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2014年10月20日月曜日

「ラタラジューの事例」セッション逐語録3

   SAM催眠学序説 その25

ラタラジューとの日本語会話


ここまで、被験者里沙さんの守護霊との対話をした後、憑依を解いてもらい、魂表層の前世人格ラタラジューと交代してもらいました。
応答型真性異言実験に入る前に、ラタラジューとの日本語での対話をおこない、2005年6月4日に初めて顕現化した、「タエ」の次の生まれ変わりである「ラタラジュー」が語った内容が、4年後の今回セッションでも同様であるかを確認したかったからです。
その結果は、4年前と同じでした。
したがって、今回顕現化したラタラジュー人格と、4年前に初めて顕現化したラタラジュー人格は同一人格であると判断できます。
もし、今回のラタラジュー人格が、未浄化霊などの憑依現象だとすれば、里沙さんに4年間憑依し続けていたか、セッションの都度憑依したことになり、そのようなことは考えにくいと思われます。
また、セッションの手続きとして、魂状態に遡行し、魂表層に存在しているラタラジュー人格を呼び出していますから、ラタラジュー人格は、魂表層の前世人格だと判断することが妥当だと思われます。
こうした意識現象の事実は、SAM前世療法の「魂の二層構造仮説」に基づいて同じ手続きを踏めば再現性がある証拠であり、その意味でSAM前世療法は、科学としての資格の一端を有していると考えてよいのではないでしょうか。


TH あなたはラタラジューですね。はっきり答えてください。日本言語分かりますね。

CL ・・・はい。

TH あなたのお国はネパールでよろしいですね。

CL はい。

TH そして、あなたの住んだ村は何と言いました?

CL  ナル・ガウン(Nallu Gaun)。

注:ガウンの発音はネパール語で村(Gaun)のこと。私はこの時点でGaunの意味を知らないのでナルガウン村だと誤解していた

TH もう一度。

CL ナル・ガウン(Nallu Gaun)。

TH ナル村じゃないですね。もう一度、ナル・・・。

CL ナル・ガウン(Nallu Gaun)。
注:この時点でラタラジュー人格は、すでに村(Gaun)というネパール語単語を日本語に混在させている。興味深い現象である。

TH はあ、ナル・ガウン? もう一つ聞きます。あなたの村は高さで言うと高いところにあるのか、低いところにあるのか、中くらいのところにあるのか言えますか? 標高って分かりますか?  海からの高さです。どこですか、ナル・ガウンは。

CL ・・・カトマンズに近い。 
注:ナル村とカトマンズとの距離は直線距離で25kmである。しかし、いくつかの山の中腹を巻いて行く道なので、車でも2~3時間かかる。徒歩であれば1日仕事であろう。ラタラジューの感覚では、1日ほどかかる距離は「近い」ということか。


TH カトマンズに近い所ですか。それならね、あなたは、カトマンズに住んだことがありますか?

CL はい。

TH あなたの守護霊に禁じられていますが、そのカトマンズに住んでいた頃に、何か悪いことをしていましたか?  罪を犯していませんか?

CL ・・・戦いました。・・・ラナ・・・シャハ(Shah)・・・ラナ、戦いをした。
注:この意味は、シャハ王朝の実権を握った宰相家「ラナ家」が、実権を握るために他の有力貴族と権力闘争したことを指していると判断できる。それが1846年である。このラナ家の戦いにラタラジューは傭兵として参加した。守護霊の「ラタラジューは若い頃人を殺しています」という指摘はこの傭兵時代のことを指していると推測可能である。また、引き続いておこなったネパール語対話では、ラナという語と対になって30歳という語を2度に渡って言っている。このことから、ラタラジューは30歳のときカトマンズに住み、1846年のラナ家の戦いに傭兵として参加したと推測可能である。以上の推測から、1846年(ラナ家の権力闘争)で30歳であるなら、ラタラジューは1816年生まれということになる。その前の人生であるタエは1783年(天明3年)に人柱として溺死しているので、タエの死後33年を経てラタラジューに生まれ変わったことになる。


TH あなたはグルカ兵として戦ったのですか?  イギリス軍に雇われて・・・。

CL グルカ?

TH グルカではありませんでしたか?  戦った相手はどこでしたか?

CL ・・・父は グルカ。

TH お父様がグルカだったわけですか。あなたはグルカではなかった。

CL 父はタマン(Tamang)から来たグルカ。
注:ラタラジューの父親はタマン族でありグルカ兵であったらしい。

TH 分かりました。あなたは結婚して妻がいましたよね。妻の名前は何と言いましたか。

CL ラ・・・ラメリ。
注:妻の名ラメリは4年前のセッションの回答と同じ。

TH 子どもは何人いましたか?

CL 二人。

TH それぞれ男の子ですか?

CL カンチャ(kancha)・・・アディス・・クジャウス。男アディス、女クジャウス。
注:kanchaとはネパール語で息子の意。男の子アディス、女の子クジャウスの回答は4年前のセッションと同じである。ここでもカンチャ(kancha)というネパール語単語が混在している。

TH そうすると一家は四人だったのですね。あなたの村には、何か寺院のようなものはありますか? お寺。

CL ・・・ダルマ(Dharma)? 
注:ネパール語で宗教の意。私は達磨(だるま)のことかと誤解した。ただし、この後のネパール語対話セッションでは、ネパール語の発音で「ダゥーマ」と発音している。

TH ダルマって何ですか? 達磨(だるま)さんのこと? お寺のことですか?

CL 達磨さん? ダルマ(Dharma)。

TH  ダルマってあなたの信じていた宗教、神様ですか。・・・あなたは年号ってわかりますか? 西暦。

CL 西暦?
注:ネパールでは西暦を用いない。また、村長クラスでもネパールの暦(ヴィクラム暦)のカレンダーを使っている家はほとんどないという。ラタラジューはカレンダーを知らないし、当然西暦の概念もないと思われる。これは4年前のセッションでも同様であった。

TH 分かりませんか。じゃあね、カレンダーみたいなものはありませんか。

CL カーレンダ?

TH 分かりません? 暦。

CL 暦? 

TH でも、あなたは村長さんでしょう。今日が何月何日かわからないと困るでしょう。そういうことが分かるものが何かありませんか。思い出しますよ。毎日、毎日一枚ずつめくったものかも知れないし。分かりませんか?

CL ・・・。 

TH それではね、これからはもうネパール人として、ネパール語を話していらっしゃったときに戻ってください。今は、あなたにつながっている「現世の者」が、あなたに日本語を通訳しています。もう私は話をしません。それで、あなたは、ネパール語でお話してくださって構いませんよ。いいですか? ここにはネパール人の女性が来ていますから、ネパール語でちょっとお話してください。ゆっくりでいいですから必ずネパール語を思い出します。前回も少しですが、間違いなくネパール語を話していますから、今日はもっと思い出すことが多くなっているはずですからね。いいですか、ゆっくりとお話してくださいね。いいですか?
注:「前回」とは2005年のセッションを指している。

CL はい。


注:ここから後、私は女性ネパール人対話者カルパナさんと交代し、いよいよネパール語による応答型真性異言の実験セッションへと移ることになります。


(その26につづく)