2011年10月12日水曜日

生まれ変わりの証拠「ラタラジューの事例」その1

さて、これまで紹介してきた「タエの事例」の語り内容の検証は、今回から紹介する「ラタラジューの事例」の紹介後にしたいと思います。
先に結論から言えば、タエの語りの検証可能な事実のうち、検証によって歴史的事実との一致率は85%であり、残りは検証不能というだけであり、明確に歴史的事実に反する語り内容はなかったという検証結果でした。詳細にご興味のある方は拙著『前世療法の探究』春秋社、2006をお読みください。

また、2009年8月に実施したポリグラフ検査(嘘発見機)によっても、被験者里沙さんが事前にタエの語りに関する諸情報を入手していた記憶の事実は全くない、という鑑定結果でした。
つまり、里沙さんは、自分のあずかり知らぬ前世のタエの人生を正確に語ったということです。

こうした事実から、タエの前世は真実であって、生まれ変わりは証明されたのだ、と思われるのですが、ことは簡単にそうとは言えないのです。
被験者里沙さんが、催眠中に透視やテレパシーなどの万能の超能力を発揮して、タエの語り内容に関わる諸情報を入手し、それら情報を組み合わせ編集し、タエという架空の少女の人柱物語を作話したのだ、という途方もない仮説=「超ESP仮説」があるのです。
これは、生まれ変わりのような奇怪な仮説を認めるくらいなら、生きている人間の心の力で説明できる「超ESP仮説」を支持するほうが、まだ科学的・論理的だとする超心理学者によって提示されているものです。
生まれ変わりの100年余の科学的研究の前に最後に立ちはだかっているのが、この超ESP仮説です。超ESP仮説さえなければ、生まれ変わりの科学的証明に足る証拠は十分に蓄積されていると生まれ変わりの研究者は考えています。

それでは、生まれ変わりの科学的証明などはないものねだりなのでしょうか? 生まれ変わりなどというものは宗教的信仰にとどめておくべきで、科学的証明とは相容れぬものなのでしょうか。
 
この難題に立ち向かったのが、バージニア大学人格研究室教授イアン・スティーヴンソンです。
スティーヴンソンは、超ESPによっても入手できないことが明らかになっている技能が、その技能を学んでいないことが証明されたにもかかわらず発揮される現象こそ生まれ変わり以外に説明できないであろうと考えたのです。
なぜなら、技能は情報ではないからです。
どんなに優れた超能力者がバイオリンについての詳細な情報を超能力で入手したからといって、練習が必要なバイオリンの曲を弾くという技能までを入手することは不可能です。技能は超能力で入手できません。
学んだはずがない技能を発揮する生まれ変わりを証拠立てる一つの典型が、学んだはずのない外国語で会話するという超常現象です。これを応答型真性異言と言います。

スティーヴンソンは、世界中を飛び回って、3例の応答型真性異言現象を発見し発表しています。日本では、『前世の言葉を話す人々』春秋社として出版されています。
管見によれば、応答型真性異言の公式発表は1980年代を最後に今世紀では発表がありません。
そして、これから紹介する「ラタラジューの事例」は、今世紀初の応答型真性異言の発見ですし、その証拠映像が撮られたということでは世界初のことです。

この証拠映像があり、被験者里沙さんも生存しており、必要なら誰にでも反証可能性に開かれていますから、これが応答型真性異言ではないと映像証拠を検証したり、里沙さんの生活歴を洗ってネパール語を学んでいる証拠を示すことが可能です。もちろん、ポリグラフ検査によって、里沙さんがネパール語を学んだ記憶は全くないという鑑定結果を得ています。
ちなみに、「ラタラジューの事例」は2010年8月5日にアンビリバボーで1時間にわたって放映されています。
それでは、応答型真性異言「ラタラジューの事例」の逐語録を紹介していきます。

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