかった事を覚えています。催眠はもう解かれているのに前世の感情は不思議だな、と思いましたが、前世人格がその話を聞いていたら自然な事だ、と今は思います。

その後、エミリーの件、そして「とある事」の件ですっきりしない日々が続き、「とある事」絡みで知り合ったヒプノセラピストの吉田さん(ワイス式)、根本さん(ワイス式。SAM前世療法士の成田さんのお友達でもあります)に数回前世療法をお願いしました。その時はエミリーを呼び出してもらうという形を取りました(エミリーの愚痴は延々と続きなかなか終わらなかったのでセッションも数回になりました)。誘導の言葉は覚えていないのですが(録音したのでレコーダーが壊れていなければセッションの様子が残っています)、エミリーはすぐに出てきました。両方のセラピストの方に私の催眠はとても深いと言われたので、おそらく稲垣先生のおっしゃるように私は魂遡行状態に自動的に行き、前世人格エミリーが顕現化したのだと思います。

常にエミリーの呼び出しに成功して来たのですが、名倉さんのSAM前世療法の時は、違いました。去年東京の名倉さんのサロンでも、エミリーが何か私に話したい事があるかも知れないから呼び出して欲しいとお願いしました。しかし、名倉さんの「指名」にも関わらず、エミリーは出てきませんでした。代わりにどう見ても地中海地方の景色が浮かび、16世紀のスペインに生きたマグダレナと言う黒魔術をやっていた女が出てきました。呼び出しにも関わらずエミリーが出てこなかったことがとてもショックでしたが、名倉さんの呼び出しを無視して出てきた前世人格マグダレナの信憑性は非常に高いと思います。

マグダレナの訴えを聞き、魂のヒーリングをしてもらった後、名倉さんは再びエミリーを呼び出してくれたのですが、その時にはエミリーは出てきました。

私の前世人格に関する経験から、前世人格の意識状態や、「意識とは何か?」と言う事に非常に興味を持つようになり、先生の御本も何度も読んでおります。他にも他人の前世にまつわる体験談もいろいろと聞いたり収集しております。中にはただの妄想と思われる前世を語る人もおりますが、前世人格は今でも生きていると言う概念は、人間の意識を説明するのに必然であると思っております。

稲垣 勝巳 さんのコメント...

セイウチさん

前世人格は意識体として今も生きている、という概念は生まれ変わりに直結しています。
そして、この概念はけっして絵空事ではないことを、ネパール語応答型真性異言「ラタラジューの事例」において実証しています。

SAM前世療法の魂遡行催眠によって魂表層から顕現化した前世人格ラタラジューは、対話相手のネパール人女性カルパナさんに対して、ネパール語で「あなたはネパール人ですか?」と尋ねています。
カルパナさんが「はい。私はネパール人です」と返事を返すと、ラタラジューは「お、お、お」と喜びの声を上げています。

うっかりしていると聞き逃すこの決定的対話は、私にとっては鳥肌が立つような衝撃でした。
イアン・スティーヴンソンの応答型真性異言事例「グレートフェンの事例」のセッション逐語録にも、現在進行形が明確に確認できる対話はありません。

肉体のないラタラジュー人格は、生まれ変わりの現世の里沙さんに自己内憑依し、ただいま、ここに、里沙さんの声帯と舌を借りて、確かに「現在進行形」の対話をしている、と解釈するしかありません。
里沙さんの魂表層には、ラタラジュー人格が意識体として、今も、生きているからこそ、呼び出しに応じて何度でも顕現化できる、というSAM前世療法の作業仮説が実証できた瞬間でした。
セッションに同席した中部大学の大門教授、医学博士末武信宏医師も、この対話の決定的重要性には気づくことはなかったようです。
SAM前世療法の創始者として作業仮説の検証にこだわり続けていた私だけが気づいた決定的に重要な現象です。

生まれ変わりと魂の科学的状況証拠として、このきわめて重要な対話場面の映像は、you-tubeで公開しています。

シュヴァル さんのコメント...

セイウチさん

>私にはこのような人たちの方が不思議です。

私は、少し前まで先生のような話は全く信じていませんでした。
そして仕事も、世俗的なものであるので、私の知人はこのような考え方を頭から否定する人たちです
その一方で塾で知り合った方々は、不思議な体験が幼少からあって頭から信じてる方々でした。

これらのことから推測するに人間は極端な考え方に陥りやすく
この手の話は証明など不可能なので信じるか信じないかになっているのではないかと思います

先生の「ワイス式の決定的弱点は、「前世の記憶」の所在についての理論的仮説がないことです」
もこれで、頭から信じてるひとには理論家説が必要で、ワイス式にかかわる医者などの知識人は
理論的に証明できないから、クライアントに効果があるからいいやという感じで理論構築をする
気がないように見えます。

先生の凄いところは、超ESP仮説を棄却できる事例を示されたこと
催眠状態の過去生は記憶ではなく、人格であること示しされたこと
にあると考えています。
帰納法的なあらゆる事例を検討して結論を導き出すという点ですね

多くの人は信じるか信じないかという入り口でとまってしまっているのです

稲垣 勝巳 さんのコメント...

シュヴァル さん

生まれ変わりについての実証なき万の言説より、科学的実証の裏付けのある、反証可能性にひらかれたたった一つの具体的事例にこそ決定的説得力がある、という立場こそ私の生まれ変わり探究の原点です。

イアン・スティーヴンソンは、1977年時点に精神医学誌に掲載された論文の中で、次のように述べています。

「この(生まれ変わりの)証拠は、現段階ではまだ不完全なので説得力が乏しいことは確かである。死後存続を信じたくなければ、死後存続の証拠を否定する以外道はない。・・・
こうした証拠の存在を知った者は、誰しもが、その証拠をもとに自らの立場を明確にする必要があるからである」(『前世を記憶する子どもたち2』P.552)

私が、you-tubeとアンビリで公開しているセッション映像と2冊の著書で公表している生まれ変わり(死後存続)の具体的証拠「タエの事例」、「ラタラジューの事例」の具体的反証をあげて否定する以外に、死後存続などはありえない、という実証なき頑固な観念的反論をいくら展開しても説得力を持ちません。
死後存続などありえないという感情的、観念的反論こそが、非論理的、非科学的態度です。

私はまだ、里沙さんというたった一人にしか科学的実証ができていませんが、彼女については生まれ変わりは科学的事実だと判断して間違いはないと思っています。

セイウチ さんのコメント...

稲垣先生

先生の里沙サン(ラタラジュー)との対話youtube動画も、2010年8月5日のアンビリバボーもリアルタイムで拝見致しました。何故アンビリ放映日を覚えているかと言いますと、その前日に父が病死したからです。私は番組を観て、稲垣先生は信頼出来る方、これはヤラセでは決してない、と思いました。

ラタラジューが同じネパール人であるカルパナさんと会えて喜んでいたのは、まさに現在進行形で彼が生きているとしか論理的な説明が付かないと思います。私自身も前世人格の顕現化を経験しておりますので、感覚的にも分かります。私の前世人格である16世紀にスペインに生きたマグダレナも、セラピストの名倉さんに魂のヒーリングのお礼に「ありがとう」と言っていました。

個人的に、ラタラジューがカルパナさんに会って喜んでいたのが、里沙さんがネパール語を学んでいない更なる間接的な証拠になるのではないか?と思いました。何故かと言いますと、もし里沙さんがネパール語を習っていたら、しかもあの会話レベルと発音に達するにはネイティブスピーカーに付いて相当の勉強が必要ですのでネパール人の先生に会いますから、魂表層に生きているラタラジューは同国人に時々会え、しかもネパール語も聞けるので郷愁から来る孤独感は無かったのではないか?と。あくまで私の仮説ですが。

セイウチ さんのコメント...

シュヴァルさん

ワイス式の前世の記憶の所在についての理論的仮説の欠如の件ですが、理論的に証明出来ないからと言って、本当にみんながみんな仮説の構築を放棄しているのでしょうか?どうせ自分には無理だと始めから考察を放棄しているセラピストもいるのでしょうが、中には研究中と言う方からの理論的仮説が出て来ると良いな、と思います。

ワイス式ではないのですが、「出て来た前世が本物かどうか証拠を探るのは意味がない。大切なのは今何故そのような過去世が出て来たかである」と言っていた前世療法家の方もいらっしゃり、私は正直びっくりしました。

架空の前世を造り上げる事で、ナラティブ療法やカタルシスの効果が見られるのかも知れませんが、出てきた前世をこれは創作ではないか?とセラピストが疑いつつも表面的には肯定していくと言う形は、果たして常に有効なのでしょうか?クライアントの中には前世療法ではなく精神科の受診が必要な人格障害などを持った人もいるかも知れませんし、本当の問題から逃避する為に架空の前世に逃げているケースもあるのではないか、と思います。何でもかんでも前世の影響で片づける頭の中お花畑なスピリチュアルには、私は危惧を感じます。

そして、ラタラジューの顕現化は、応答型真正異言の出現と言う功績だけでなく、「必ずしも関心のある国や時代、人物などが前世とかかわりがあるとは言えない」と言う何よりの証拠になると思いました。里沙さんはネパールに関する事に何の興味も抱いていないのにも関わらず、前世はネパール人なのです。ラタラジューのトラウマが強くてネパールに対する興味が潜在的に抑圧されていたという仮説も立てられるかも知れませんが、前世と言うものを現実的に冷静に考察するきっかけになると思いました。

稲垣 勝巳 さんのコメント...

イアン・スティーヴンソンは、催眠学の素養があり、自らも催眠ができましたから、催眠によってあらわれる「前世の記憶」について、催眠学の先行研究にしたがって、次のような否定的見解を述べています。
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こうした集中力をさらに高めていく中で被術者(クライアント)は、思考の主導権を施術者(セラピスト)に委ねてしまうため、施術者の催眠暗示に抵抗できにくくなってくる。催眠暗示により施術者に何か思い出すように命じられた被術者は、それほど正確に想起できない場合、施術者を喜ばせる目的で不正確な発言をおこなうことも少なくない。それでいながら大半の被術者は、自分が語っている内容に事実と虚偽が入り混っていることに気づかないのである。
(中略)
催眠によって誘発される特殊な服従状態の中で被術者は、何らかの、過去にあった出来事らしきものを物語らずにいられない衝動に駆られるため、現世の生活の中からそれらしきものが捜し場合には、前世らしき時代の記憶がそれまでまったく無かった場合でも、それらしき話を作りあげるかもしれないのである。
(中略)
催眠こそ記憶をよみがえらせるための絶対確実な手段であるとする思い込みを助長したけれども、実際にはそれは、事実からほど遠いのである。
(『前世を記憶する子どもたち』PP.72-73) 
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以上の批判は、催眠学の明らかにしてきた催眠中の被験者にあらわれる「要求特性」という心理現象を用いた前世記憶の想起に対する批判ですが、これに反批判できるセラピストはいないでしょう。

反批判するための唯一の手段は、クライアントの想起した「前世の記憶」が歴史的事実であること、地理的事実であることを検証し、証明する以外に無いと思います
そして、ワイス式前世療法において、クライアントの語った「前世の記憶」の真偽をきちんと科学的検証にかけた実践例を私は知りません。

私は、SAM前世療法において顕現化した「タエ」、「ラタラジュー」の両前世人格の語りの真偽をきちんと科学的検証にかけ、両前世人格の語りが真実であったことを証明しています。
それが、私の誇りであり、SAM前世療法の誇りです。

パワプロ さんのコメント...

魂は否定されましたね
http://tocana.jp/2017/09/post_14397.html

稲垣 勝巳 さんのコメント...

パワプロさん
それでは、量子論の場の理論を用いて、応答型真性異言現象を説明できますか?
学んでいないことが検証されているネパール語で会話する現象を、量子論を用いてどういうメカニズムで説明できるのしょう?
これに整合性のある答えを出してからでないと、魂の否定にはならないでしょう。
最新の量子論であろうと、それを用いて、応答型真性異言現象を論理的整合性のある矛盾のない説明に成功できなければ、シーン・キャロル教授の魂否定の量子論による断定は成立しないのではありませんか。
魂や生まれ変わりのような、人間の生き方にとってきわめて重大かつ根本的な問題において、
その証拠である応答型真性異言現象を無視してよいはずはけっしてありません。

魂や死後の世界は量子論の立場から無いと断言しているシーン・キャロル教授は、おそらく超心理学分野の応答型真性異言の研究はご存じないのではありませんか?
知ったうえで、魂や死後の世界は無いと断定できるとは思われません。
これは魂否定論者のパワプロさん自身にも問われていると思ってください。

また、あなたの紹介しているサイトには、ロバート・ランザ博士が、「死後の世界が存在することが量子論によって判明した」と主張している記事もあります。

この真っ向から対立している両者の主張をあなたはどのように受け止めているのでしょうか。

一方の主張だけを取り上げて、それが真実だとする思考は、「自分に都合のよい選択的抽出」と、抽出したそれを「極端に一般化してしまう」という認知の誤りだとは思いませんか?

このサイトは、生まれ変わりについての量子論にかかわる抽象的議論する場ではありません。
したがって、パワプロさんには、応答型真性異言には一切言及できないまま、魂を否定するだけで、反証可能性に閉ざされた抽象論のご投稿をいただきましたが、「投稿についての留意点」に提示しています下記点線内の留意点を無視されていると判断できましたので削除しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下記※印に示す内容に該当するコメント投稿はご遠慮ください。投稿されても掲載できませんのでご了解ください。

※各記事ごとのテーマから大きく逸脱しているコメント、根拠が提示されない観念論や一般論を提示するだけのものや、根拠不明で反証可能性に閉ざされたコメントは、話題の焦点が拡散し、散漫になることを避けるため、投稿されても掲載できません。

※ ご自身の意見は述べず、他者の見解を貼り付けるだけの安直・怠惰な投稿は「コメント」とは認められず掲載できません。(本サイト「コメント投稿の留意点」より引用) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このサイトは、生まれ変わりについての抽象的・観念的論議をする場ではありません。
「反証可能性にひらかれた生まれ変わりについての具体的事例」という「前提」のもとで、「具体的反証をあげて議論する」という「限界」を、基本的に設けています。
「前提」と「限界」を設けない議論は、とりとめのない抽象論、観念論の応酬におわるだけで稔りある結果を期待できませんから。

魂と生まれ変わりを認めたくないのであれば、私の提示している反証可能性にひらかれた「ラタラジューの事例」という具体的事例について、生まれかわり否定の具体的反証を挙げて投稿してください。
それ以外に魂の存在や死後存続を否定する道はありません。

ショウタ さんのコメント...

今晩は、ご部沙汰です

知恵袋でいろんな人の意見を聞きました

lalalameisterさんの回答
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11179803771#a439670076


私個人としては専門の科学者でもないし素人なので自分の考えは出来ません

ただ生まれ変わりを信じたいので色んな考えを見ているのと、否定派の考えについて稲垣さんの考えを聞きたくメッセージさせていただきました

私は信じたいが公式的には認められないのが残念です

稲垣 勝巳 さんのコメント...

ショウタさん お久しぶり。

私の考えは前コメント記事で集約しているとおりです。

魂と生まれ変わりを認めたくないのであれば、私の提示している反証可能性にひらかれた「ラタラジューの事例」という具体的事例について、あるいは、イアン・スティーヴンソンの提示している「グレートフェンの事例」について生まれかわり否定の具体的反証を挙げて論ずることです。

私は、議論にあたっては、「反証可能性にひらかれた生まれ変わりについての具体的事例」という「前提」のもとで、「具体的反証をあげて議論する」という「限界」を、基本的に設けています。
「前提」と「限界」を設けない議論は、とりとめのない抽象論、観念論の応酬におわるだけで稔りある結果を期待できませんから。

これまでの否定論者で、「ラタラジューの事例」に正対し、セッション動画やセッション逐語録を具体的に精査したうえで具体的反証をあげて否定した否定論者は皆無です。
そもそも否定論者は、はじめから魂や生まれ変わりは唯物論上あるはずがないと結論づけていますから、真面目に検討するという努力を放棄しているのです。

したがって、臨死体験だの他領域の事例だのに論点をずらしたりして、不都合な具体事例から目を逸らし、結局、抽象論に逃げ込むというのが常套手段になっています。

ショウタさんの紹介しているlalalameisterさんの回答
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11179803771#a439670076
はその典型です。
lalalameisterさんは「ラタラジューの事例」の動画をまったく検討しないまま、前世なんぞあるはずがない、とひとりよがりの独断論・観念論を述べ立てているにすぎません。

繰り返しますが、否定論者は、反証可能性にひらかれた「ラタラジューの事例」という具体的事例について、あるいは、イアン・スティーヴンソンの提示している「グレートフェンの事例」について生まれかわり否定の具体的反証を挙げて否定することです。

科学的検証を経た事実(具体的証拠)として、生まれ変わりを示す事例がきちんと提示されているのです。
この具体的証拠を検討し、突き崩す以外に魂の存在や死後存続(生まれ変わり)を否定する道はありません。

ショウタ さんのコメント...

回答ありがとうございます

確かに否定派は既存の常識からの先入観で考え、否定的な目で見るため否定的な人には何言っても客観的に調べないのですね。

ただラタラジューの事例や応答型真性異言が本当に生まれ変わりがあるなら、もしくはそれ程注目される価値があるならアンビリバボーみたいなバラエティー番組ではなくNHKの科学番組やオカルトを専門家が科学的に検証する番組で取り上げても良いと思います。

それだと多くの人が関心を持ち、科学者も関心持ちそうに思います。

知名度が低くて残念です。

稲垣 勝巳 さんのコメント...

ショウタ さん
ある物事の真偽を検討するために、私のとるべき思考態度は、「百の議論より一つの事実」を重んじることです。
生まれ変わりや魂の真偽の観念論や抽象論は、誰でも論じることができるでしょう。
では、その論の基づく具体的根拠としての事実を示すこと、事実を示すことこそ議論の決着に導く通路だと思います。

NHKは、生まれ変わり変わりや魂の存在についての科学的研究を取り上げることを明らかに敬遠し、無視しています。
臨死体験などは、体外離脱と透視いずれでも説明できるというあいまいさがあるのでまだいいのです。
「ラタラジューの事例」やスティーヴンソンの「グレートフェンの事例」などの実証研究は、生まれ変わりをほとんど疑う余地が閉ざされていますから、こうしたあいまいさを許さない事例を取り上げることは、公共放送として不都合なのでしょう。

あなたは、「ラタラジューの事例や応答型真性異言が本当に生まれ変わりがあるなら、もしくはそれ程注目される価値があるなら」と述べていますが、あなたは、「ラタラジューの事例」と応答型真性異言に疑う余地があり、注目される価値はないとお考えでしょうか?
ならば、きちんと反証をあげることです。

反証があげられないのであれば、生まれ変わりの事実を示す価値は不動であり、マスコミから注目されようがされまいがどうでもいいことだと私は考えています。

ショウタ さんのコメント...

確かにタエの事例やラタラジューの事例が唯物論では説明できないことは賛同しています。

ただマスコミや科学の世界では既存の常識の範囲で説明できなければ認められないのではないのでしょうか?

生まれ変わりがあるのなら人口の増加をどう説明できるのか?出来たとしても生まれ変わりがある限り、魂は増え続けて減らないのか?という疑問など説明できない限り納得しないと思います。

サプリメントや薬もこれで治ると言う事実を知らされても理論や仕組みを証明できなければ信じられませんよね?それと同じではないでしょうか?

稲垣 勝巳 さんのコメント...

ショウタさん

「マスコミや科学の世界では既存の常識の範囲で説明できなければ認められないのではないのでしょうか」というあなたの考え方は、科学の進歩についての独善主義というべきです。
科学の進歩は、既存の常識の範囲で説明できない事象(事実)に取り組み、それを説明可能にする努力のなかから、既存の常識を打ち破る理論が生み出されていく、こうした営みの連続です。これまでの科学の進歩史をひもといてごらんなさい。

一つの魂の表層には、100、200の前世の人格が意識体として生きていることが、セッションの累積からほぼ明らかになっています。
こうしたことから、魂の数と人口増は単純計算できません。
また、魂として最初の人生を体験している人が十数人出ています。
したがって、魂は常に生み出されているらしいのです。

私は「タエの事例」や「ラタラジューの事例」の証拠映像を根拠に、すくなくとも被験者里沙さんには生まれ変わりがあると断言しています。
生まれ変わり以外に、この二つの事例(事実)を説明できないからです。
この二つの事例を、唯物論で説明できないのなら、唯物論が間違っているか、欠陥をもっていると考えざるをえないと思います。

仕組みが証明できなければ、示された事実を信じられない、というあなたの考え方は本末転倒というべきです。
まずは、確かな事実が示されているのですから、その事実を説明する仕組みや理論は、事実の真偽にかかわりないものです。
結局、ショウタさんの言っていることは、「ラタラジューの事例」という厳然たる事実を認めることはできないという表明としか思えません。

あなたは、太陽が東から昇るという事実を、その仕組みが不明であれば信じることができませんか?
意識がある、という自明の事実を、意識の仕組みや何が意識を生み出していることが不明であれば(実際そのような現状ですが)、意識があるという事実を信じることができませんか?

そのようなことを本気で言うのであれば、あなたは救いがたい懐疑主義者だと思います。
こうした懐疑主義者を説得する方法はありませんし、縁無き衆生だと思っています。

2009年に応答型真性異言「ラタラジューの事例」に出会い、この不可解な現象を自らの手で検証し、被験者里沙さんが、どこかでネパール語を秘かに学んでいた可能性をはじめ、考え得る限りの仮説を執拗に検討し尽くした結果、学んだはずのないネパール語会話ができたという事実に疑う余地はないと結論しました。
それ以前の私は、唯物論者であり、生まれ変わりについてはきわめて懐疑的であったのです。
しかし、徹底的に検証した結果、生まれ変わり以外に説明できない事実に直面し、この事実にいかに認知的不協和を感じても、これを謙虚に受け入れるしかないと観念するに至ったわけです。

したがって、健全な懐疑精神(批判精神)を否定するつもりはさらさらありません。