2011年11月13日日曜日

被験者里沙さん証言の検証その6

(その5からのつづき)
②ポリグラフ検査の鑑定結果と考察
 
次は鑑定結果の原文です。
鑑定事項1「タエの事例」に関する事前の情報入手経緯については「本・雑誌類で」で明確な特異反応(顕著な皮膚電気反応)を認めたが、内観には考慮すべき妥当性があり前世療法を受ける以前の認識(記憶)に基づくものか否かの判断はできない。
考慮すべき妥当性ある内観とは「セッション後、稲垣からこんな本読んだことはないかと尋ねられる度に本屋に走り本を読んだりした。
また、稲垣の『前世療法の探究』を読んだ。こうした経緯があり、前世療法を受けて以後のことながら、1回目の質問の時から情報入手経緯の本・雑誌について、いいえ、と回答することには引っかかりを感じた」という内観報告である。
したがって、特異反応はこうした内観に矛盾しないものである。
鑑定事項2「タエの事例」に関する情報入手時期については何れにも特異反応を認めず特記すべき内観なし。
これらに対する認識(記憶)は全くないものと考えられる。

鑑定事項3
「隣人」を意味するネパール語について、chimeki(チメキ)には特異反応を認めず。
特記すべき内観なし。
これが該当事実であるとの認識(記憶)は全くないものと考えられる。
鑑定事項4「息子」を意味するネパール語について、 chora(チョラ)には特異反応を認めず。
特記すべき内観なし。
これが該当事実であるとの認識(記憶)は全くないものと考えられる。

鑑定事項5 「ルピー」には注目すべき特異反応を認めず。
これが該当事実である認識(記憶)は全くないものと考えられる。
さて、上記の鑑定内容にさらに説明を加えると、次のようなことになります。
、「タエの事例」に関して事前の情報入手をしていたかどうかについては、その情報を入手した時期の認識(記憶)はない。
つまり、情報を事前に調べた認識(記憶)はない
しかし、本・雑誌から事前入手した認識(記憶)はあるという一見矛盾した鑑定結果が出たということです。
ただし、本・雑誌を読んだのは、「タエの事例」セッション以後の認識(記憶)であることの妥当性を持つ根拠があるので、セッション以前に本・雑誌から情報を入手していたという判断はできないということです。
そして、セッション以後であっても、本・雑誌という情報入手経緯について、明確な特異反応(嘘をついている反応)が認められたことは、里沙さんの嘘を隠せない誠実な人柄の現れと見ることができ、鑑定結果全般の信頼度が保証されるという鑑定者の見解でした。
もし、鑑定事項2の回答の中に「セッション以後」という回答が設定してあれば、おそらく里沙さんはこれに特異反応を示したはずで、そうなれば、セッション以前にタエに関する情報を入手した認識(記憶)はない、との鑑定結果が出たに違いないと思われます。

、3語のネパール語に関する認識(記憶)は全くないものと考えられる、という鑑定結果から、少なくとも里沙さんが、意図的にネパール語を学んでいた可能性はないと判断できます。
特に、ネパール語を学んでいて通貨単位のルピーを知らないはずはないでしょう。
したがって、意図的作話仮説が成り立つ余地はありません。
しかしながら、検査に使われた単語のchora(チョラ・息子)も chimeki(チメキ・隣人)も、セッション中にカルパナさんが用いた単語で、記憶していた九つの単語同様、里沙さんがこれら2語も記憶していてもいいはずの単語です。
にもかかわらず、里沙さんは全く特異反応を示さなかった、つまり、知っているという反応が全く出なかったという結果は何を意味しているのでしょうか。 
考えられる可能性は三つあります。
一つ目は、chora もchimekも、顕在意識・潜在意識の両方ともに、初めから完全に記憶に留めていないと解釈することです。
二つ目は、催眠中の潜在意識の下で里沙さんが知った単語なので12単語のうち二つの単語は潜在記憶となっ抑制されており、顕在意識としては知らないものとして処理され反応しなかった、と解することです。
もう一つの解釈は、ラタラジューは里沙さん自身ではない前世の人格であるので、カルパナさんの用いた単語の記憶すべてがそのまま里沙さんの記憶とはならず里沙さんは知っているという反応を示すことがなかった、と考えることです。 
いずれにせよ、以上のポリグラフ検査鑑定結果によって明らかになったことは、ポリグラフ検査で判断できるのは、あくまで顕在意識としての記憶の有無であり、潜在記憶の有無は判断できないという事実です。
このことは、意図的作話仮説の検証にポリグラフ検査の有効性を認めることはできても、潜在記憶仮説の検証には有効性がないだろうということです。  
しかしながら、里沙さんがネパール語を現世の人生のどこかで無意識的に学んでいるにもかかわらず、その記憶を忘却しているだけだ、とする潜在記憶仮説で説明することにきわめて無理があることは、生育歴の調査結果から明白です。
したがって、潜在記憶仮説も棄却できると判断しました。
こうして、「ラタラジューの事例」を催眠中にあらわれた世界3番目の応答型真性異言として認めることができると判断するに至りました。
このことは、ラタラジューという前世のネパール人が実在していたことを認めることであり、つまり、生まれ変わりの科学的証明が、確かな証拠映像に基づいてついにおこなわれたと結論づけたということです。
生まれ変わりは科学的事実であるということなのです。
筆者は、少なくとも里沙さんにおいては、生まれ変わりが事実であると証明された、と宣言したいと思います。
なお、この「ラタラジューの事例」は、2010年8月フジTV系列番組「奇跡体験アンビリボー」で60分間にわたって紹介され、前回2006年10月放映の「タエの事例」以上に注目されることになりました。
そして、この番組によって前世人格ラタラジューの応答型真性異言発話中の映像が世界初公開され、生まれ変わりを証明する科学的証拠として非常に大きな反響を呼ぶことになりました。
ちなみに、視聴率は12、8%の高視聴率であったということです。
(つづく)

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