2012年3月2日金曜日

ワイリストンの退行催眠5つのレベルとSAM前世療法

ウィリストンは、『生きる意味の探究』の中で、退行催眠(前世場面への遡行)のレベルを5つに設定して示しています。
「クライアントがどの程度場面に入り込んでいるか、退行体験の現実味をどの程度主観的に評価しているかによって決定した。(同書P293)」と述べています。
以下にそのレベルの概要と、それへ達する割合を紹介します。(同書PP294ー302)
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レベル1
 退行のもっとも浅いレベル。通常イメージはぼんやりしている。特定の何かを実際に見た、と感じる人はあまりいない。約25%の人がこのレベルに留まる。
レベル2 誰か過去生の特定人物の肉体に気持ちが入り込むことはなく、実体のないとらえどころのない存在として「その場面を漂っているような感じ」がするのが普通である。約75%の人がこのレベルに到達する。
レベル3 このレベルの経験は「映画を見ているような感じ」だと言える。しかし、登場人物になりきるのではなく、その場面で繰り広げられるアクションを、客観的に眺めているだけである。約50%がこのレベルに到達する。
レベル4 目前の状況に関与しており、傍観者というよりも、場面に参加している当人になりきっている。約30%の人がこのレベルに到達する。
レベル5 完全に場面に引き込まれ、現実味あふれる体験をする。方言、アクセント、珍しい言い回しなどがはっきり現れる。外国語を話し始めることもある。過去生での自分の感情が完全によみがえり、過去の自分の心で、すべてのことを考えるようになる。約10%がこのレベルに到達する。 
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ウィリストンもブライアン・ワイスも、前世記憶へアクセスすることを前提としており、その退行誘導の技法は、「トンネルの向こうには、過去生の場面が開けています」と暗示する(同書P314)としているので、「階段を下りるとドアがあり、ドアの向こうの時間も空間も超越した次元に入ります」といったブライアン・ワイスの退行誘導の技法との本質的な差異はないと言っても差し支えないと思われます。
トンネルにしろ、ドアにしろ、そうした現世と前世を隔てる「イメージとしての関門」を通過させ、前世記憶の場面にアクセスさせようとする技法であるからです。
こうした技法によって、前世記憶にアクセスする前世療法(退行催眠法)を、筆者は「ワイス式」と呼んでいます。
さて、ワイスはウィリストンのように、退行催眠のレベルやその到達度を述べていないようですが、1990年のあるインタビューでは、過去生まで行けるケースは被験者の3~5%(ブライアン・ワイス/山川夫妻『前世療法』P268)だと語ったとされています。この3~5%の数字は、ウィリストンのいうレベル5に到達できた数字であろうと思われます。
こうした数字は、筆者の臨床体験からすると、低すぎる、あるいは低く見積もっているのではないかと感じられます。
さて、筆者のおこなうSAM前世療法では、魂状態の自覚に至るまで催眠深度を深めます。魂状態の自覚に至れば、「前世人格」を顕現化させることが可能になります。こうして顕現化した前世人格は、生まれ変わりである現世の肉体を借りて激しく泣いたり、怒りの感情をあらわにしたり、まさに今も意識体として生きているとしか思えない感情表現をします。ウィリストンの退行レベル5のような様相を示します。
前世場面に引き込まれるのでなく、前世人格そのものが顕現化しているという前提ですから、レベル5の様相を示すことは当然と言えば当然でしょう。
そして、前世人格の顕現化する割合は、直近200事例で90%です。10%は魂状態に遡行できません。
SAM前世療法の催眠レベルは、魂状態に遡行できるか、できないか、の二者択一であり、顕現化した前世人格の様相は、ウィリストンの退行レベル5に相当していると言っても過言ではありません。
ただし、前世人格のうち口頭で答えられる割合は約20%であり、5人のうち4人までの前世人格は、質問に対して指を立てたり頷いたりすることで回答します。
こうした前世人格に、口頭で答えることがなぜできないかを尋ねると、肉体を離れて時間が経っているので、発声器官を用いることが難しくなっている、指や頷くといった簡単な操作ならできる、と回答します。
顕現化したラタラジュー人格は、被験者里沙さんの発声器官を用いることのできる前世人格であったということです。
ワイス式前世療法では、前世の記憶を口頭で答えることができない、といった事例はないようです。
クライアント自身が前世幅記憶を語る、という前提ですから、これは当然のことでしょう。
SAM前世療法は2008年に生まれた療法で、先行研究がありません。
さらに事例の累積を積んで検証をしていく必要があります。口頭回答率が20%でしかない理由も、さらに検証を重ねていくなかで明らかになっていくものと思っています。
筆者の知人で、「ラタラジューの事例」を、英訳・韓国語訳をしてくださっている方がおられます。
以下が、そのブログアドレスです。もし、あなたの知人で、英語や韓国語のほうが堪能の方がおいでなら紹介してあげてください。
http://newxenoglossy.blogspot.com/ (英語)
http://newxenoglossy.blogg.se/ (スウェーデン語)
http://blog.naver.com/sofiabang (韓国語

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