2011年7月6日水曜日

催眠とは何か

催眠という言葉は、意味する内容があいまいで、ある一つの現象を指すというよりは、いろいろな側面を持つ現象を包括して、催眠と呼んでいるというのが当たっています。このような用い方は意味内容にブレやズレが生じますから、一応次のような一般的定義を示しておくことが必要だと思います。
催眠とは、人為的に引き起こされた状態であり、被暗示性の高進やふだんとは違った特殊な変性意識状態が特徴である。その結果、運動や知覚、記憶、思考などの異常性がいっそう容易に引き起こされるような状態である」。
 ここに言う「人為的に引き起こされた状態」ということが重要です。
 ここを押さえておかないと、さまざまな催眠様状態がすべて「催眠」として扱われてしまいます。
 その典型が「催眠商法」という用語です。言葉巧みに購買意欲をそそるだけのことが「催眠商法」と呼ばれて、催眠が悪徳商法の道具だと誤解されてしまうのです。あるいは、電車に揺られてうっとりし、自然に起こったまどろみの状態も「催眠」と呼ぶことになります。
 催眠研究の現状を例えるなら、大陸棚を探究しているだけのようなものです。深海の手前にはセーフティネットを張り巡らせて、何が潜んでいるか分からない深海の底には手を出さないように、見ないように自制しているように思われます。
 ここで比喩的に「深海の底」と言っているのは、催眠の霊的側面のことです。具体的には、前世療法をはじめ催眠下で起こる霊的存在の憑依様現象、超常能力の発現などを指しています。
 催眠下で兄から「千里眼になる」と暗示されて、そうした能力が発現した御船千鶴子の例もそうですし、タエの事例の里沙さんも霊能力の発現が起きています。エドガー・ケイシーのリーディング能力も催眠下で発揮されています。
 深い催眠と霊的現象・超常能力(ESP)の発現とは深い関わりがあることはほぼ断言してよいと思われます。
 研究は確かに進んでいますが、まだまだ謎に包まれた領域の方がはるかに広く深く存在しています。

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