SAM催眠学序説 その89
ウィリストンは、『生きる意味の探究』徳間書店、1999の中で、退行催眠(前世場面への遡行)のレベルを5つに設定して示しています。
そのことを「クライアントがどの程度場面に入り込んでいるか、退行体験の現実味をどの程度主観的に評価しているかによって決定した」(同書P293)」と述べています。
以下にそのレベルの概要と、それへ達する割合を紹介します。(前掲書PP294ー302)
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レベル1 退行のもっとも浅いレベル。通常イメージはぼんやりしている。特定の何かを実際に見た、と感じる人はあまりいない。約25%の人がこのレベルに留まる。
レベル2 誰か過去生の特定人物の肉体に気持ちが入り込むことはなく、実体のないとらえどころのない存在として「その場面を漂っているような感じ」がするのが普通である。約75%の人がこのレベルに到達する。
レベル3 このレベルの経験は「映画を見ているような感じ」だと言える。しかし、登場人物になりきるのではなく、その場面で繰り広げられるアクションを、客観的に眺めているだけである。約50%がこのレベルに到達する。
レベル4 目前の状況に関与しており、傍観者というよりも、場面に参加している当人になりきっている。約30%の人がこのレベルに到達する。
レベル5 完全に場面に引き込まれ、現実味あふれる体験をする。方言、アクセント、珍しい言い回しなどがはっきり現れる。外国語を話し始めることもある。過去生での自分の感情が完全によみがえり、過去の自分の心で、すべてのことを考えるようになる。約10%がこのレベルに到達する。
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ウィ リストンもブライアン・ワイスも、「前世記憶の場面」へアクセスすることを前提としており、その催眠誘導の技法は、「トンネルの向こうには、過去生の場面が開けてい ます」と暗示する(前掲書P314)としているので、「階段を下りるとドアがあり、ドアの向こうの時間も空間も超越した次元に入ります」といったブライア ン・ワイスの退行誘導の技法との本質的な差異はない、と判断しても差し支えないと思われます。
トンネルにしろ、ドアにしろ、そうした現世と前世を隔てる「イメージとしての関門」を通過させ、前世記憶の特定場面にアクセスさせようとする誘導技法であるからです。
こうした誘導技法によって、前世記憶にアクセスする前世療法(退行催眠法)を、私は「ワイス式」と呼んでいます。
さて、ワイスはウィリストンのように、退行催眠のレベルやその到達度を述べていないようですが、1990年のあるインタビューでは、過去生まで行けるケースは被験者の3~5%(ブライアン・ワイス/山川夫妻『前世療法』PHP、P268)だと語ったとされています。
この3~5%の数字は、ウィリストンのいうレベル5に到達できた数字に該当するであろうと思われます。
こうした数字は、私の「SAM前世療法」臨床体験からすると、低すぎる、あるいは低く見積もっているのではないかと感じられます。
ただし、ワイス式とは、前提仮説も誘導技法も、まったく異なる「SAM前世療法」とを比較することは、そもそも無理があるかもしれません。
さ て、私のおこなうSAM前世療法では、誘導の最終プロセスである「魂遡行催眠」によって魂状態の自覚に至るまで催眠深度を深めます。
「魂状態遡行催眠」の誘導に入る前段階で、催眠学の先行研究である「標準催眠尺度」を用いて「運動催眠レベル(浅い深度)」、「知覚催眠レベル(中程度の深度)」のそれぞれの催眠現象が認められるかどうかの客観的測定をおこない、クライアントが確実にそれぞれの催眠深度に到達していることを確認し、さらに次の深い催眠レベルに誘導するという手続きを踏んでいます。
なぜなら、クライアントが今、どの程度の催眠深度レベルに到達しているか、の客観的判断は、標準的な何らかの尺度(物差し)によって確認しないかぎり、クライアントはもちろんのこと、セラピストにも判断できないからです。
催眠状態中と推測できる場合の脳波を調べても、瞑想状態やまどろみ状態と同様のアルファ波優勢の脳波が確認できますが、催眠状態特有の脳波は確認できないことが分かっています。
現時点で、催眠状態の深度レベルを科学機器で測定することはできません。
ちなみに「標準催眠尺度」とは、もっとも現れやすい催眠現象から、もっとも現れにくい催眠現象までを、22段階の難易度として設定し、催眠暗示によってそれぞれの尺度の催眠現象実現の有無を観察し、催眠の深度を客観的に測定するための尺度(物差し)のことです。
スタンフォード大学で研究開発され、日本では成瀬悟策医博が標準化しています。
標準催眠尺度によって測定される催眠現象について、浅い深度から順に「運動催眠」→「知覚催眠」→「記憶催眠」→「夢遊催眠」のように呼ばれています。
理由は不明ですが、ワイス式前世療法では、誘導プロセスに催眠の深度を客観的に確認する手続きがありません。
前世療法実践者として、私がもっとも知りたく思うことは、前掲ウィリストンの示すレベル1~5のクライアントのそれぞれが、「標準催眠尺度」のどのレベルであるのか、の測定結果です。
クライアント自身の「主観的評価」の5段階レベルが、前世療法の成否を判断するもっとも重要な尺度であることはもちろんですが、クライアントの各主観的レベルと、セラピスト側の「標準催眠尺度」による客観的催眠深度測定との照合があれば、臨床的にさらに有効な参考データとなるに違いないのです。
さて、もっとも深い深度であると推測できる「魂状態遡行」によって魂状態の自覚に至れば、「前世人格」を顕現化させることが可能になり ます。
ただし、「魂状態の自覚」という尺度は、標準催眠尺度にはありません。
第2段階深度の「知覚催眠」以上の催眠深度に至っていることは確実です。
「知覚催眠」をクリアできない場合には、「魂状態の自覚」に至ることができないことが確認できているからです。
こうして顕現化した前世人格は、自分の生まれ変わりである現世のクライアントの肉体を借りて(自己内憑依して)激しく泣いたり、怯えの感情をあらわにしたり、まさに、ただ今、ここに、意識体として顕現化している、としか思えない意識現象をあらわします。
ウィリストンの退行レベル5のような様相を示します。
しかし、「前世場面に引き込まれる」のでなく、「前世人格そのものが顕現化している」という前提ですから、レベル5の様相を示すことは当然と言えば当然でしょう。
そして、前世人格の顕現化する割合は、直近100事例で91%です。
9%は魂状態まで遡行できても、前世人格の顕現化が起こりません。
SAM前世療法における催眠状態深化レベルは、魂状態の自覚まで遡行できるか、できないか、の二者択一であり、顕現化した前世人格の様相は、ウィリストンの退行レベル5に相当していると言っても過言ではありません。
ただし、前世人格のうち口頭で答えられる割合は約20%未満であり、5人のうち4人までの前世人格は、私の質問に対して指を立てたり頷いたりすることでしか回答できないと言います。
こうした前世人格に、口頭で答えることがなぜできないかを尋ねると、肉体を離れて時間が経っているので、現世のクライアントの脳に命じても発声器官を操作することが難しくなっている、指や頷くといった簡単な操作ならできる、と回答します。
そして、現時点でほぼ間違いなく判断できていることは、クライアントに霊媒資質がある場合には、前世人格の口頭での対話が可能であるということです。
さらに、里沙さんの守護霊の告げるところによれば、そうした霊媒資質のきわめてすぐれている場合にかぎり、「応答型真性異言」現象をあらわすことが可能であるらしい、ということです。
顕現化した「タエ人格」も「ラタラジュー人格」も、すぐれた霊媒資質を有する被験者里沙さんであったので、彼女の発声器官を用いることができたということです。
ワイス式前世療法では、前世の記憶を口頭で答えることができない、といった事例はないようです。
クライアント自身が前世の記憶を語る、という前提ですから、これは当然のことなのでしょう。
SAM前世療法は2008年に私が創始した療法であり、先行研究がまったくありません。
さらに事例の累積を積んで検証をしていく必要があります。
前世人格の口頭回答率が20%未満でしかない理由も、さらに検証を重ねていくなかで明らかになっていくものと思っています。
ウィリストンは、『生きる意味の探究』徳間書店、1999の中で、退行催眠(前世場面への遡行)のレベルを5つに設定して示しています。
そのことを「クライアントがどの程度場面に入り込んでいるか、退行体験の現実味をどの程度主観的に評価しているかによって決定した」(同書P293)」と述べています。
以下にそのレベルの概要と、それへ達する割合を紹介します。(前掲書PP294ー302)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
レベル1 退行のもっとも浅いレベル。通常イメージはぼんやりしている。特定の何かを実際に見た、と感じる人はあまりいない。約25%の人がこのレベルに留まる。
レベル2 誰か過去生の特定人物の肉体に気持ちが入り込むことはなく、実体のないとらえどころのない存在として「その場面を漂っているような感じ」がするのが普通である。約75%の人がこのレベルに到達する。
レベル3 このレベルの経験は「映画を見ているような感じ」だと言える。しかし、登場人物になりきるのではなく、その場面で繰り広げられるアクションを、客観的に眺めているだけである。約50%がこのレベルに到達する。
レベル4 目前の状況に関与しており、傍観者というよりも、場面に参加している当人になりきっている。約30%の人がこのレベルに到達する。
レベル5 完全に場面に引き込まれ、現実味あふれる体験をする。方言、アクセント、珍しい言い回しなどがはっきり現れる。外国語を話し始めることもある。過去生での自分の感情が完全によみがえり、過去の自分の心で、すべてのことを考えるようになる。約10%がこのレベルに到達する。
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ウィ リストンもブライアン・ワイスも、「前世記憶の場面」へアクセスすることを前提としており、その催眠誘導の技法は、「トンネルの向こうには、過去生の場面が開けてい ます」と暗示する(前掲書P314)としているので、「階段を下りるとドアがあり、ドアの向こうの時間も空間も超越した次元に入ります」といったブライア ン・ワイスの退行誘導の技法との本質的な差異はない、と判断しても差し支えないと思われます。
トンネルにしろ、ドアにしろ、そうした現世と前世を隔てる「イメージとしての関門」を通過させ、前世記憶の特定場面にアクセスさせようとする誘導技法であるからです。
こうした誘導技法によって、前世記憶にアクセスする前世療法(退行催眠法)を、私は「ワイス式」と呼んでいます。
さて、ワイスはウィリストンのように、退行催眠のレベルやその到達度を述べていないようですが、1990年のあるインタビューでは、過去生まで行けるケースは被験者の3~5%(ブライアン・ワイス/山川夫妻『前世療法』PHP、P268)だと語ったとされています。
この3~5%の数字は、ウィリストンのいうレベル5に到達できた数字に該当するであろうと思われます。
こうした数字は、私の「SAM前世療法」臨床体験からすると、低すぎる、あるいは低く見積もっているのではないかと感じられます。
ただし、ワイス式とは、前提仮説も誘導技法も、まったく異なる「SAM前世療法」とを比較することは、そもそも無理があるかもしれません。
さ て、私のおこなうSAM前世療法では、誘導の最終プロセスである「魂遡行催眠」によって魂状態の自覚に至るまで催眠深度を深めます。
「魂状態遡行催眠」の誘導に入る前段階で、催眠学の先行研究である「標準催眠尺度」を用いて「運動催眠レベル(浅い深度)」、「知覚催眠レベル(中程度の深度)」のそれぞれの催眠現象が認められるかどうかの客観的測定をおこない、クライアントが確実にそれぞれの催眠深度に到達していることを確認し、さらに次の深い催眠レベルに誘導するという手続きを踏んでいます。
なぜなら、クライアントが今、どの程度の催眠深度レベルに到達しているか、の客観的判断は、標準的な何らかの尺度(物差し)によって確認しないかぎり、クライアントはもちろんのこと、セラピストにも判断できないからです。
催眠状態中と推測できる場合の脳波を調べても、瞑想状態やまどろみ状態と同様のアルファ波優勢の脳波が確認できますが、催眠状態特有の脳波は確認できないことが分かっています。
現時点で、催眠状態の深度レベルを科学機器で測定することはできません。
ちなみに「標準催眠尺度」とは、もっとも現れやすい催眠現象から、もっとも現れにくい催眠現象までを、22段階の難易度として設定し、催眠暗示によってそれぞれの尺度の催眠現象実現の有無を観察し、催眠の深度を客観的に測定するための尺度(物差し)のことです。
スタンフォード大学で研究開発され、日本では成瀬悟策医博が標準化しています。
標準催眠尺度によって測定される催眠現象について、浅い深度から順に「運動催眠」→「知覚催眠」→「記憶催眠」→「夢遊催眠」のように呼ばれています。
理由は不明ですが、ワイス式前世療法では、誘導プロセスに催眠の深度を客観的に確認する手続きがありません。
前世療法実践者として、私がもっとも知りたく思うことは、前掲ウィリストンの示すレベル1~5のクライアントのそれぞれが、「標準催眠尺度」のどのレベルであるのか、の測定結果です。
クライアント自身の「主観的評価」の5段階レベルが、前世療法の成否を判断するもっとも重要な尺度であることはもちろんですが、クライアントの各主観的レベルと、セラピスト側の「標準催眠尺度」による客観的催眠深度測定との照合があれば、臨床的にさらに有効な参考データとなるに違いないのです。
さて、もっとも深い深度であると推測できる「魂状態遡行」によって魂状態の自覚に至れば、「前世人格」を顕現化させることが可能になり ます。
ただし、「魂状態の自覚」という尺度は、標準催眠尺度にはありません。
第2段階深度の「知覚催眠」以上の催眠深度に至っていることは確実です。
「知覚催眠」をクリアできない場合には、「魂状態の自覚」に至ることができないことが確認できているからです。
こうして顕現化した前世人格は、自分の生まれ変わりである現世のクライアントの肉体を借りて(自己内憑依して)激しく泣いたり、怯えの感情をあらわにしたり、まさに、ただ今、ここに、意識体として顕現化している、としか思えない意識現象をあらわします。
ウィリストンの退行レベル5のような様相を示します。
しかし、「前世場面に引き込まれる」のでなく、「前世人格そのものが顕現化している」という前提ですから、レベル5の様相を示すことは当然と言えば当然でしょう。
そして、前世人格の顕現化する割合は、直近100事例で91%です。
9%は魂状態まで遡行できても、前世人格の顕現化が起こりません。
SAM前世療法における催眠状態深化レベルは、魂状態の自覚まで遡行できるか、できないか、の二者択一であり、顕現化した前世人格の様相は、ウィリストンの退行レベル5に相当していると言っても過言ではありません。
ただし、前世人格のうち口頭で答えられる割合は約20%未満であり、5人のうち4人までの前世人格は、私の質問に対して指を立てたり頷いたりすることでしか回答できないと言います。
こうした前世人格に、口頭で答えることがなぜできないかを尋ねると、肉体を離れて時間が経っているので、現世のクライアントの脳に命じても発声器官を操作することが難しくなっている、指や頷くといった簡単な操作ならできる、と回答します。
そして、現時点でほぼ間違いなく判断できていることは、クライアントに霊媒資質がある場合には、前世人格の口頭での対話が可能であるということです。
さらに、里沙さんの守護霊の告げるところによれば、そうした霊媒資質のきわめてすぐれている場合にかぎり、「応答型真性異言」現象をあらわすことが可能であるらしい、ということです。
顕現化した「タエ人格」も「ラタラジュー人格」も、すぐれた霊媒資質を有する被験者里沙さんであったので、彼女の発声器官を用いることができたということです。
ワイス式前世療法では、前世の記憶を口頭で答えることができない、といった事例はないようです。
クライアント自身が前世の記憶を語る、という前提ですから、これは当然のことなのでしょう。
SAM前世療法は2008年に私が創始した療法であり、先行研究がまったくありません。
さらに事例の累積を積んで検証をしていく必要があります。
前世人格の口頭回答率が20%未満でしかない理由も、さらに検証を重ねていくなかで明らかになっていくものと思っています。